アコースティックのヴァイオリンを2つ持っています。ひとつはもう半世紀もまえに父親に買ってもらったスズキ製。もうひとつは、銘も何もない新しい楽器。
二つの楽器は、どうも「滑舌」が違うようです。ヴァイオリンで「滑舌」? 要するに、鳴り方や響き方が違うのです。
左が先輩、右が新人
古い方と新しい方とでは、同じ長さの音を同じ弓で弾いても、使う弓の長さが違います。古い方よりも新しい方が少しの弓で音が出ます。すると、速いパッセージは新しい方が楽です。弓を動かす「量」が減るので。新しい方が「滑舌」が良いのです。
どんなに短い音でも、一定の弓の長さが必要です。指がくるくるまわっても、弓がついていかないと「滑舌」が悪くなります。私が速いパッセージが下手なのは、楽器のせい? まあ、指もダメなんですが。
「滑舌」の良い演奏は憧れです。
プロは大抵上手いに決まってますが、特に音の粒が明快な演奏を探してみました。
ペーター・スザッスの演奏は印象的です。
(同姓同名の格闘家もいます。ご注意を。)
ご存知、ツィゴイネルワイゼン。
音の粒がはっきり聞こえます。
タンゴの名曲「ジェラシー」
冒頭の下りは憧れです(いまだにちゃんと弾けない・・・)
サラサーテの「序奏とタランテラ」
速弾きだけではありません。
音も美しいですし、歌います。
やはり、地道な練習しかないですね。