今回彫ったのは、
国字の 「乄(しめ)」。
意味は「合計」や「しめ(封じ目)」などで、
〆切の〆にもつながる文字です。
普段はあまり書く機会がありませんが、
意外と身近な場面に潜んでいます。
この字、
実は語源がはっきりしていません。
その中の一説に「卜(ぼく)が変形したもの」という面白い話があり、
今回はその説をヒントにしつつデザインしてみました。
■ 存在しない金文をどうするか問題
乄には古い書体の資料がほぼないため、
金文を“自分で作る”ところから始まる篆刻になりました。
朱文で彫ると線のバランスが命になるので、
まず卜を斜めに倒し、
そこに“しめ”らしい締まりを意識して形を整える。
どうまとめるか悩ましかったですが、
こういう想像で補っていく作業は国字ならではで楽しいところです。
■ 制作中の気付き
朱文はいつも以上に線の表情が残りやすく、
一画に見えるのに奥行きがあって、
やっぱり単純な文字ほど難しくて面白い。
存在しない古字を想像しながら、
「もし古代の誰かがこの字を刻したら…」
という妄想をしつつ彫る時間は、
とても贅沢でした。
■ 仕上がりについて
押してみると、
卜の気配を残しながらも
「乄」らしい締まりとシンプルさが出てくれて、
自分としては満足いく印に仕上がったと思います。
国字は毎回、
新しい挑戦を運んできてくれる存在ですね。
・作品情報
- 印影:
- サイズ:6mm、朱文
- 書体:金文風
- 動画:
- 通販サイト:「繪驗房」音型の通販サイト
生成AIさんにイメージを作ってもらいました。

