溜まりに溜まっている患者さんのアンケートをご紹介。
今日ご紹介する患者さんは遠方から久々の受診となった50代女性。
4年ぶりに受診されました。
この患者さんは5年前に当院を受診されていました。
その時は院長が診察を担当。
地元の病院で痔瘻の手術をしたあと、傷口が治らずセカンドオピニオンで色々な肛門科を受診したけれど良くならず、困って受診されました。
結局、傷口はちゃんと治っていて、傷のヒリヒリや違和感は洗い過ぎと残便のせいだということになり、坐薬を使って治療し、症状が改善したため完治終了となっていました。
そのあとは年に1回のオシリ健診に来られていません。
そして今回、5年ぶりの受診となったわけです。
坐薬は全く使っておられませんでした。
1年くらい前から排便後にたまにしみるような痛みが出現。
オシリを拭くとヒリヒリすることもありSザルベを塗っておられました。
ある日、便が硬く、排便時に出血。
それから毎日出血するようになり痛みもあるため近医を受診。
酸化マグネシウムとネリザ軟膏を処方され症状は改善したけれどスッキリしないため久々の受診となりました。
酸化マグネシウムは1錠だけ毎日夜に飲んでおられました。
なのに出始めは硬い。
ウォシュレットは使っていませんが紙で3〜6回も拭いています。
診察をすると軟便がありました
今日は排便があったのに・・・です。
残った便は酸化マグネシウムがよーく効いた軟便
坐薬を入れて出して来てもらいました。
もう一度診察
ちゃんと出し切れて肛門の中は空っぽになっていました。
肛門鏡で診察をすると切れ痔(裂肛)を繰り返した痕跡が所々にありましたが、今は切れていません。
以前にも院長がしたであろう便秘や肛門の手入れに関する説明を20〜30分かけてもう一度させて頂きました。
年月が経つと忘れますからね。
酸化マグネシウムは中止し、坐薬を毎日入れてもらうことになりました。
そして2週間後・・・
痛みも出血もヒリヒリも症状は全て消失。
酸化マグネシウムを止めても便は毎日出ています。
必要なかったということですね。
出始めが硬いこともなくなり肛門が切れることもなくなりました。
あっけなく完治終了となり、次は1年後にオシリ健診で来て頂くことに
今度は是非来て下さいね
ちゃんと排便管理が出来ているかどうかの検診です。
そこで間違った方向にいっていれば正すこともできます。
この患者さんのように酸化マグネシウムを処方されて飲んでいる人が多いのですが、酸化マグネシウムは「やわらかい便を作る薬」です。
「便を出す薬」ではありません。
これから作られる便をやわらかくすることはできますが、既に出来上がって出口付近に下りてきている便や、ましてや出し残した便には効きません。
だから酸化マグネシウムを飲んでいたのに「出始めだけは硬かった」んです。
その出始めの硬い便で肛門が切れる。
切った傷に残った便が付く。
便で汚染された傷はなかなか治らない。
問題は出口の肛門で起こっているのに、お腹(腸)に効くモノを飲んでも痔は良くなりません。
それどころか酸化マグネシウムを飲むと「ねちょっとしたやわらかい便」になるため、かえってスッキリ出にくく残りやすい。
酸化マグネシウムを飲んだせいで切れ痔(裂肛)を悪化させている患者さんも多いので注意が必要です。
そして便まみれの肛門に注入軟膏を入れても効果半減。
気休めにしかならない。
だから薬を使い続けているのに切れ痔(裂肛)が治らなかったのです。
ちゃんと便を出せば注入軟膏も不要です。
診療所では注入軟膏ではなくワセリンとミツロウで作った「Sザルベ」を処方。
薬ではない軟膏で切れ痔が治るなんて不思議
と多くの患者さんが言われましたが、ちゃんと便を出せば薬なんて要らないんです
久々に来られる患者さんは排便の大切さを再認識されます。
毎日出てるから・・・と安心は禁物。
もしも出残り便があるのなら、出さずに放置するとどんどん残便が増えていきます。
この患者さんは5年前に比べると坐薬で出てくる残便の量がかなり多くなっていてビックリされてましたから
だから排便管理はずっと続けて下さいね
診療所のセラピードッグ「ラブ」
久々のドッグラン
思いっきり走りました
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