男性の性被害 | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

医師サイトに掲載されていた医療ニュースで衝撃的な内容があったので抜粋してお届けします。

 

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男性性被害の誤解を解き、健康回復と証拠保全のため早期受診を促したい
 

男性の性被害者を支援する医師が講演

男性の性被害者を支援する山田浩史氏(日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院泌尿器科副部長)が1月31日、富山県医師会が富山市で開いた「性暴力被害者への医療・司法対応研修会」で講演した。

 

山田氏は男性の性被害が日常的に起きており、長期にわたり根深い影響をもたらすと強調し、長期的な精神的・社会的支援が必要であると訴えた。

 

また、“性被害に遭うのは女性”など社会の先入観や誤解によって、男性の性被害が潜在化していることを懸念し、心身の健康回復と証拠保全のために、早期受診を促す必要があるとした。


男性来所者は6割が未成年―年齢不相応な性的言動は被害の可能性


 男性の性被害を巡っては2017年6月、刑法の性犯罪規定が110年ぶりに大幅改正され、男性も強制性交等罪(当時)の被害者に含まれた。

 

2023年7月にも性犯罪規定が見直され、強制性交等罪と準強制性交等罪を統合した「不同意性交等罪」が創設された。

 山田氏は、名古屋第二病院に設置されたワンストップ支援センター「性暴力救援センター日赤なごや なごみ」の副センター長を務める。

 

ワンストップ支援センターとは、性被害直後から、医療・心理支援、法的支援等の急性期の総合支援を可能な限り1カ所で提供し、被害者の健康回復と被害の潜在化防止を図るもの。

 

全国に設置されている。

 なごみでは、24時間365日体制で電話対応を実施している。

 

被害者への対応について山田氏は「基本は本人に寄り添うこと。被害前と同じような生活が送れるように最善の対応を考えている」と説明。

 

救急科、小児科、産婦人科、泌尿器科など各科や関係機関と連携して、さまざまな支援を提供しているとした

なごみが開設された2016年1月から2024年3月までの利用件数は、男女合わせて2982件(個人の存在を確認できている事例)。

 

このうち男性は、相談が220件で、来所に至ったのは37件、診察したのは13件だった。

 男性来所者は6割が未成年で最年少は2歳、被害後72時間以内に来所したのは6件にとどまった。

 

加害者は近親者や保育士、教諭、上司など顔見知りが大半で、多くの性被害が家庭や社会生活の中で起きていると指摘。

 

「子どもに関しては周りが目を配る必要がある」と述べ、子どもが年齢不相応な性的言動をした場合、性被害に遭っている可能性があると注意喚起した。

 来所者がなごみを知ったきっかけはインターネットが多いが、救急外来からの紹介もあった。

 

「何か動きがおかしいので聞いてみたら性被害が明らかになった」と救急から紹介された経緯を説明。

 

「日常診療をされている先生方には、男性の性被害が日常的に起きていることを意識していただき、気になる患者さんがいたら、まずは声をかけてもらえたらありがたい」と語った。



男性の性被害者が受診したらその勇気を称えて


 男性の性被害者への診察では、性感染症の検査などを行う。


山田氏は「診察して加害者の体液や痕跡を採取できれば刑事事件化が可能」とする一方、実際には、被害から時間がたち、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の相談に来所する人が多いと説明。

 

「物的証拠を採取できず、刑事事件化が非常に難しいことが男性性被害の特徴の一つ」と述べた。

 

仮に肛門裂傷があっても、肛門の粘膜は2-3週間でほぼ治り、痔疾で切れたのか、性被害で切れたのか判別がつかなくなるという。

 ただ、たとえ被害から時間がたっていても、診察することで“その人の存在をきちんと認める”ことは被害者の心の支えになると話す。

 

「被害に遭った人は『自分は男でなくなってしまったのではないか』と恐怖に駆られたり、『社会が望む男性の姿に適合していない』と自分を責めたり、『汚れてしまった』『もう今まで通りの生活は送れない』と感じたり、精神的ダメージを受けている。

 

診察して『どこも悪くありません。今まで通りの生活を送っていいんですよ』と医師が言うことで、少しでも元気にできる」との考えを述べた。

 

その上で「性被害者が受診したら、受診した勇気を称えてほしい。そうすることで被害者が少しずつ心を開き、その人に必要な支援につなげられる」と呼びかけた。



男性性被害の特徴

▶加害者は被害者の顔見知りが大半を占めており、特に近親者が1/4である


▶日常生活の場である家庭内・社会生活内で行われている加害は、潜在化しやすい傾向にある


▶被害直後の来所はほぼ無く、連絡後、診療にまで至る案件は全体の半数以下。検体を採取できる状態で来所した事例は皆無のため被害を立証できず、警察の介入はほぼできていない


▶指導的立場・上下関係を利用した加害が多い傾向にある(対価型加害)


▶社会人が職場で被害に遭った場合、勤務することが精神的に辛くなり、職と地位を失う


加害者の多くが男性であるため、男性が近くにいると恐怖心を感じ、公共交通機関や役所を利用できなくなり、生活に支障を来す


▶男性(自分自身)の性に対する考え方が『危なく怖いもの』と変わり、恋愛感情を持つことを否定したり、恋愛行動がとれなくなったりする


▶幼少期から実親に被害を受けていた場合には被害を受けている自覚がなく、言う事を聞くと褒めてもらえるなど加害が日常化するほど、成長して、その事実を認知した時の衝撃は大きい


「勃起したら加害に同意」はとんでもない間違い


 男性の相談件数が女性に比べて少ない要因として山田氏は、男性は避妊処置が必要ないことを挙げる。

 

また、家庭や社会生活の中で被害が起きると被害者が声を上げない限り、潜在化する可能性が非常に高いと懸念した。

 

さらに、耐えることを美徳とする教育、性被害を語ることへの偏見、“性被害者は女性で弱い存在”という社会の先入観、男性の性被害に対する誤解なども、被害を訴えにくい要因ではないかと推測した。




男性の性被害に対する世間の誤解

▶男性の性被害は芸能界など特定の世界で生じる特殊な案件


▶子どもが性的虐待を受けることはまれ


▶同性愛者だから性被害に遭う


▶加害者は同性愛者


▶性被害に遭うと同性愛者になる


▶性被害に遭うと、いずれ加害者となる


▶女性が男性に性的加害をすることはない


▶女性から男性への性的加害は性被害とは言わない


▶性被害の最中に気持ちがよくなったり勃起したり射精した場合、加害行為に同意したことになる


▶被害者が抵抗しなくなった場合、加害行為に同意したことになる


▶男性の方が女性より被害後の立ち直りが早く、自分でなんとかできる


誤解のうち、“勃起をした場合、加害行為に同意したことになる”について、「これはとんでもない間違い。熱いものに触ったら手を引っ込めるのと同じように刺激に反応しただけで、相手を受け入れたわけではないと強調。

 

“男性の性被害は特殊な世界の案件”という誤解に対しては、「日常的に隣の部屋や家で起きているかもしれないというのが実際で、しかも、被害者の多くは未成年」と説明した。

 

また、“性被害に遭うと、いずれ加害者となる”は誤解であるとしながらも、「残念ながら、加害者のうち数%は過去に性被害を受けており、それが心の傷になっている」と述べ、加害者に対する更生プログラムを作る必要があるとした。

 

さらに、性被害は、女性と同じように男性も精神的ダメージを受け、「その人の生活をぶち壊す」と指摘した。

 その上で、「男性の性被害に対する誤解を解いて、一人でも多くの方に相談に来てもらいたい」と話し、被害に遭ったら健康回復と証拠保全のために、早期にワンストップ支援センターに連絡することを促す広報活動や、相談しやすい環境整備が必要であると訴えた。


名古屋大学に選択科目「性と医学」が開設


 運営費に関する課題も報告した。

 

大阪府のセンターでは、運営費の確保などが難しくなり、拠点としていた病院から退去することになった事例を挙げ、「他人事ではない」と危惧。

 

「24時間365日体制を維持できるように頑張らないといけない」と述べ、診療報酬の認定など国や公的機関に経済的支援を依頼する必要があるとの認識を示した。

 また、現在のシステムでは、しかるべき施設に紹介した後、センターが被害者の状況を把握できないことを説明。

 

被害者への対応を改善していくためにも、継続的にフォローする体制を構築する必要があるとした。

 この他、「医療マニュアルを作成して地域や施設ごとの対応のばらつきをなくす」「幼少期から自己防衛のための性教育を推進する」ことなどを課題に挙げた。

 医学教育についても触れ、2024年度から名古屋大学泌尿器科学講座で、医学部4年生の選択科目に「性と医学」が開設されて性暴力の問題に対する医師の役割を教えていることを紹介し、学生たちの今後に期待。

 

「性被害者への対応を若い頃から学べば偏見を持たずに取り組めると思うので、もっと医学教育に取り入れられるように働きかけが必要」と話した。

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衝撃的な内容でした。

 

私は肛門科医という立場上、肛門性交(アナルセックス)症例は何例も診てきましたが、性被害ではなく、ほとんどがゲイの人でした。

 

女性で彼氏や夫に無理矢理肛門性交をされたというケースは数例経験がありますが、肛門裂傷は普通の切れ痔(裂肛)とは明らかに違います。

 

肛門科医なら誰でも分かるでしょう。

 

数々、肛門性交症例を診てきましたが男性の性被害は経験がありません。

 

男性の性被害が日常的に起きていて、その6割が未成年とは・・・。

 

しかも加害者の多くが近親者、保育士、教諭、上司というのも犯罪が表に出にくい要因でしょう。

 

 

性被害については男女問わず直ちに受診しにくいため証拠保全ができず立件できていないそうです。

 

性犯罪は殺人と同様、罪は重いと言えます。

 

性被害に遭って「一度死んだのと同じ」「生き地獄を生きることになる。死んだ方がまし」と言われていた被害者(女性)の方のお話を聞いたことがあります。

 

また加害者には「二度と同じ罪を犯さないよう男性器の切除をお願いしたい」とも言われていました。

 

 

男性であろうと女性であろうと性被害はその人の人生に大きく暗い影を落とします。

 

長期にわたる社会的支援・精神的支援が必要です。

 

山田先生の活動によって社会に正しく広く認知され、早期受診できるようになるといいですね。

 

まずは私たち医療者が知る必要があるでしょう。

 

 

 

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