今日は診療所のセラピードッグ「ラブ」の皮膚病と脱毛症についてお話したいと思います。
患者さんで心配されている方がおられるので経過をご報告しますね。
以前、ラブがアロペシアX(ポメラニアン脱毛症、偽クッシング症候群)と診断されて治療した話を書きました。
神奈川県にある皮膚科動物病院まで診てもらいに行って治療をしたら半年で毛が生え始め復活したラブ。
毛が生えてからも投薬治療はずっと続けていました。
ところが・・・
2019年の夏頃から毛の色が薄くなり始め、抜け始めました。
受診するにも神奈川県だし、犬を連れて気軽に行ける距離ではありません。
そうこうしているうちにどんどん薄毛になり、2019年の年末、ドッグランに行ったあとからお腹に赤いプツプツが・・・。
何だろう?
と思っていたらどんどん広がってお正月にはひどい状態に・・・。
犬友に勧められて伊丹にある動物病院へ。
そこでの診断は衝撃で、今までの治療から180度方向転換することに。
・膿皮症だから毎日洗ってよく乾かすこと
・食物アレルギーがありそうだからアレルゲンを完全に除去したロイヤルカナンの低分子プロテインというドッグフードだけにすること。それ以外は与えないこと
・膿皮症に対しては抗生物質を2〜4週間内服治療する
という今までと真逆の治療。
戸惑いもありましたが先生を信じて治療することにしました。
治療は奏功し膿皮症はキレイに治りました。
でも毛はどんどん抜け落ちていき、毎日シャンプーだから肌はカサカサ
とてもかゆそうでした。
シャンプーは先生から処方されたスクラブ。
シャンプー後は毎日オリゴノールスプレー。
それを頑張って1年間続けてきましたが、毛はほぼ抜け落ち、顔と手足に薄く残っている状態に・・・。
まるで体は豚で顔は犬という不思議な生き物に
ハゲてるだけなら見た目の問題ですむのですが、かゆくてかわいそうでした
肌はカサカサ
掻きむしって湿疹になり
まるで人間のアトピーの患者さんと同じ。
ドッグランでも走るとかゆいみたいで、走っては掻きむしりまくってました
そんなラブを見た犬友のぱーるちゃんママが
「ラブちゃん、本当に食物アレルギーあるもし本当に食物アレルギーなら、アレルゲン除去食にしたらすぐに皮膚の状態が良くなるはず。うちに通ってきてるワンコたちも、みんな2〜3週間で良くなってるよ。1年もアレルゲン抜いてるのに、全然良くならないのは食物アレルギーじゃないってことだと思う。」
と話してくれました。
ぱーるちゃんママはトリマーなんです。
たくさんのワンコを毎日見ているので、犬の状態を獣医よりも敏感に察知しているとも言える。
そして
「ドッグフードで病気になっている犬もいる。フードを無添加のものに変えてみたら」
と教えてくれたのが日優犬高松という会社のドッグフード「鶴亀長寿」。
この会社のホームページを読んでラブに申し訳ない気持ちでいっぱいになりました
今まで気付いてあげられなくてごめんね
こんなもの食べさせてごめんね
と涙が出そうになりました
そしてロイヤルカナンの低分子プロテインをやめて「鶴亀長寿」に変更。
そしたら・・・
2〜3日で明らかに変化が表れ始めました。
つるっつるのハゲだったのに背骨にそって茶色いしっかりとした毛が生えてきたのです
え
2〜3日しか経ってないのに
そしてどんどんと芝生が生えてくるように茶色いエリアが広がってきました。
シッポには毛はありません。
背骨の周りは毛が生えていますが、側腹部はまだ生えていません。
胸もお腹もツルツルだったけど、少しずつ産毛のような毛が生えてきています。
クビからお腹にかけては本当につるっパゲ。
所々に毛が生えてきているのがわかります。
そして、ラブの薄毛で悩んでいる私に無添加フードと栄養スープを教えて下さったのがドッグカフェ&ラン「ぷにぷに食堂」で知り合った人。
こちらのフードも日優犬高松と同じで無添加手作り。
材料も人間が食べるものと同じ肉を使っておられるので安心です。
ラブは現在、日優犬高松の鶴亀長寿とドッグフード工房のフードを半分ずつ混ぜて、手作りご飯と一緒に与えています。
そしてこのスープが最高においしい
このスープ、犬用ではありません。
人間用ですが、塩分ゼロなので犬にも使えます。
ペプチドスープなので栄養学的にもスグレモノ。
これを小さじ1杯をスープにしてフードと手作りご飯にふりかけて与えています。
出汁がきいて美味しいみたいで、よく食べます。
こうして食事を変えて1ヶ月経たないうちに、上の写真からこのような状態に
だいぶ犬らしくなってきたでしょ
シッポにも毛が生えてきましたよ。
ホウキの先っちょみたいですけど
胸とお腹にも毛が生えてきました
つるっつるだった首にも毛が生えてきました〜
ぷにぷに食堂の店主さんもラブの薄毛のことを心配して下さって、皆さん、2週間ぶりに会ったラブに驚いておられました
ぷにぷに食堂についてはコチラ
結局、何をしたのかというと、ただ食べただけなんですよ。
アポキルという薬もやめたし、獣医さんから出されたロイヤルカナンの低分子プロテインもやめたし、シャンプー毎日もやめて3〜4週間に1回のシャンプー&トリミングという普通の生活に戻りました。
食べ物を変えただけで2〜3日で目に見えて分かる変化を目の辺りにし、やはり食べ物は大事だ・・・と、犬を通して再認識したのでした。
なぜなら私たち人間も犬も食べた物で作られているから。
何を食べるかでこんなにも違うことをラブを通して体験しました。
2〜3日で効果が分かるって薬よりもスゴいやん
毎日食べる物だからこそ影響大だと思うのですよ。
蓄積しますからね。
私たちも口に入れるモノには十分注意をしなければならないなぁと思った出来事でした。
この人のブログを読んで、まさしくラブのことだと思ってこの記事を書いたのです
犬も人間も同じです。
食べ物で病気にもなるし、食べ物が治療にもなる。
うちの診療所の入院食で提供している「食べる治療」はまさしく同じ。
どうせ食べるなら治療になるような物を食べたいですね。
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