「ロックなんて教えてもらうもんじゃない!」みたいな考えを持っていました。
今から9年位前に仕事を変わった時に、音楽やってるどころじゃなくて、しばらくバンド活動を控えていた時期があります。
それまではどちらかと言うとパワードラマーだったのですが「このままのスタイルで良いのかな?」という疑問も持っていました。
疑問を持ち始めたきっかけは、Charのバンド「PSYCHEDELIX」のドラマー「Jim Copley」を聴いた事です。
仕事を変わる数年前、まだ独身の頃にやっていたバンドでは、現在のバンドのギターと一緒でした。
その彼が貸してくれた一枚のCD。それがPSYCHEDELIXのファーストアルバムでした。
「か、かっこえぇぇぇっっ!」
ツブがそろいまくった、スティックがヘッドの上を転がってるようなゴーストノートと、ソレをふんだんに、しかもこれ以上無いと思うほど効果的に組み込まれたフレーズ。
こういうドラムスタイルでロックを叩く人は、僕にとっては始めてでした。
当時、ダブルストロークもまともに出来ていなかった僕には刺激が強すぎました。
「こりゃムリだ!出来ない。」
そう思ってコピーする気にもなりませんでした。
その数年後、全てのバンド活動を止めてから一年後くらいに、溜まったフラストレーションに悩んでいました。
だって15年くらいドラム叩いて生活してて、言わば人生の半分はドラム叩いてたのが丸一年叩いてないワケですから、そりゃ精神的に鬱憤が溜まりますよね。
だけど今すぐバンド活動を始めるほど気持ちに余裕がない。
「今のうちにドラムのスタイルを変えておくか。ここはひとつ、ドラムスクールにでも行ってみるか。」
と、我が音楽の師匠である岸永さんに相談したところ、その頃から広島ではトップドラマーだった吉岡さんを紹介されました。
初日、この人のプレイを間近で見て、驚きました。
正確無比。僕みたいにドタバタしてない。カッコイイ!
「Jim Copleyみたいなフレーズが叩けたら良いなと思ってます。」
「あぁ、Charのトコのドラマーよね。Standっていうアルバムは持ってるよ。カッコイイよね。」
「でしょ!でも、僕が今までやってきたのとは全然違うんですよ。」
ってトコから始まって
「じゃ、まずね、ストロークには4種類有るの知ってる?」
「えぇ、知ってます。」
「じゃ、叩いてみて。」
フル フル ダウン ダウン タップ タップ アップ アップ ~
「はい。やめて。」
(このくらいは知ってるわい!)と思いながら叩きましたが、次の言葉は想定外でした。
「全然違うよ。」
「えっ!?」
「ストロークの違いって何の為に有るか知ってる?」
フレーズにダイナミクスと流れを作る為には振り降ろしのスタート位置をコントロールする必要が有る。
だからこの4つのストロークをフレーズに当てはめて綺麗に音が出せるようにする...みたいな事でした。
ショックでした。
出来てると思っていた事ですから、それが出来てないと言われて、これまでの自分のドラムは何だったのだろうかと思いました。
まさに鼻をへし折られた気分でした。
それからしばらくその練習でした。ストロークを気にしてたら、それまで出来ていたフレーズも叩けないんです。
「コレってずっと続けてたら、頭で考えなくても自然に叩けるようになるんですかね?」
だって、これから叩く音をどのストロークで叩くかは、更に次の音をどうするかで決まるワケですから、そんな先の事を考えながら叩けるのか?と、弱気になってしまってました。
「意識を持って続けてたら出来るようになるよ。」
もう、この人を信じて続けるしかない。そう思いました。
それから約2年くらい教えてもらいました。
その間、もっと色んなのが有りましたよ。
「どうもねぇ、体内時計が狂ってるんじゃないかな?」
コレもショックでしたね。
「全体的な音量のバランスが悪いね。」
とか
「この、裏のバスドラの位置が全部不安定。」
とか、もう死のうかと思うくらいダメ出しをくらいました。
だけど、そのおかげで今、それなりに充実した音楽活動が出来てると思います。
教室に通う事のメリットは、これはドラムだけに限らないと思いますが、上手い人にチェックしてもらう事で自分の弱点に気づきますので、何を練習したら良いかがはっきりします。
それと、上手い人のプレイを間近で見られる事ですね。
「えっ!今のどうやってるんですか?」
と、ゆっくり叩いてもらったりして、後でマスターしておくと自分の引き出しが増えますからね。




