大学を卒業して大学院に進んだのはよかったのですが、生活費を稼ぐためにいろいろなアルバイトをしました。交通整理もしましたし、ビル掃除もしました。最終的には時給の良い塾講師に落ち着くのですが、ほんの一時期、タンゴ楽団でヴァイオリンを弾きました。時代はバブル。ダンスパーティ(いわゆるダンパ)の裏方です。
練習用のサイレント
タンゴと言っても、アルゼンチンだのコンチネンタルだのというこだわりはありません。言われた曲を弾くだけです。メインはダンサーであって、裏方は相手が踊っている間は延々と弾き続けます。
よくやった曲は、なんといっても「ラ・クンパルシータ」。
次に「ジェラシー」。
「夜のタンゴ」や「Por Una Cabessa」とかも。
まだまだ音程も弓もおぼつかない状態で叱られてばかりでしたし、変な癖もついてしまいました。
その代表がビブラート。
とにかくかけまくりました(ワンパターンでしたが)。
タンゴと言えば、バンドネオンなんでしょうけど、私はそれを間近に見たことも聴いたこともありませんでした。(代わりにもっぱらアコーディオン。そもそも、楽団と言っても本当のプロではないし・・・)
当時の私には、タンゴと言えば、ヴァイオリンだったのです。哀愁あふれる感じが大好きで、次第にはまっていきました。弓の圧と速さとビブラートの幅と速さの兼ね合いが面白かったです。でも、正式に習って身に着けたものではないので、なんとも田舎臭い音色になってしまいます。
一流どころはやはりニュアンスも音もいいですね。
アーヨの「リベルタンゴ」
風格がありますね。
バンドネオンといえばこの人、小松亮太さん。
タンゴも奥が深いです。