溜まりに溜まっている患者さんが書いて下さったアンケート。
何とか頑張って週に1回だけは更新してきて、やっと2023年の分に突入しました。
週に2回書いたらもう少し追いつくかな・・・。
カルテを見ながらブログを書いているので、診療所に居る時間しか書けない
今日ご紹介する患者さんは50代女性。
肛門のかゆみに悩み遠方から受診されました。
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<初めて受診された時の感想>
女性専用の診察日ということもあり、受診しやすかったです!
みのり先生はじめ、受付や看護師の皆さん、とても感じよく、嬉しく思いました。
そして何より自分の肛門の状態がハッキリと分かり、治療法も納得できたのが感謝でした。
受診したその日からかゆみがなくなっていくのが感じられ、感激しました!
遠方からの受診で心待ちにしていたので、良くなっていく手応えが十分に感じられたのは本当に有難かったです。
詳しく坐剤の入れ方を教えて下さいましたので家でもスムーズに実行できました。
みのり先生、スタッフの皆さん、本当にありがとうございました。
<治療経過>
はじめの1週間は全く便意がない日があっても、夜には坐剤を使うようにしていました。
いつの間にか便意を感じにくくなっていたということがよく分かったので、少しでも便意のある時はトイレへ行き、必ず、その後すぐ坐剤により残りを出し切り、薬を塗るようにしていくと、おしりが軽く感じられてよくなっていくのが感じられました。
かゆみが良くなっても、食べ物にも気を付けないと便の感じが変わるので、何を食べるかにも気を付けるようになっていきました。
2週目、3週目と慣れていき、毎朝でなくても気にせず、トイレで短時間で済ますようになっていくと肛門のことで全然悩まなくなっているのに気が付きました。
<治療が終わって>
こんなにわかりやすく説明してもらえて、適切な治療をして、良くなってきたので、感謝すると共に、もっと早く来ていれば良かった!と思いました。
(数年前からここで診てもらいたい‼という気持ちはあったのです)
他のクリニックでも、このような本当に効果のある治療法が理解されて、全国に広まればいいのに・・・と思いました。
自由診療という形でも、この治療を続けて下さって心から感謝します。
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私が元皮膚科医という異色の経歴を持つからでしょうか。
肛門のかゆみをはじめ、肛門周囲の皮膚疾患の患者さんも大勢来られています。
また痔の治療のついでに皮膚病の相談を受けることもしばしば。
特にアトピーの患者さんからは皮膚科に通院してもステロイドを出されるだけで全然治らないし・・・とステロイド以外の治療について相談を受けます。
なんと、肛門に塗っていたSザルベをアトピーにも使われている患者さんが「皮膚科の薬よりもこっちのほうが効くわ〜」と言って愛用されています
肛門のかゆみにもSザルベを使うのですが、掻きむしって湿疹が形成されてしまうとステロイドを使って炎症をおさえてあげないと治りません。
ステロイドというと副作用を気にされる方がおられるのですが、正しく使えば副作用は起こりません。
皆さん、使い方が間違ってるんですよ。
ちょこちょこ塗ってダラダラ続けているんです。
かゆい時だけ塗ってかゆみがなくなったら塗るのをやめる。
それを延々と繰り返す。
最初は3日くらいでかゆみがおさまっていたのに、だんだん効きが悪くなって、塗る日数が伸びていく。
そのうちに、塗っている間はかゆみがなくて快適だけど、塗るのをやめた途端にかゆくなって、毎日塗るようになる。
ステロイドはホルモン剤なので急にやめるとリバウンドが起きます。
湿疹のぶり返しですね。
だからリバウンドを起こさないために急にやめないことが大切。
一旦手を出して塗ってしまったら、中途半端に塗るのではなく、完全に皮疹が改善し痒みが無くなるまで塗って、やめる時は徐々に体を慣らしながら、フェイドアウトするようにやめていく必要があります。
そうすればリバウンドも起こしません。
私が皮膚科医時代に教わったステロイド外用剤の使用方法です。
それを肛門の皮疹にも応用し、肛門そう痒症に対してステロイド外用剤漸減療法を行っています。
原著論文として発表もしました↓
日本大腸肛門病学会の市民向けサイトで解説記事も担当しています。
コチラの記事、症例写真が豊富なので是非観て頂きたい↓
診療所のホームページにも肛門そう痒症の解説記事を書いています↓
ずっとお伝えしているようにかゆみの原因は便なので、肛門に残ったり溜まったりした便を出さない限り何を塗っても完治しません。
ステロイドを塗ると少しかゆみがおさまって治った気になりますが、やめるとまた再発します。
それはステロイドのせいではありません。
便のせいです。
肛門の穴に便が挟まっていたら誰だって刺激でかゆくなります。
だから肛門そう痒症の治療で一番大事なのは、便をちゃんと出して肛門の中を空っぽにすること。
そもそも肛門は便の通り道。
便が通過していく所であって、便を溜める場所ではありません。
いつも空っぽ。
そこに便はないんです。
私が診察しても無いはずだし、いつ坐剤を入れても何も出ないのが正常。
だから坐剤を使ってみて便が出る人は全員便秘です
痔という病気は肛門に便を溜めた人がなる病気なので、うちの診療所に来られる患者さんはほぼ全員、出口の便秘です。
毎日排便があってもスッキリ出ずに中に残っていたら便秘。
便秘ってどこにも「便が出ない」と書いてないでしょう
便を秘めると書いて便秘と読みます。
痔や肛門のトラブルがある人は肛門に便を秘めているのです。
肛門の便を出さずして痔の治療なし。
痔の根本治療は痔の原因となった出口の便秘を治すこと。
そんな治療方針でやっているので、手術を始めから勧めることはありません。
なぜなら出口の便をちゃんと出すようにしたら痔や肛門の症状が改善することが多いから。
この患者さんが書かれているように、出口の便秘が肛門疾患を診ている医師に広く認知され、坐剤による治療が一般化すれば、うちの診療所のお役目は終了します。
正直、広めない方がうちの診療所にとってはメリットがあります。
だってどこもこんな治療してないんだから。
だけど学会でもずっと頑張って伝えてきました。
講演でもお話していますし、惜しみなく情報を提供しています。
だけどなかなか広まらない
それどころか批判されることのほうが多かった
「毎日使うと癖になる」とか「坐剤を使わないと便が出せなくなる」とか言われる先生が多いですね。
実際、現場で坐剤や浣腸を25年間、数万人の患者さんに使ってきて、そんな経験は一度もありません。
癖になっているのは坐剤や浣腸ではなく、便を肛門に残すこと、溜めること。
その残しグセ、溜めグセが無くなれば坐剤や浣腸は不要になります。
その残しグセと溜めグセがいつ治るのかは患者さんによります。
便を溜めて生きてきた年数だけかかる
と説明している通り、確かに時間はかかります。
でも続けていると、だんだん鈍っていた肛門の感覚が戻ってきて、便意が来るようになったり、スッキリ出せるようになっていって、今は年に数回しか坐剤を使ってないという患者さんも大勢おられます。
失われた排泄機能を取り戻すまで頑張れるかどうかですね。
この患者さんは完治終了して通院も終わっています。
でも肛門そう痒症が治っても出口の便秘は治っていません。
完治終了後も患者さんが生活の中で排便管理だけは続ける必要があります。
毎日うがいをしたり歯磨きをするように、出口も同じようにケアして下さいね
患者さんのリクエストで復活させた
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