認知療法における「スキーマ」 | 精神科医:みえしん院長

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以前周囲の状況や自分のおかれた状況に対して、心がどのように反応するかを決定する無意識的な「こころの構造」または「こころの仕組み」をスキーマと呼ぶと書きました。
スキーマとは、平たく言うとその人個人の価値観と言えるかもしれません。個人の価値判断の基準でもあり、ほとんどの場合、無意識化されていて、どんなものなのか簡単には意識できません。そのためその人の行動や人生の歩み方の根幹に多大な影響を与えています。また何の違和感も感じていないため修正は困難です。これはたとえば、「人間関係が重要だ」というスキーマのある人は、他人との交流に力を注ぎ、かなりの労力やお金を使うことを何らいとわないかもしれません。そして人間関係が円滑に進んでいることに喜びを感じるでしょう。反対に人間関係でトラブルがあれば、ひどく落ち込むことが多くなるでしょう。
あるいは「人生お金がすべてである」というスキーマの人は、無意識に貯金をしていることでしょう。職場で人と歓談することはあっても資産運用などに熱を入れ、上手くいけば喜びを感じ失敗すればひどくおちこむでしょうが、人間関係のもつれなどにはさほど動揺しないかもしれません。
うつ病ではマイナスのスキーマが優勢になることが多くなります。「自分はだめな人間である」「自分がいると社会に迷惑をかける」などと自分に対するマイナスの考えを常に持っています。実際には仕事を頑張っていたり几帳面であったりするなどプラスの特性を持っていることが多いのですが、こういったプラスの特性に気づくことはなく、「自分はだめな人間である」という信念のもとに駆逐されてしまいます。このようなスキーマがあると、良かった出来事よりも悪い出来事の方を多く思い出し、「人生も今まで良いことは一つもなかった」などという考えが強くなりがちです。また、「これからもろくなことがないだろう」「生きていても仕方がないかもしれない」など否定的な結末の方を予想しがちになります。
ではカウンセリングや精神療法ではどのようにアプローチするのでしょうか?それについてはまた次回以降にお伝えします。

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三重心身クリニックのカウンセリングでは、たとえば、ちょっとしたことで落ち込みやすいとか、対人関係で失敗しやすい、ストレスを常に感じているといった、自分のこころのクセや陥りやすい行動パターンに気づくことができます。まずそれらをカウンセラーとともに見つけ、それらを変化させていければ、いつも同じような不快な気分に悩まされたり、失敗を繰り返したりしなくても済むようになりますよね。そして、三重心身クリニックのカウンセリングでは、カウンセリングを通じて、クライアント自身の強み(よくできていること)にも気づき、自分らしく充実した生活を送れるようなサポートをしています。
カウンセリングでは、クライアント自身の隠された回復力と成長をカウンセラーと協働作業をすることによってクライアント自身の力によ
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