「頑張れ」というタイミング
テーマ:心理療法
うつ状態やパニック発作などを抱えるメンタルヘルス不調の方へのアドバイスは、本当に慎重であらねばなりせん。
それは「『頑張れ』と言ってはいけない」、などという単純なことではありません。
実はカウンセリングでは「頑張れ」というメッセージを伝えることは多々あります。
というのは、うつ状態やパニック障害の方は常に不安を抱えて生きているのですが、以前もお伝えしたようにその不安は大きな夢、欲求の裏返しだからです。
「なぜ自分はできないんだ」
「ほかの人はできているのに・・・」
などと考えがちなのはそのためです。
一般に「うつの人に頑張れと言ってはいけない」とされます。これは欲求の裏返しの不安が、いろいろな症状としてあらわれている重症の時には確かに重要です。
休養させ、お薬を飲むことが大切です。
でもそこまでではない場合、基本的にはうつ状態やパニック発作を抱えている方は良い意味で欲求が高く、常にベストを求めます。それ自体は本来素晴らしく、カウンセリングでは本来その点を認めてあげるべきなのです。
だって向上心が強く、不安が強いから、誰よりも働き、努力したり練習したりするわけです。
大リーガーの一流選手やオリンピック選手は「不安の塊」とよく言われていますよね。一流大学のエリートもそうです。彼らは決して勉強が好きとか負けん気が強いというのではないのです。人に負けるのが怖い(不安)からといわれます。負けるのが怖い(不安)から、勉強・練習する。結果として大きな夢を得ていきます。
ですから基本的にがんばれというメッセージは大切なのです。休むことはさらなる不安を生むからです。
でも破綻してしまった場合はどうでしょうか?
つまり、
うつがひどくなって将来の生活の方向性が全く分からなったとき
です。
その時は初めて
「休みなさい」
となります。
うつやパニックの人には
「とにかく頑張り続けること」
「今は休みなさい」
はどちらも大切で、その人の人生のポイントによってアドバイスするウエイトがかわります。
上昇欲の強いうつやパニックの方が、生きている実感を味わうには頑張っていることが大切なのです。でも心のダメージが強い場合はそれでは追い討ちになってしまいます。
うつやパニックの方には優秀な方がたくさんいます。通り一遍の「ゆっくり休もう」でその才能をつぶすようなことはしたくないものです。
大切なのはそれを言うタイミングです。
心のダメージがどれくらいかを、判断した上でのアドバイスが重要です。
「とにかく頑張り続けること」
「今は休みなさい」
二つの異なったアドバイスですが要所要所において、どちらも必要です。
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