一番の難関コースに挑戦 | 中島旻保の大人の絵日記

中島旻保の大人の絵日記

医療者でありながら一方では、政治経済のことになると言いたい事が沢山あるそんな中島旻保のコラムとも言える絵日記


中島旻保の大人の絵日記-No.17 -アメリカ編-


【アメリカ編】
楽しかったニュージャージーの休暇を終えアイオワに戻った。私もDavid Hooverも新しい学年Junior Iに入った。このコースは基礎医学でも一番難関といわれるコースで生理学(Physiology)と病理学(Pathology)が入る。特に生理学は実習が結構あるので覚えるのが大変である。また病理学も心臓血管学、消化器学、泌尿器学、神経・筋骨格病学があるので何しろ暗記するのに大変である。その他にレントゲン概論、撮影法などが待っているので受講する前から気の遠くなる思いがする。しかし、ここでくじけては今までの折角の苦労が報われないので、心を新たに頑張ることを誓った。


中島旻保の大人の絵日記-No.17 -アメリカ編-2



いよいよコースが始まり、生理学のLaboratory(実習)が最初に来た。日本で放射線の大学に行っていた時からわりと生理学が苦手だった。それが英語となるともっと大変である。このコースは2人でパートナーを組まされいろいろな実験が行なうのである。私は親友のDavid Underwoodを選んだので助かった。彼はクラスでも1・2番の秀才で、学校が終わっても奥さんの仕事が終わるまで私の家で復習を手伝ってくれるので何とか乗り切れた。問題は病理学の心臓血管学と泌尿器学をどうパスするかだ。これも私の親友たちが交互に家なり学校なりで教えてくれたので、追試はあったけれども何とか通った。ともかくアメリカの大学は試験が多く、2日に1回は小テスト(25点満点)が行なわれ毎日青ざめた顔で奮闘努力した。病理学だけでも5分野に別れているので、私の疲れた頭が横文字でいっぱいになり時として爆発しそうになったのをいまだに覚えている。しかし嫌なことばかりではなく、夜の勉強の合間に近くのファミリーレストラン“Big Boy”でアップルパイを食べながらコーヒーのおかわりをするのが唯一の楽しみであった。ましてや若いウェートレスさんが笑顔で対応してくれるので毎日通った。そのみんなの声援もあって何とかこのコースは落ちることもなく単位を修得することができた。学期と学期の合間の一週間くらいは休みに入るので、友人たちとダンスに行ったり、川向こうのロックアイランド(イリノイ州)のアメリカンママのところにお邪魔するのも楽しみの一つであった。その話については次回に譲ることにする。


Dr.中島の回想録(17)


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