先日来られた患者さんがメガネのマトバさんに行ってきたと嬉しそうに報告されました。
黄斑変性で視野欠損があって、眼の病気だからと諦めていたのですが、なんと、メガネでかなり見えるようになってとても快適だと言うのです
ええっ
黄斑変性の症状が
メガネで矯正なんてできるのか
と驚きでした。
黄斑変性症という病気について調べてみました。
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黄斑変性症ってどんな病気?
目の奥には「網膜」という、カメラでいうフィルムのような部分があります。
その真ん中にあるのが「黄斑(おうはん)」です。
ものを見るときに一番はっきり見える場所で、本を読んだり、テレビを見たり、顔を見分けたり、色を認識したりするときに使われます。
この黄斑に障害が起こる病気を「黄斑変性症」と呼びます。
黄斑変性症は、この黄斑が傷んでしまう病気です。
特に50歳以上から増えるため、「加齢黄斑変性」とも呼ばれています。
どんな症状が出るの?
・文字がにじんで読みにくい
・まっすぐな線がぐにゃっと曲がって見える
・視界の真ん中が暗くなったり、黒い影が見える
・色がはっきり見えなくなる
視野の端は残るので「全く見えなくなる」ことは少ないのですが、日常生活に大きな支障が出る病気です。
どんなタイプがあるの?
ゆっくり進むタイプ(萎縮型/ドライ型)
少しずつ網膜の細胞が弱っていくタイプで、進行はゆっくりです。
早く進むタイプ(滲出型/ウェット型)
目の奥に新しい異常な血管ができて出血や水がもれてしまうタイプで、急に視力が落ちることもあります。
治療はできるの?
注射による治療(抗VEGF療法)
目の中にお薬を入れて、異常な血管を抑える方法です。
今のところ最も効果的な治療です。
レーザー治療(光線力学的療法)
特殊な薬とレーザーを使って異常血管を閉じる方法です。
注射と組み合わせて使うこともあります。
サプリメント
ビタミンやルテインといった栄養成分が進行を抑える可能性があるとされています。
予防のためにできること
・タバコをやめる(喫煙は最大の危険因子!)
・緑黄色野菜や魚をバランスよく食べる
・サングラスや帽子で紫外線から目を守る
・50歳を過ぎたら定期的に眼科検診を受ける
まとめ
黄斑変性症は「年齢とともに増えてくる目の病気」で、放っておくと大切な視力を失ってしまうことがあります。
でも、早めに見つけて治療を始めれば進行を抑えることができる病気です。
「最近、字が歪んで見える」「真ん中が見にくい」と感じたら、早めに眼科を受診してくださいね。
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昨日、メガネのマトバに近業用のメガネを作りに行ったときに、この患者さんのお話をして、マトバさんに聞いてみたところ解説して下さいました。
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「視力が落ちてきたから、メガネを作り直せば見えるようになるんじゃない?」
黄斑変性症と診断された方から、よくいただくご質問です。
結論から言うと――
普通のメガネだけで黄斑変性症そのものを治したり、症状を根本的に改善したりすることはできません。
でも、メガネや特殊なレンズの工夫で「見えにくさを和らげる」ことは可能です。
なぜメガネでは治らないのか?
黄斑変性症は「目の奥(網膜の黄斑部分)が障害される病気」です。
一方でメガネは、「目のピントのズレ(近視・遠視・乱視・老眼)」を調整する道具です。
つまり、
黄斑変性症 → 網膜の障害(カメラのフィルムが傷む状態)
メガネ → ピントを合わせるためのレンズ(カメラのレンズ部分)
このように役割が違うため、フィルムが傷んでいる場合(黄斑の障害)はメガネを替えても根本は治せないのです。
ただし「見えにくさをサポートする」目的では役立つことがあります。
例えば
・拡大鏡やルーペ
小さい文字を大きくして読むことで、残っている視力を活かせます。
・拡大読書器(電子ルーペ)
本や新聞を画面に拡大して映し出す機械。コントラストを強めて読みやすくできます。
・遮光眼鏡(サングラス)
まぶしさを軽減し、コントラストを上げて見やすくする効果があります。
・ハイコントラストレンズ
特殊な色のレンズで、コントラストを強調し、ぼやけた視界を少しクリアに感じやすくします。
これらは「ロービジョンケア」と呼ばれ、残された視力をできるだけ使いやすくするための工夫です。
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マトバさんは眼科の専門的な知識をお持ちです。
医師ではないけれどかなり詳しいです。
患者さんがなぜメガネで黄斑変性が改善したように感じたのか?についても教えてもらいました。
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1. 黄斑変性と屈折異常(近視・遠視・乱視・老眼)は別物
黄斑変性があっても、同時に 老眼・乱視・遠視・近視 などが進んでいるケースは多いです。
→ そこをきちんと矯正することで「すごく見えるようになった!」と感じることがあります。
2. 残っている視力を最大限に引き出せた
黄斑が傷んでいても、周辺の網膜はまだ働いていることが多いです。
適切なレンズやプリズムレンズで「使える部分の視力」を引き出すと、見え方が大きく改善する場合があります。
3. 特殊レンズ(ロービジョン眼鏡)の効果
遮光眼鏡やハイコントラストレンズを使うと、まぶしさが減ってコントラストがはっきりし、読書や外出が楽になる人がいます。
これを「劇的に見やすくなった」と表現される方も少なくありません。
注意点として
黄斑変性そのものが「治った」わけではない
進行を止める効果はメガネにはない
ただし「生活の質(QOL)」は大きく改善することがある
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つまり、メガネは治療ではなくサポートツール。
でも患者さんにとっては「見えるようになった=希望が持てた」という大きな意味がありますね
「先生、本当に不思議なんです。新しいメガネに変えただけで、急に世界がはっきり見えるようになりました!」
患者さんが、診察室で笑顔で話してくれました。
黄斑変性症は完全に治せる病気ではありませんが、見え方を工夫することで生活の質(QOL)を大きく改善できるのです。
患者さんにとっては「治ったかどうか」よりも、
もう一度好きな本を楽しめる
外出がおっくうでなくなる
人の顔がわかる
そうした「日常生活を取り戻せること」が何より大切です。
「また生きる楽しみができました」と笑顔で語る姿は、本当に輝いていました。
黄斑変性症は「治す」ことは難しくても、「工夫次第で人生を明るくできる病気」でもあるのですね。
「メガネでは意味がない」と思っている方も多いかもしれません。
しかし実際には、適切な矯正や特殊レンズで、見え方が劇的に改善することもあります。
黄斑変性症で悩んでいる方は、どうか諦めないでください。
あなたの「見える力」を取り戻す方法が、まだ残されているかもしれません。
メガネのマトバに行かれる際はこちらのブログを必ずお読み下さいね↓
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ちゃんと理解した上で行って下さい。
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