大阪肛門科診療所では2回目の通院で完治終了し、そのあとは年に1回の「お尻健診」になる患者さんが多いです。
排便の管理がうまくいけば痔が治ってしまうので、患者さんは通って来なくなります。
ところが定期的に通院されている患者さんたちがおられます。
定期的・・・と言っても1か月とか2か月とか、3か月に1回ですけどね。
どのような患者さんかと言いますと・・・肛門の穴が狭い、小さい患者さん達です。
手術の後遺症で狭くなってしまった人や、
切れ痔(裂肛)が悪化して肛門狭窄になってしまった人、
下剤の乱用で水みたいな便を出していたから狭くなってしまった人、
ウォシュレットで肛門を洗い過ぎて狭くなってしまった人・・・
などなど、原因は様々ですが、とにかく肛門が狭くて便が出しにくい、裂けて痛い、手術を勧められているけれど受けたくない、できれば手術せずに何とかしたいという人々です。
コチラの記事に詳しく解説しました
狭くなった肛門を拡げるために治療を受けに通ってもらっています。
何をするのかというと、肛門ブジーという器具を肛門に挿入し、少しずつ拡げていくのです。
挿入した直後は痛いのですが、5分くらいすると痛みが消失します。
ブジーは太さが色々あるのですが、患者さんの肛門の大きさによって使うブジーを変えています。
最初は細いブジーしか入らなかった患者さんでも、回を重ねる毎に太いブジーが入るようになっていきます。
時間をかけてゆっくりと伸ばすのです。
肛門ブジーで拡がったあとに、再度診察をするのですが、その時に肛門が拡がったことが分かるので患者さんが感動されます
「えーっ全然違うー拡がったの、分かりますー」と診察中に喜ばれる患者さんも多いです。
もうね
本当に
フワフワのおしり
になるんですよ
「この状態を次に受診されるときまでキープしてくださいね〜」
と言って肛門マッサージをして診察を終了。
診察の翌日は排便時に痛みや出血があったりしますが、3〜4日もすれば落ち着きます。
そして毎日、肛門マッサージをして拡がった肛門が縮まないようにしてもらっています。
肛門マッサージの方法も診察で具体的に指導しています。
患者さんによって伸ばす方向が違ったりするため、一人一人マッサージも違います。
肛門マッサージを頑張った患者さんは、どんどん肛門が拡がっていくため、次の診察までの間隔をあけていきます。
最初は1か月おきだったのが、2か月おきになり、3か月おきになり、最終的には年に1回のお尻健診になります。
手術しかないかな・・・と思っていたケースでも、見事に拡がって手術を回避できた患者さんも多く、最近は肛門狭窄症の手術が減りました。
手術しなくてもここまで拡がる・・・という経験を、患者さんのオシリを通してさせて頂いております。
それも患者さんたちの涙ぐましい努力のおかげです。
痛くて辛いことをしてるのに、診察の後「ありがとうございました」と言って帰って行かれる患者さんに感謝ですよ。
皆さん、本当によく頑張って耐えて下さいます。
ありがとうございます。
そして日々の生活の中で頑張って治療をされているからこそ、どんどん肛門が拡がっていったのです。
肛門が拡がると便が出しやすくなるようで、スッキリ出るようになったと嬉しそうに報告されます
「あんなに立派な便を久々に見ました」
と言われる患者さんも。
当院でも肛門狭窄症に対して手術治療を積極的にやってきましたが、現在は手術せずに治療しています。
何度も手術を繰り返し受けている患者さんも来られるのですが、何度受けても狭くなるのなら、手術せずに肛門ブジー治療をやるほうが肛門にもやさしいですし、患者さんの負担も少ないです。
手術をせずに治したいと希望される方にはオススメの治療です。
時間はかかりますが手術と同等の、もしくはそれ以上の効果が得られています。
「痔=手術」ではありません。
手術が必要な痔は非常に少ないです。
痔の多くが手術せずに改善出来ます。
そもそも、そんな痔を作った原因である便通や排便習慣を治さなければ痔は何度でも繰り返します。
だから痔の根本治療は痔の原因となった便通を治すこと。
治療の第一歩は正しい排泄から。
1日1花
今日の花は
診療所のセラピードッグ「ラブ」
肛門狭窄症の患者さんが
「犬のウンコよりも細い便しか出ないんです」
と言われます
ラブのウンコ、立派ですもんね
クリックお願いします
患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
コチラ
便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術
私が監修した記事がウートピに掲載されましたので是非お読み下さい。
リモートワークで下痢と痔が続く…してはいけないこととセルフケア法 【大腸肛門病専門医に聞く】