昨日採り上げた「1年間通院しているのに治らない切れ痔」で受診された25歳の患者さんの話の続きです。
受診翌日に痛くて坐薬が入れられないとお電話があったので心配していたのですが、明るい顔で診察室に入って来られました。
症状はなくなったと。
オシリだけじゃなくてお腹の症状まで
坐薬も頑張って毎日使っておられました。
そして酸化マグネシウムは飲んでいません。
飲まなくても便は毎日出るし、硬いコロコロ便で痛いということもなし
診察すると・・・
肛門周囲の皮膚がキレイになっていました
もちろん便は付いていません。
ただ診察すると便がありました。
やわらかくて良い便です。
今日は自然に排便し、その後坐薬を入れて残便も出して来たとのこと。
おそらく、ちゃんと出せていたけれど、また奥から新たに便が下りてきたのでしょう。
1日2回便が下りてくることもあります。
別に異常ではありません。
朝晩1日2回自然排便があるという患者さんもおられます。
1回1回、その都度、完全に排便し、肛門が空っぽになっていなければならないので、残っているのであれば2回目の排便のあとも坐薬を入れて下さいね。
あんなに切れまくっていたオシリがキレイに治っていました
オシリの腫れもひいています。
ということで2回目の受診で完治終了となりました。
切れ痔は完治しましたが出残り便秘は治っていません。
排便の管理は生活の中でずっと続けて頂く事になります。
あとは1年に1回のオシリ健診。
調子が良くても年に1回、オシリの状態をチェックするために健診受診されている患者さんがほとんど。
「来年、元気で来て下さいね〜」とお別れ。
とても喜んでくださって、アンケート用紙と一緒にステキなプリザーブドフラワーまで頂きました
縦にも横にもできる。
めっちゃキレイなブルー。
私の大好きな色。
服もブルー系が多いです。
ありがとうございます
診察室に飾ろうかと思ったけれど、キレイな花が周りのモノに紛れてしまうので自宅に持ち帰りました。
書斎のPCのモニター前に飾りました
そして患者さんが書いて下さったアンケートがコチラ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
悪化していくばかりの切れ痔と、1日4〜6回もの排便、妊婦さんのように腫れるお腹、形ある便が出せないほど弱ったお尻に、心身共に限界を感じ愛知県からセカンドオピニオンで来ました。
受診日がくるまで、佐々木みのり先生が出版された本の内容を実践すると、今までいかにお尻に負担をかけていたのかが分かったのです。
そして受診日。
まず、困っている事や話を聞いて下さり、診察、状態や結果、治療について、時間をかけご説明いただきました。
女性患者ということで、膣についてもアドバイスいただきました。
受診日の夜、毎晩のようにパンパンだったお腹がスッキリぺったんこ。
困っていた全ての症状は、今まで通っていた病院で処方された薬が原因と特定していただきました。
受診日からは、先生に頂いたSザルベなどを使うと、3日後には、悩み続けてきた幾つもの症状が全てなくなりました。
みるみるお尻が回復していくのを肌で感じて、驚きが隠せませんでした。
ぐんぐん治っていくので、これまでは切れてしまった形ある便が出せるようになり、切れない元気なお尻になっていました!
受診前は、歩くのもしゃがむにも動きが遅かったのに、3日後にはスタスタ歩き、1週間も経たないうちに、30分以上ランニングが出来るまで回復しました。
今までの長い期間、治療し悪化してきたのは一体何だったのだと、もっと早く来たかったと思いました。
みるみる回復していく自分を見て、家族に、本当に行って良かったね、と言ってもらいました。
受診から数日で回復し、心も身体も元気になりました。
コロナ禍ではありますが、思い切って愛知から受診して本当に良かったです。
自由診療ですが、健康はお金に代えられません。
痔が数ヶ月経っても治らない、薬を使い続けている方は、ぜひ受診をと思います。
そして、感謝の気持ちとしてプリザーブドフラワーを贈らせて頂きました。
本当にありがとうございました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
たかが切れ痔、されど切れ痔。
慢性化して悪化すると日常動作もスムーズに出来なくなることも。
またオシリを洗っていると皮膚が炎症を起こし、さらに切れ痔が治りにくくなります。
受診前に本を読んで、書いてあることを実践しただけで少し症状が改善したとおっしゃる患者さんが多いです。
まだ治療をしていないのに・・・です。
それだけ洗い過ぎているということ。
洗うのをやめることでオシリに意識が向き、負担がかかっていたことを認識してもらえると本を出した甲斐もあります。
切れているからバイ菌が入らないように洗わなくっちゃ・・・
とオシリを洗っている切れ痔の患者さんが多いですが、逆効果。
洗えば洗うほど切れ痔は治りません。
そもそも残っている便をキレイに出し切らなければ、傷は便で汚染され、切れ痔は炎症を起こし、「悪化していくばかりの切れ痔」になってしまう。
切れ痔を治すのはオシリに入れる注入軟膏でも、口から飲む酸化マグネシウムでもなく、便を出し切って肛門を空っぽにすること。
うちの診療所では酸化マグネシウムも注入軟膏も出しません。
ただ便を出してもらうだけで切れ痔は治るのです。
Sザルベは薬ではありません。
ワセリンとミツロウで作ったただのクリーム。
傷が痛いから保護のために塗ってもらっていまが、患者さんたちはオシリ以外にも色々なところに塗っておられます
何にでも使って下さいね
そしてこの患者さんのように酸化マグネシウムをやめたらお腹の症状まで消失することも本当に多いです。
必要の無い薬を飲むからお腹がおかしくなってる。
お腹が張ったり
ガスが溜まったり
ゴロゴロしたり
グルグル動きすぎたり・・・
痔の患者さんは出口で便秘をしているだけで、お腹(腸)は正常に動いていることが多いため、酸化マグネシウムなどの下剤を処方することは初回の診察では避けています。
坐薬だけでやってみて、それで便がちゃんと出て、お腹の張りなどがなければ腸は問題なし。
便秘を考える際は「どこに便が停滞しているか」をよく感じ、考えましょう。
お腹(腸)なのか
出口(肛門)なのか
その両方なのか
それによって治療が変わってきますので、安易に下剤に手を出さないことです。
自称便秘という人の多くが、もしかして出口の便秘かもしれません。
私は出口の診察をせずに下剤を出すことはしません。
そこに便があれば、まずは「出口の便秘」からアプローチ。
それでも便が出ない、お腹が張る、少量の便しか出ないというようなことがあれば、初めて下剤を検討します。
いきなり下剤ではない。
必要の無い下剤を飲んで苦しんでいる患者さんを大勢診ているから。
酸化マグネシウムを止めたら便通が良くなったという人、本当に多いです
必要のない下剤を飲み続けると切れ痔が悪化することがある
クリックお願いします
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ
便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術
2020年12月25日に本を出しました
是非、本屋さんで買ってください