うちの診療所は自由診療。
保険診療に比べると診療費が高いです。
だからあちこちの肛門科（を標榜するクリニック）を回ってから最後に受診される患者さんが多いです。
最初からうちに来られる人は少ないですね。
セカンドオピニオンならぬサードオピニオン、あるいは全国各地の肛門科を行脚してから来られる患者さんもいて、専門医に「これは手術しかないね」「手術しないと治らないよ」と言われている患者さんが手術の相談に来られます。
そこで、これは手術しないと難しいかな･･･と私が判断することが多いのが随伴裂肛です。
「ずいはんれっこう」と読みます。
普通の切れ痔（裂肛）とは違うんです。
いぼ痔（痔核・脱肛）や肛門ポリープが大きくなって、脱出を繰り返すうちに、根元が弱くなって裂けてしまった状態。
これ、めっちゃ痛いんですよ。
便を出す時も痛いけど、脱出した痔核（イボ）や肛門ポリープを中に戻す時も激痛
しかも戻したあとも半日痛いという患者さんも多く、生活に支障を来すことも
詳しい解説はホームページでもしてるので、こちらも読んで下さい↓
絶対に手術しかないよ
と言われた随伴裂肛が、出残り便秘の治療によって改善、あるいは完全に傷が治ってしまうケースをしばしば経験しています。
だから手術と言われた患者さんでも、まずは1〜2週間、出残り便秘の治療をしてもらっています。
それでも治らなくて、排便もつらい、痛みで仕事もできない･･･という場合は手術を考えてもらっています。
随伴裂肛を繰り返している患者さんがいました。
一旦治るので手術をせずにずーっと経過観察していたのですが、だんだん治りにくくなってきて、そろそろ手術かなぁ･･･と話していたのですが、患者さんの希望で食べられる歯磨き粉を肛門に使ってみることに。
患者さんの間では肛門の治療薬として認識されている歯みがき粉です。
実際、手術の傷にも使ってもらいました↓
もしかして治らない随伴裂肛にも効くかも･･･と淡い期待をして使ってもらいました。
私も患者さんも半分、手術という選択肢を考えて。
イチかバチか、これで治ったらラッキーだよねと言って。
そして1か月後･･･
診察室に入ってくるなり第一声が
「先生、スゴいです
」
え
何が
「あの歯みがき粉、スゴイです全く痛みが無くなりました出血もありません。だから多分治ってると思うんですけど･･･」
と。
肛門鏡で中を見たら･･･
なんと
本当に治ってました
手術だと半分あきらめていた随伴裂肛が、本当に治ってました
これには私もビックリ。
正直、傷を見る限り、手術しないと無理だろうって思ってたから
いやー、こんなことって本当にあるんですね。
恐るべし、歯みがき粉
こりゃあ、ますます手術が減りますわ
というわけで、うちの診療所では困った時の神頼みとなっております
口に使うものだから出口に使ってもいいだろう
そう考えて使い始めた食べられる歯磨き粉。
まだまだいろんな所に使えそうです
こんな所に使ってみたら良かったよということがあれば是非、報告して下さいね
普通の歯みがき粉と何が違うのかはコチラの記事を読んで下さい↓
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