溜まりに溜まっている患者さんアンケート。
2022年の分を書き終わり、2023年の分に突入です。
できるだけたくさんご紹介できるよう頑張りますね。
今日ご紹介する患者さんは50代女性。
切れ痔(裂肛)が治らず困って遠方から受診されました。
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この患者さんの切れ痔(裂肛)の始まりは2000年でした。
時々切れるのをずっと繰り返してこられたのでしょう。
その度にボラギノールなどの薬を使って対処し治っていました。
ところが・・・だんだん切れる頻度が多くなってきます。
便をやわらかくしなくては・・・と酸化マグネシウム入りの緩下剤や防風通聖散などの下剤の成分ダイオウが入っている漢方薬などを自己服用されていました。
やわらかい便のほうが傷が痛くなく出せるので皆さん、服用されますが、そのせいで軟便が続き、肛門が狭くなっていきます。
地元のクリニックに何軒か通院されていましたが治らず、肛門が狭いということで手術を進められたため、手術せずに何とか治らないか・・・という相談で私の外来に来られました。
診察すると肛門の中に便が充満しています。
今日は2回も排便があったのに・・・です。
典型的な出残り便秘ですね。
坐剤と浣腸を使って出し切ってもらいました。
そして肛門が狭い。
普通、診察は無痛ですが肛門鏡が開きにくく痛みを伴いました。
大きな切れ痔(裂肛)があります。
肛門の外には見張りイボ、肛門の中には肛門ポリープもできていました。
これは傷が便で汚染されて炎症で出来るものなので、便が残っていると出来やすいです。
ずっと肛門の中が便まみれだったのでしょう。
そして便まみれの肛門に注入軟膏を入れても治るわけがありません。
だからずーっと通院を続けていても治らなかったわけです。
肛門は狭いですがブジー治療と肛門マッサージで拡げることになりました。
肛門が狭いと切れ痔(裂肛)は決して治らないので。
痛くても患者さんに頑張ってもらうしかありません。
頑張る覚悟がある人にしかできない治療です。
頑張れないなら地元の専門病院で手術を受けるという選択肢もありますから。
頑張るかどうかも患者さん次第。
遠方でなかなか来れないということで2回目の通院が1ヶ月後になりました。
すると・・・
あんなにひどかった傷がカンペキに治っていました
肛門マッサージを頑張られたのでしょう。
肛門も広がっていました
あとは定期的にブジー治療に来てもらって肛門がある程度拡がれば治療終了です。
この患者さんは逆流性食道炎がひどく、胃酸が上がって来て苦しくなったり、声が出なくなったりする症状があり、ブジー中も辛そうにされていました。
結局、治療途中で来られなくなったので現在の状態は分かりません。
おそらく排便管理と肛門マッサージは続けておられると思います。
多少肛門が狭くても、苦痛無く普通に便が出せて、困ったことがないのであれば治療も通院も要らないのですが、肛門狭窄だけはどうしてもメンテナンスが必要になることが多いです。
ある程度、肛門が拡がって、やわらかくてしなやかに伸び縮みする肛門になれば治療終了してもいいのですが、まだ狭い、硬い、つっぱる状態で終わってしまうと、また狭くなってしまうことも多いです。
坐剤も肛門マッサージも面倒ですから、通院をやめてしまった患者さんはだんだん元の生活に戻ってしまい、坐剤も使わなくなって、マッサージもしなくなって、また悪化してから受診する・・・というケースも多いです。
どうか自己治療できるなら続けて下さいね。
やるべきことは皆さん、分かっておられるはずですから
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