診療所ではコロナ後遺症やワクチン後遺症に対して水素ガス吸入療法をやっています。
コロナが始まってすぐに、水素ガス吸入がコロナ肺炎に効くという情報を知り、水素ガス吸入については調べてきました。
中国やアメリカでコロナ肺炎に用いられて良好な成績をおさめていたのです。
コロナ肺炎の患者さんを診察することなんて無い肛門科では必要のないものでしたが、癌治療の現場で水素療法が行われており、健康に大きく寄与するものであると知りました。
そしてワクチン接種が始まってから後遺症患者さんをたくさん診るようになり、その治療の一環として水素ガス吸入が持ち上がったのです。
水素ガス吸入機の選定に1年以上かかりました。
決め手は癌治療の現場で結果を出している機器ということで、ヘリックスジャパンの水素ガス吸入機 ハイセルベーターET100に決定。
水素ガス吸入だけの受診も受け付けており、多くの人に喜んでもらっています。
今回、次のような質問を頂いたのでブログでお答えしたいと思います。
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水素についてですが、水素水を飲むのも吸入と同じ効果があるのでしょうか？
その水素水も色々と販売されており、何が良いのか全くわかりません。
水素水の効果、そしてみのり先生のおすすめ水素水があればアドバイスをお願い致します。
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まず結論から述べます。
水素をガスとして吸入するのと、水素水として飲むのとでは効果が全然違います。
水素ガスの方が効率よく体に水素を取り込めます。
また私がオススメの水素水は現在の所ありません。
その理由についてちょっと専門的な内容になりますが述べたいと思います。
水素をガスとして吸入する場合
鼻から吸った水素は肺から心臓に入ると、すぐに動脈血にのり、全身に届きます。
慶応大学の佐野元昭准教授が「水素ガスを吸入すると、水素ガスは肺から血液中に溶解して、吸入開始後2〜3分で全身隅々まで行き渡り、血液中、組織中の水素濃度は飽和する」と最新醫学2016;71(9),1872 で述べられています。
水素水を飲んだ場合
まず胃腸で吸収されます。
そのあと肝臓を経て静脈血にのって心臓から肺に届き、呼気で一部が排出され、残りが心臓に戻ってきて、その残った水素が心臓から全身に届きます。
5年前くらいでしょうか。
水素水ブームで販売されている水素水を調べたところ、ほとんど水素なんて入っていなかったという事件がありましたね。
マイナスイメージを持っておられる方もおられるかもしれません。
そもそも水素は気体です。
だから水素ガスとして取り入れるのが自然。
水に水素を溶かす、封じ込めるのはなかなか難しい。
水素水は炭酸水と同じ仕組みです。
例えば水に炭酸を溶かし込んだものが炭酸水ですが、放置するとどんどん発散して時間がたつと「気が抜けた」ただの水になってしまいますよね？
水素水もそれと同じです。
ペットボトルなどの容器に圧力をかけて封入する、パウチ容器に入れるなどすればガスが発散することはありませんが、蓋を開けた瞬間から大気中に発散して、どんどん水素が抜けていきます。
また水に溶かすことのできる水素の量も限界があります。
上限は1気圧下で約1.7ppm。
1ℓの水に対して1.7mg（18.7ml）の水素が溶けている状態です。
濃度4％の水素ガスが1分間に100ml出る水素ガス吸入機を使用して吸入するとすれば、1分間に4mlが体内に入ることになります。
つまり水素ガス吸入5分間と水素水1ℓがちょうど同じくらいの水素量ということになるので、水素水を飲むよりも水素ガスを吸入するほうが効率よく短時間に体に水素を取り込めるということになります。
高い圧力をかければもっと高濃度の水素水を作れますが、それはあくまで「高い圧力がかかっている状態」での話。
開封すれば水素が一気に発散し、たちまち濃度が下がってしまいます。
また水素水を飲んで、どれくらいの量の水素が胃から吸収されるのか？という問題もあります。
実際、水素水を飲んだ後、静脈血を調べても水素はほとんど検出されていません。
一方、水素ガス吸入では静脈血にも水素ガスが検出されます。
というわけで、水素を確実に効率よく、たくさん摂ろうとすると水素水では無理があるというのが結論です。
水素ガス吸入は吸入機がないとできないので不便ですが、確実に大量に取り込める方法だと言えます。
毎日吸入できると嬉しいですがそれが難しいので、現在、水素サプリをモニター試飲中です。
癌の患者さんにもモニターになってもらってお試し中です。
効果があれば導入しようと思っています。
水素サプリについては導入が決まったらブログで書きますね。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
左側がラブです
犬にも水素ガス吸入は良いようです
ただ吸わせるのが大変なんですよねぇ･･･
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