いつも外来のアンケートばかり掲載しているので、今日は手術のアンケートをご紹介したいと思います。
群馬県から来られた40代女性患者さん。
脱肛・随伴裂肛・嵌頓痔核で駆け込み手術となりました。
なんと、13枚に渡る超大作
術後の経過も詳細に記載されているので、これから日帰り手術を受けられる人のバイブルになるでしょう。
手術を受けられた患者さんにはコピーしてお渡ししようと思います。
とてもキレイな字で分かりやすく書いて下さっているので読みやすいです。
ありがとうございます
今日は手術に至るまでの経過と手術日の様子が書かれた部分をご紹介。
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◎2021年9月に出口の便秘改善のため通院し、4ヶ月ほど便通ケアを続けてきました。
ただし、9月の時点で私の内痔核の脱肛および脱出による裂肛は手術してもよいレベルだと聞いていました。
便通ケアで改善していくケースもあるとのことで、まずは便通ケアの方法でチャレンジしました。
日々脱肛、出血はあるものの、坐剤によるスッキリ感はありがたく、コツコツとケアを続けていました。
◎2022年1月中旬、脱出による裂肛が増え、戻すことに時間がかかるようになりました。
排泄自体は10分以内にできるのですが、30分くらいトイレで戻すようになりました。
戻した後の痛みもひどくなって、職場に行けないこともありました。
便通ケアのおかげで、便はとても私に優しい肛門を傷付けることのないやわらかくすばらしい状態なのに、もう通り道である肛門が限界点を向かえたのだと思いました。
◎みのり先生のブログ「痔の手術」の記事をはじめて読み進めることができました。
怖くて今まで読んでも頭に入ってこなかったり、読み飛ばしていたりしていました。
ほぼ徹夜状態でブログを読み、今が手術のタイミングと自分自身が決断するに至りました。
◎出したくない、食べたくない、眠れない・・・状態でしたので、最速での手術を泣きながら依頼致しました。
みなさまのお心づかいのおかげで、本当にそれが叶いまして感謝しかありません。
☆ここまでは手術を決断するまでのことです。
決断すると全てが整う感じがすばらしかったです。
◎手術を迷っているうちは、本当に手術をしない方がよいのだと思います。
術後の覚悟が決まると、自分で決めたことだからと、腹をくくってケアに取り組めます。
私も9月の時点では、きっと手術しても今のような心持ちでケアに集中できなかったと思うのです。
4ヶ月の便通ケアあっての今だと実感しています。
◎術前検査は尿検査、血液検査、心電図でした。
心電図で心配なところがあるとこのことで ”手術しても大丈夫” というお墨付きをいただくために、近隣にある後藤内科クリニックに紹介状を持って通院しました。
珍しいことではないので、あまりびっくりしなくてよさそうです。
診断結果、異常なしでした。
◎術前検査と診察あとに手術の説明をしていただきました。
”肛門をデザインする” に感動しました。
美しく機能的な肛門に生まれ変わる
丁寧なパンフレットも用意されていて、心の準備ができました。
水曜に検査を受けて、金曜に手術という流れでした。
みのり先生に坐薬できれいに出しておいてねと言われたのですが、どうしても怖くて出せませんでした。
火曜日に甘酒を飲んで、排泄してほぼ何も口にしていませんでした。
検査の後、チアリで昼食をいただき、その後はチョコレートを口にしたくらいでした。
そのくらい出すことが怖くなっていました。
木曜は1日ホテルでのんびり過ごしていました。
もう、出せないけれど、術前に診療所で何とかしようと思いました。
戻せなくなったらどうしようという怖さがありました。
もう、戻すのはあと1回だけにしたい(人生において)ああ、もう戻さなくてよくなるのかと思ったら、体も心もすごく喜んでいるのが分かりました。
◎手術当日、麻酔クリームは排便していないのにぬっていいのかと疑問だったので、ぬらずに早めに通院しました。
12:00すぎの手術でしたが、10:00には入りました。
受付でまだ排便していないことを伝えました。
まずは麻酔クリームを15分おきにぬりましょうと伝えられました。
排便していなくても、クリームはぬっていいそうです。
◎そして、ついに浣腸からの排泄・・・戻すことはあきらめました・・・みのり先生にも、なるほど、これは辛かっただろう・・・とのお言葉。
無理に戻せる状態ではなく、出血も・・・。
そのまま、手術台へ。
替えのショーツを準備しておいても良かったなと思いました。
院長先生や息子さんもいらっしゃって、手術室は怖くないのですが、なにしろ脱肛したままの状態は痛かったです。
でもラブちゃんは眠そうに私をほうっておいてくれました。
何だか大丈夫だから、ほうっておくよ・・・っていう感じがして、ほっとしました。
院長先生も大騒ぎして痛いって言っていいよとお声をかけてくれて。
全方向から優しさを感じて、痛いのだけども泣き笑いみたいになっていました。
麻酔が効くまでは、辛かった。
院長先生が ”そろそろ、痛いと怖いを分けて感じてみて” とおっしゃって下さってからが徐々にほんとうに徐々にですが、落ち着いてきました。
麻酔がちゃんと効いているかが大切なので、本当に痛いときに ”痛い” と言えるようになりました。
◎みのり先生の ”さあ、どうデザインしていくのか”のお言葉があってからは、もう手術というより芸術創造です。
全く幸せな時間すぎて、ラブちゃんがもこもこしてて、音楽がかかっていて、院長先生がやさしくお声をかけてくださって、みのり先生たちが真剣に肛門をデザインしてくださって、本当にしあわせな時間としか言えません。
◎未知への不安が怖さを生むし、痛みも生み出します。
たしかに麻酔が効くまでは痛かったですが、その後はほとんど何も感じません。
◎術後、少し休憩してケアの方法等をうかがって、歩いてホテルに帰り着きました。
たくさんのお薬(痛み止めと漢方、サプリ)と軟膏がでました。
久しぶりにごはんを食べ、食べ過ぎました。
深夜3:00ごろ出したくなって、出しました。
つるーっと出ていてくれました。
朝、坐薬でもう1回。
するっとできました。
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この患者さんは昨年、初診で来られた時から立派な脱肛でした。
しかも随伴裂肛もあり、医学的には手術適応。
随伴裂肛について知らない方はコチラをお読み下さい↓↓
脱肛のせいで起こる裂肛が随伴裂肛(激痛)
手術が必要な状態であっても、排便管理によって改善することをたくさん経験してきたので、まずは便通を治すことから始めました。
そうすると、良くなったのです。
随伴裂肛は薄皮状態で治りかけ。
痛みが随分楽になったから、このまま手術せずに排便管理をしながら保存的治療をすることを選択されました。
もしも急に悪化したり辛くなったら地元の専門医にかかるようアドバイスして、2回目の通院で完治終了としました。
幸い、地元に私たちがよく知っている専門の先生がおられたので、困ったり手術が必要になったら、そちらで受けるようお話して、1年後にオシリ健診でお会いしましょうとお別れしました。
ところが・・・
1月下旬、悲痛な電話が・・・。
かなり辛そうな声だったようで、コールセンターのスタッフから申し送りがありました。
ずっと調子よかったのに寒くなってから悪化して、仕事に行けないくらい痛みがひどくて排便後、脱出した痔核を戻すのに30分以上かかることもあると・・・。
出血も結構あって怖いと
切羽詰まっているなら地元の専門の先生のところで治療を受けるようオススメしたのですが、わざわざ大阪まで来られました。
手術するつもりで・・・。
通常、手術は予定をして行います。
術前検査を受けてもらって、その結果が出てから手術となります。
分子栄養学的な血液検査もしているため、検査結果が出るまでに2週間くらいかかるので、手術日の2週間前までに術前検査を受けてもらう必要があります。
でも、そんなに待っている余裕はありませんでした。
一刻も早く手術をしないと、食事もできない、眠れない、動けない、仕事も行けない・・・。
しかも群馬県から来られています。
こんな状態で帰れないよね・・・ということで、駆け込み手術となりました
実はこの時期、他にも同じような患者さんがあと二人おられて、駆け込み手術三昧だったんです。
皆さん、ずっと調子よかったのに、寒さがこたえたのでしょうか
手術当日、普通なら手術前に排便をしてきてもらうのですが、この患者さんは怖くて出せないと言われたので、手術室に入る直前に浣腸をして出してもらいました。
そうしたら・・・
とてつもなく大きな脱肛で、私のゲンコツ大くらいあって、随伴裂肛から出血していました
毎日、こんなに脱肛していたのかと思うと本当につらかっただろうなとかわいそうになりました
戻すこともできず、そのまま手術室へ。
手術は滞りなく終了。
ラブが眠っているということは患者さんのバイタルは落ち着いているという証拠。(実際そうなんですよね)
安心して手術に集中できました。
術後、楽になりましたと元気に帰って行かれました。
まともに食事もできていなかったので、手術後の食事は美味しかったことでしょう。
この時の様子を患者さんがブログに書かれていました↓
続編はまた明日。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
右側がラブです
口角が上がってるの分かります
笑ってるんですよ
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