昨夜の作戦会議は決裂
私は単独で温泉巡りをして
宿の乳頭温泉鶴の湯に向かう
大沢温泉を発つ時には
まだ日差しがあった
来た方とは逆の秋田との県境
山に向かって走ると
すぐに山深い風景に早変わり
逆ルートで大沢温泉に来てたら
何の違和感もないロケーション
まずは国民休暇村網張温泉の
仙女の湯を目指す
急に雲行きがあやしくなり
冷たい小雨が降り始めた
温泉は十和田八幡平国立公園の中にある
標高は高く寒さは厳しい
宿泊棟で入浴料を払い
仙女の湯への行き方を聞く
建屋の裏山を登った先に
その天然露天風呂はあるらしい
ほんとに登山道のような
山中の道を進んで行く
寒々しい雨
誰一人いない山道
インパクトに足る注意看板
急な丸太の階段を降りていく
そんなに遠くはない
あの建物が温泉だろう
川の横?上?に建つ
雨の時は営業しないとあった
こういう事かと納得
増水したら危険だからだ
雨、降ってんだけど
急に硫黄臭が鼻をつく
熊の恐怖と裏腹に
期待は膨らむ
滝壺の中にあるような
硫黄泉の源泉露天風呂
いやあ、これはたまらない
時間を忘れて入っていたい
熊さえ現れなければ
東北ってのはつくづく凄い
さて、昼時も近い
盛岡へ山を降りる途中
あの小岩井牧場がある
雄大な緩斜面に広がる
広大な牧場施設だ
牧場のレストランで美味いものに
ありつけそうな気もする
が、入園料が別にかかる
昼食のためだけに入園料を払うのも
なんだか
ここは盛岡 と言えば
盛岡冷麺と焼肉
いんじゃないか焼肉ランチなんてのも
交差点にあった
髭という変わった名前の焼肉屋
外の駐車場に何人も待ってる人がいる
いんじゃないか
待つ事20分くらいで呼ばれて
席に着く
冷麺と焼肉セットランチに決めた
焼肉は種類から選べる
ハラミに目がないので一択だ
うーん、盛岡冷麺
麺がゴムパッキンみたいな、、、、
スープは美味しかった
ハラミはそれなりに美味しい
これだけで二千円近い
ランチにしては内容的にも
ちょっと割高か
さて
この後県境越えて鶴の湯では早すぎる
まあ早くても鶴の湯ならいくつもの
湯をゆっくり堪能できるから
悪くはないが
ひとつ気になる温泉
県境の標高高い山の中にある
国見温泉だ
鶴の湯と同じく
日本秘湯を守る会会員でもある
緑の秘湯で知られている
冷たい風雨の中
そんな標高の温泉に行って
楽しめるのか?と自問
この機を逃せばもう来ることは
ないかもしれない
風雨をおして行ったことより
行かなかった方が後悔しそうだ
だんだんガスが濃くなって
葛折りの山道は怖い
ガスと吹き降りの中
ようやく石塚旅館に到着
風雨強い中
カッパもヘルメットも脱げないので
建屋に入って脱がせてもらう
確かに緑だ
だけど硫黄臭が強い
誰も入ってなくて湯が熱すぎるので
適温になるまで水を入れる
冷え切った身体に沁みる温かさ
表の悪天候をしばし忘れて
裸ではとんでもなく寒いが
意を決して露天風呂へ
ガスで周りの景色は全く見えない
貸し切り状態
まあ、この雨の中来る物好きも
そういないのだろう
心置きなく湯を味わって
このまま県境を秋田へ降りる
ほどなく田沢湖の看板を
乳頭温泉目指して
田沢高原へひたすら登っていく
早10年も前になるか
秋田駒ヶ岳に登山した時
八号目まで行く送迎バスに乗った
停留所アルパこまくさ
それも横目にさらに登って行くと
雨の鶴の湯に到着
帰って来たという感覚だ