今回の百顆印は、
国字の 「鞆(とも)」 を白文で彫りました。
「鞆」という字は、
弓を射る際に左手首の内側につける、
防具のような役割の道具を指します。
弓を放った瞬間、
弦が腕に当たらないよう守るためのものですね。
私は弓道の経験があるわけではないので、
実際につけたことはありませんが、
名前だけは耳にしたことがありました。
また「鞆の浦」という地名にも使われているので、
地名由来としても身近な人には馴染みがあるかもしれません。
革に「丙」で“とも”。
意味を知ると、
漢字としての造りも味わい深いものがあります。
■ 制作の裏話 ― 印稿が消えた日
今回は白文で彫ろうと決めていて、
彫る前に「布字のための印稿(という名のメモ)」を描いていたのですが…
彫る直前に、
その紙が忽然と消えました😅
机の上を全部どけても見つからず、
結局「もう一から描き直すか…」と腹を括ることに。
最初の下描きとは比較できなくなりましたが、
描き直した印稿を元に彫ってみると、
思った以上に全体がまとまり、
結果的には「これで良かったんじゃないかな」という仕上がりになりました。
篆刻の途中で紙が行方不明になるなんて、
もはや日常の一コマですが、
こういうハプニングもまた楽しさの一部なのかもしれません。
■ 白文で彫ってみて
革偏の動きと、
丙のバランスの取り方がとても面白い字でした。
白文にすることで、
線の太さや抜きの部分がより際立ち、
文字の輪郭が引き締まった印影になりました。
シンプルに見える字ほど、
線の位置や角度が微妙に難しく、
彫りながら何度も手を止めて確認したくなるタイプの漢字です。
けれど、
その分 彫りごたえのある楽しい一本 となりました。
■ おわりに
「鞆」は、
現代ではあまり馴染みのない字かもしれませんが、
調べるほどに道具の歴史や地名と結びついていて、
篆刻する前よりずっと身近に感じられるようになりました。
今回の印も、
ほどよく味が出て、
満足度の高い仕上がりとなりました。
また次の一文字も、
楽しみながら彫っていきます。
お読みいただき、
ありがとうございました。
・作品情報
- 印影:
- サイズ:6mm、白文
- 書体:金文風
- 動画:
- 通販サイト:「繪驗房」音型の通販サイト
生成AIさんにイメージを作ってもらいました。

