健康診断から定期通院・定時内服のサブスクへ | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

内科医の端くれ先生が示唆に富むtweetをされていたのでご紹介。

 

 

 

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内科外来にいると、健康診断で脂質異常症(高コレステロール血症)を指摘された中高年男性がよく来る。

 

彼らはスタチンという脂質異常症の薬を定期的に処方されて毎日飲み続けている。
 

その中には「薬が好きで、飲んでいると安心」という人もいれば、「できれば薬は飲みたくないけど心筋梗塞リスクが不安だから飲んでいる」人や、「いったいどの程度効果があるんだろうと思いながら飲み続けている」人もいる。

各企業に社員の健康診断100%受診を義務にして、得られた結果をもとに健康指導を行い、リスクを提示して医療機関へ誘導する。

 

この仕組みは本当に罪深いと思う。
 

こんなことをされたら、大多数の人はもちろん不安になるし推奨を断れないし、医療機関の定期通院・定時内服のサブスクが始まってしまう。

これは言い方を変えれば、「医療側が個々人に無理矢理介入してリスクを見つけて脅して治療を始めさせるように仕向ける」ようなもの。


表向きは国民の健康増進のためとは言うものの、はたして本当にプラスになっているのか。

 

自律の侵害であり、医療のエゴではないのか。

たとえばこのスタチンという薬も、それがどれくらい有効かはその人の年齢や家族歴や喫煙歴や高血圧や糖尿病の有無など、他要因の有無によって大きく異なる。

 

NNT(Number Needed to Treat)という指標がある。

 

これは1人の予防(治療)効果を示すために、何人治療する必要があるかを示す。

 

たとえばNNT 100の薬とは、100人に投与すると1人効果が得られるが、残り99人には効果がないかも、というものである。

下記サイトで紹介されている研究にはこう示されている。

 

”心筋梗塞を5年間で1件予防するためのNNTは、全集団が中程度のスタチン療法を受けた場合、70~100歳が最小で(NNTは70~79歳:145、80~100歳:80)、年齢が下がるにつれて増加した(同60~69歳:261、50~59歳:439、20~49歳:1,107)”

年齢によってNNTは大きく異なり、最も有効とされる80-100歳では80、効果が乏しい20-49歳では1107である。

 

つまりこの研究における20-49歳では、少なくとも5年間だけを見れば1100人に投与してやっと1人に予防効果がある=残りの1099人には効果がないかも。

しかし翻って実際の臨床現場で患者さんに伝わって理解される情報は、

 

「コレステロールが高いと心筋梗塞のリスクが高まる。スタチンを飲めば”全員に”予防効果が得られるから、飲んだ方が良い」
 

という、きわめて単純化されたものになってはいないか?

患者さんたちは個々の研究の詳細まで分析するトレーニングを受けていないし、そんなことをする余裕も時間もないし、結局はテレビや医者の言うことを聞くしかない。

 

でも実際には、よくよく調べてみるとリスクが高くない人たちにとってはそもそもそんなに心配いらないし、治療薬もほとんど効果が期待できなさそうだったりする。
 

素晴らしい予防薬とされるスタチンですらこの程度であって、もっと悲惨なNNTなのに「あなたにはリスクがあるから」「この薬には効果があるから」と飲まされている薬が世の中にはたくさんある。

さらに言えばこのNNTもかなり乱暴な数値ではあって、一人一人の背景は全く異なるから、同じNNT100の薬でもあなたは他のリスク因子がかなりあるから飲むべきかも、でもあなたは他のリスク因子が全然ないから飲まなくてよいのでは、と考えるべきもの。

長くなったのでこのへんにするが、こうした状況をどう考えるか。

 

私はものすごく罪深いと思うし、不健全だと思う。
 

詳細を知られないのを良いことに、義務化した健診で無理矢理介入して、リスクで脅して効果を有耶無耶にして治療を開始する。

もちろんそれでも治療したい人はすればいい。


でもいろんなことを知ればやっぱり治療したくない、通院や内服のストレスが大きいからやめたいという人もいる。
 

さらには本当はそんなにリスクが大きくないのに、一律に不当に煽られて不安になってしまって健康を害したり生活が歪んでしまう人がいる。

そういうところにもっと焦点を当てて、みんな当事者意識を持って考えていかないと、このままAIだ人工知能民主主義だとなっていくといよい

よ文句が言えなくなる。
 

医者に都合の良い解釈ばかりAIが提示してきて、それに逆らえなくなる。

 

訂正できなくなる。
 

そんなことを恐れています。


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健康診断でひっかかって、コレステロールが高いからと高脂血症の薬を医者から処方されて飲んでいる患者さんは本当に多いです。

 

それも機械的に数値だけで判断。

 

ある数字を超えたら高脂血症と診断され薬を処方する権限を医者は得るわけだ。

 

一度飲んだら終わり。

 

ずーっと死ぬまで飲み続けることになる。

 

だから薬が無くなったら病院に行って薬をもらう。

 

それが月に1回とか続く。

 

医療機関にとっては「おいしいリピーター」。

 

いかに通ってもらうかを考えるならばリピーターを増やすしかない。

 

新規をとったなら、その患者さんにリピーターになってもらうことを考える方が売上げが上がる。

 

つまり「患者」と認定される人を増やすことが医療機関の収入アップにつながる。

 

患者を増やすにはハードルを下げるのが一番。

 

血圧の基準が10下がっただけで高血圧患者が爆増したように。

 

コレステロールの基準値も男性と女性で違うはずなのに血液検査は男女一緒。

 

下げすぎるリスクは考えず漫然と薬を出す。

 

特にスタチン剤は罪深い。

 

たいしてコレステロールが高くない人にとっては害しかないんじゃないかな。

 

 

このスタチン剤、うつ病にもなりやすいらしく、精神科の先生の多くが警鐘を鳴らされていた。

 

分子栄養学ではスタチン剤を使わずにマグネシウムやナイアシンアミド、タウリン散などを使って高脂血症の治療をしています。

 

 

 

内科医の端くれ先生のtweetを読んでいてしみじみ思いました。

 

医療って究極「病人を無くして健康にする」ことが目的のはずなのに、わざわざ「病人を作って金儲けしている」構図になってない?

 

予防がしたいのであれば薬じゃなくて、患者さんの生活や食事に立ち入って丁寧に指導しましょうよと言いたい。

 

 

痔ではないものを痔と診断して手術や注射療法を勧めている医者が多い肛門領域の話だけではないようですね。

 

知らないうちに「病人」にならないよう注意しないといけません。

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」あしあと

今日はハロウィンですねハロウィン

ラブも仮装しましたしっぽフリフリ

 

 

診療所の患者さんへ

 

土曜日はビストロヒマワリのお弁当の配達があります。

 

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