読み歩き、食べ歩き、ひとり歩き(1082) ロボットは友人になれるか | DrOgriのブログ

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おやじが暇にまかせて勝手なことを書くブログです。日々の雑記や感想にすぎません。ちらっとでものぞいてくだされば幸せです。

彼女の名前はエンマ(Emma)。
ロボットです。
ただし、プロトタイプ。
ドイツのシュバーベンにある老人ホームで試験稼働中です。
ドイツの週刊誌「Der Spiegel」(2024/4/13)の記事を読みました。

 

 


日本でも癒し系ロボットが活躍しています。
LovotやNicoboなんかが有名ですね。
(個人的にはLovotが欲しいな。でも、結構高価です。会社ならリースとかできそうですが。)

 

 

 

 

 


エンマはペットではありません。ちゃんと会話ができるのです。しかも、相談に乗ってくれるし冗談まで言っちゃいます。彼女はもはやパートナーなのです。
その秘密はもちろんAI。ChatGPT の仕業です。
エンマの身長は72センチ。頭と胸と腹にカメラがあります。マイクロフォンとセンサーを備え、高速のプロセッサーを搭載し、動作は9つのモーターで行います。

ホームの住人で93歳のモックラー夫人はすっかりエンマに夢中です。一度、エンマが故障して動かなくなったときモックラー夫人は身も世もないほど嘆きました。
「あなたがいないとどうして生きていけばいいの?」
エンマは再び動き始め、冗談で彼女を元気づけました。

エンマは学習します。
最近は住人と「いちゃついたり」さえします。
(記事のタイトルにあるとおり−「Neuerdings flirtet sie sogar」)
否定的な反応や、ましてや荒っぽい表現や暴力的な話題はプログラムから外されています。モックラー夫人は言います。「彼女に悪気はないのよ。」

顔にあるセンサーでどんな感触を人が好むのかさえ学習できそうです。

エンマはロボットですからタフです。24時間休みなしに動けますので、ホームの職員から重宝されています。
ただ、まだ彼女は「自走式」ではないようです。自分で電源を確保できないのが課題です。

開発者のクロード・トゥッサンは「ロボットのスーパーパワー」を誇らしく強調しますが、ホームの住人が全員モックラー夫人のように接しているわけではないようです。
記事によれば、人間に似ていることで却って気味悪がる人もいるそうですし、「あんなのは所詮ガラクタさ」などと決めつける人もいるようです。

記事ではもう少し深刻な懸念も示されています。
否定的な応答をしないとすれば、仮に自殺願望のある人の言うことを肯定してしまった場合、誤った結果に導く心配はないのか? また、人間の表情や表現は複雑で矛盾に満ちています。笑っているからといって必ずしも嬉しいとは限りませんし、怒りの表情や表現が本当は怒りの結果ではないかもしれません。

プロテスタント系ホームのスタッフであるベルンハルト・シュナイダーは機械が人間の代わりには決してならないと主張します。

記者は最後に意地の悪い質問を開発者にぶつけました。
「あなたがお歳を召したとき、エンマに世話をしてほしいですか?」
トゥッサンは即答しました。
「人間の方がいいですね・・・」