こころの癖・考え方のパターンについて | 精神科医:みえしん院長

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カウンセリングではストレス状況とその時に生じた気持ちや実際の問題を振り返り、一緒に整理してゆく作業ともいえます。カウンセリングというクライアント(相談者)とカウンセラーとの協働作業の中で気づいてゆくものの一つに、「心のパターン」というものがあります。
→関連する過去記事(認知療法による「スキーマ」の扱い方認知療法における「スキーマ」認知療法について
たとえば
人の振る舞いをみて「なぜあの人はあんな風に言うのだろう」「また職場で落ち込んでしまった」「きっとこれは私のもともとの内気な性格のせいだわ」といった感情や考え方の中に、実は、生きてきた中で身に付けてきた「こころの癖・考え方のパターン」というものがあります。
・こんな時に、いつもこんな感情を抱いている。
・こんな状況になるといつも似たような対人関係のトラブルが出る。
・同じような場面で、いつも同じような行動をとってしまう。
こころの癖・考え方のパターンとはこういったものです。
もちろん、理屈や理由は後からいろいろ思いつくかもしれません、どうして上記のようになってしまうのか、本人自身も理由がよく分かっていないことが多いのです。
こころの癖・考え方のパターンは、どなたにでもあるものですし、特別なものではありません。そしてそれ自体が悪いわけでもありません

問題なのは、こころの癖・考え方のパターンのために、生活に潤いが無くなったり、周囲の人たちとの関係を損なうことにつながったり、トラブルをこじらせてしまうことがあることです。
しかも、たいていの場合
・私は本当に運に見放されているんだ
・自分の性格は、どうにもならないんだ
などと感じて、諦めてしまったり、投げやりになってしまいがちです。
またそのような中で生じてくるいろいろなストレスが「うつ」などのストレス症状として、現われやすくもなります。
そうなってしまっては、とても残念なことです。
こころの癖・考え方のパターンはこれまでの人生の試行錯誤のなかで、必要があって身につけてきたものなのです。決して否定する必要はありませんが、そういったパターンに気づき、人生をより良く生きていけるようしていくことも重要なことなのです。
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