今回は、
国字「𦨞(かわら)」を朱文で彫りました。
「かわら」と聞くと瓦屋根を思い浮かべますが、
この字が指すのは、
和船の底に通った一本の太い板材。
船首から船尾まで、
一直線に伸びる“竜骨(キール)”のような役割をもつ大事な部材です。
調べていくうちに、
ただの板ではなく「船の背骨」そのものだと知り、
その力強さをどう印面で表現するかが今回のテーマになりました。
■ 𦨞という字のおもしろさ
「舟」に「元」で“かわら”。
瓦のイメージとは全く違い、
船を支える中心構造の名前になるのが面白いところです。
キールと聞くと、
どうしても“宝樹アダム”を思い出してしまうのですが(笑)、
船大工という職業のカッコよさや、
ものづくりのロマンを感じる字でもあります。
ものづくりって、
イメージしたものを形にしていく挑戦の連続で、
その過程がとにかく楽しい。
大工なんて最強の職業なんじゃないかとすら思います。
……あ、今回は船の話でしたね😅
■ 制作の裏話と今回のポイント
今回は朱文で制作。
布字をした時点で「これはいける」と思わせてくれた字形でした。
舟の“骨組み”を意識しながら、
文字を太めに残す構成に。
実際に彫っていくと、
想像よりも安定感のある線になり、
「やってみてよかった」と思える手応えのある仕上がりになりました。
舟の中心となる構造は“太く強く”。
そんなイメージがそのまま印面に反映されたような気がします。
■ おわりに
国字は、
意味を調べる過程から面白い発見が多く、
その背景を知るだけで彫る時間がさらに楽しくなる気がします。
今回の「𦨞」もまさにその一つでした。
篆刻の記録として、
これからもまた残していきたいと思います。
読んでくださりありがとうございました!