初めてエキサイトした事件 | 中島旻保の大人の絵日記

中島旻保の大人の絵日記

医療者でありながら一方では、政治経済のことになると言いたい事が沢山あるそんな中島旻保のコラムとも言える絵日記


中島旻保の大人の絵日記-No.18 -アメリカ編-2


【アメリカ編】
Junior?コースも中盤に入り、難題の生理学や病理学もアップアップしながらも何とかこなしてきた。ある日レントゲン学(Roentgenology)の授業のあと、友人David Underwoodと次の授業のため校舎を移動していたとき、クラスメートと思しき2人の生徒が私たち2人をジーッと鋭い視線で見つめてきた。特に体が大きくて、がっしりした方の男が“眼”を飛ばしてきた。どうも東洋人である私の武術(Martial Arts)に興味があったらしく、挑戦してやろうと思ったらしい。私としては迷惑でありいわば言いがかりというものである。そこで、意を決してその男に「What do you want? (何か文句あるのか?)」と言った。すると彼が挑戦的に握り拳を見せた。私はちょっとひるんだ。すると彼の隣の男が「Hey stop it!He is a master of martial arts.(おい、やめろよ!彼は武術の達人だから)」と相手の袖を引っ張った。それを見た私はすばやく「Hey you ! GO out of the door .I beatit up!!(ともかく表へ出ろ!叩きのめしてやる)」と意に反する言葉を言ってしまった、後の祭りである。ともかくやるだけやるしかないと心に決めたところで相手が私に「I am sorry」と謝ってきた。“あ、勝った”と思い、すかさず「What is it that I am sorry.(I am sorryとは何だ)」と言って彼に大声で怒鳴った。


中島旻保の大人の絵日記-No.18 -アメリカ編-


「Kneel on the ground it. I think that you are really bad .(本当に悪いと思うならここに土下座しろ)」と命じた。すると彼はすごい剣幕の顔をしながら床に土下座して私に詫びた。そこで相手に「I do not forgive it on the next time If you do the same thing.(また同じことをしたら今度は許さないぞ!)」と知らずのうちに拳を振り上げた。ともかくその場は何とか切り抜けた。次の授業に移動しながらDavidが私に「Boone、お前本当に強いのか?」と聞いてきたので正直に彼に言った。「一瞬どうしようかと迷ったが売られた喧嘩は買わねばいけないと思って一か八かの勝負をかけた。しかし内心は怖くて足が震えていた」するとDavidは「そうだろうと思ったよ、 それで足が震えていたんだ」と驚きの表情をした。ともかく無事喧嘩をせずに済んで一安心した。あんなに大きくて筋肉の隆々な男とやりあってもどだい無理な話である。しかし武術家(柔道・テコンドー)としてのプライドだけは守れたのが幸いであった。アメリカという国は70カ国以上の人種が集まっているので、どんな人物がいてもおかしくはないなあとつくづく思った。その後、この噂が学年中に伝わり何か“いさかい”があると私は呼び出されるようになった。しかし、今となっては極力取り合わないようにして逃げたのも懐かしい思い出である。


Dr.中島の回想録(18)


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