患者さんのリクエストで1日1記事は主に新型コロナやワクチン、サル痘に関する医療ニュースをお届けしています。
今日は医師サイトに掲載されていた医療ニュースをシェア。
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サル痘感染症181例の報告、スペイン
Lancet
スペインの多施設共同前向き観察コホート研究で、2022年5月11日から6月29日までに確定診断を受けたサル痘感染症患者181例(年齢中央値37.0歳)の臨床症状などを検討。
患者から採取した病変部、肛門および口腔咽頭のスワブ検体のPCR検査を実施し、人口統計学的因子、性感染症の危険因子、性行動、初診時の症状などの情報を収集した。
92%がゲイ、バイセクシュアルまたは男性間性交渉者(MSM)で、8%が異性愛の男女だった。
潜伏期間は中央値で7.0日だった。
全例に皮膚病変が認められ、78%に肛門性器領域、43%に口腔および口囲の病変が認められた。
39%に治療を要する合併症が見られた(直腸炎25%、扁桃炎10%、陰茎水腫8%、膿瘍3%、発疹4%)。
皮膚病変部スワブ180検体中178検体(99%)と咽頭スワブ117検体中82検体(70%)が検査陽性だった。
ウイルス量は、病変部の方が咽頭よりも多かった(平均サイクル閾値23 vs. 32、絶対差9、95%CI 8-10;P<0.0001)。
MSM 166例中108例(65%)が受ける側の肛門性交(anal-receptive sex)を報告した。
受ける側の肛門性交をするMSMは、しないMSMより直腸炎(38% vs. 7%、絶対差31%、95%CI 19-44;P<0.0001)および発疹出現前の全身症状(62% vs. 28%、同34%、28-62; P<0.0001)の頻度が高かった。
扁桃炎を発症した19例のうち18例(95%)が口内に性器を挿入するオーラルセックスを報告した。
病変が発生してから乾燥した痂皮が形成されるまでの期間は中央値で10日だった。
【原文を読む】
Tarín-Vicente EJ, et al. Clinical presentation and virological assessment of confirmed human monkeypox virus cases in Spain: a prospective observational cohort study. Lancet. 2022 Aug 8. Online ahead of print.
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サル痘の皮膚病変の78%が肛門に見られるとは
これは肛門科医は知っておくべき疾患ですね。
診断出来るでしょうか。
帯状疱疹との鑑別も必要でしょう。
肛門性交をしているゲイの患者さんを今まで何度か診察してきましたが、多くの症例でHIV陽性でした。
肛門の尖圭コンジローマの治療で受診された患者さんが多かったですが、中には梅毒やFournier症候群の症例もありました。
肛門は性器ではないので肛門性交をやめるよう肛門科医として伝えましたが、それはゲイの人にとっては難しいことでした。
それでも肛門科医としては患者さんの肛門を守るために都度伝えざるを得ません。
どんなに鍛えても肛門は性器になれないのです。
誤った使い方をすると故障してしまいます。
サル痘がHIVのような位置づけになるのかどうか分かりませんが、肛門科医として知っておくべき疾患であることは間違いなさそうですね。
元皮膚科医としてヘルペスや帯状疱疹は見慣れているので、サル痘の皮疹を見抜けるでしょうか・・・。
症例写真をたくさん診て勉強せねば・・・。
2014年にこんな記事を書いてました↓
肛門は便の通り道。
排泄する場所です。
どうか正しく使って下さいね。
そしてこんな記事が医療ニュースで配信されていました↓
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一般内科医も知って!「アナルセックス」の害
BMJで警鐘
欧米では、異性間での肛門性交渉(アナルセックス)経験者が低年齢化しているとされている。
英・Sheffield Teaching Hospitals National Health Service(NHS) Foundation TrustのLesley M. Hunt氏は、肛門括約筋が弱い女性ではアナルセックスによる肛門損傷リスクが特に高まることから、当該診療科の泌尿器科はもとより大腸肛門科や一般内科の医師も診断の見落としとならないようBMJのEditorials(2022年8月11日オンライン版)で注意を促している。
肛門損傷は女性でより深刻
英・National Survey of Sexual Attitudes and Lifestyleによると、16~24歳の異性間肛門性交経験の割合は1990~91年が10人に1人だったのに対し、2010~12年には男性の約4人に1人、女性の5人に1人に増えているという(J Adolesc Health 2017; 61: 694-702)。
米国でも同様の傾向が見られ、30〜44%の男女がアナルセックスを経験したことを報告している(AIDS Behav 2016; 20: 2966-2975)。
今回、Hunt氏はアナルセックスの問題として、健康リスクとそれに対する認識の欠如を指摘している。
まず健康上のリスクについては、アナルセックスは飲酒、薬物の使用、複数のセックスパートナーとの関連性が指摘されているリスクの高い性行動と考えられている点だ。
これに加え、腟分泌物量の低下、肛門の摩耗や、コンドームの装着が一般的でないことによる性感染症および悪性腫瘍のリスク上昇などもある。
さらに肛門括約筋が弱く肛門管圧が低いなどの理由から、アナルセックスによる肛門損傷は女性でより深刻で、アナルセックス後の疼痛や出血は外傷によるものと考えられる。
同氏は、泌尿器科以外の診療科ではアナルセックスに関する問診は一般的ではなく、多くの診療科の医師がそのような質問をすることをタブー視すれば、アナルセックスによる健康リスクがさらに見落とされ、医学的アプローチの機会が失われかねないと訴えている。
中立的で偏見のない問診を
健康リスクに対する認識の欠如について、Hunt氏は「NHSの患者向け情報では、アナルセックスについては性感染症のみを考慮しており、肛門外傷、失禁、アナルセックスの強要による心理的後遺症には言及していない」と指摘。
またインターネット情報の中には、アナルセックスへの試みを後押しするようなものもあり、リスクに言及する医師が同性愛嫌悪者と誤解されることもありうる。
しかし、同氏は「アナルセックスに関する適切な健康リスク情報があれば、それまで行為を望んでいた女性が回避したり、パートナーを喜ばせるために渋々応じるような女性が断ったりするなどして、自身を守ることができる」と主張。
「特にクリニックの医師、消化器内科医、大腸外科医は、中立的で偏見のない問診を行って若年女性のアナルセックスをめぐる社会の変化に対応すべきである」と述べている。
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肛門科医なら誰でも知っているアナルセックスや肛門異物。
とてもマニアックな診療科なので一般の医師は知らない世界なのかもしれません
この手の話もめっちゃありますが、とてもじゃないですがブログで書けません
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