便が出ないから下剤を飲んだ。
でも便が出ない。
よし、それならば下剤の量を増やして飲んでみよう。
ところが翌日になっても便は出ない
さらに増やそう
でも出ない
だけどお腹はパンパンに張ってるし、グルグルいってる
3日目を過ぎると、お腹がパンパン過ぎて食欲も減退。
食べる気がしない。
4日目になるとゲップまで出るようになり、お腹に溜まった便が口から出そうな感じ・・・
どんどん下剤を増やして飲んでるけど、便はチョロっと出ただけで相変わらずお腹はパンパン
アカン
もう限界
と受診された患者さんを診察すると、肛門に便が充満していました。
午前中に内科を受診して浣腸をしてもらったそうですが、出口には便が充満していました。
浣腸をしてもらったけれど、ほんの少ししか便が出なかったそうです。
しかもお腹はまだパンパン・・・
そりゃあそうですよね
1週間もまともに便が出てないのですから・・・
内科の先生からは、さらに下剤を処方され
「もうあと2〜3日、下剤が効くのを待って」
と言われたそうですが、
出口に便が溜まっている感覚があるし、
今まで散々下剤を増やして飲んできたのに全く改善しないから、
これは出口に原因があるに違いない
と思い午後に急遽、私の外来に来られたのでした。
出口にしっかり便が充満しています
それほど硬い便はないのですが、古い便の塊を取り囲むように下剤がよく効いた軟便が存在します。
これ以上、軟便にすると便漏れを起こしそうです。
塊をほぐして浣腸して出して来てもらいました。
内科で浣腸してもらった時よりは、たくさん便が出たと。
でも診察するとまだ大量に便があります。
もう一度、浣腸。
そして排便
それを何度か繰り返します。
浣腸の量も増やしていき、1時間くらいかけてやっと全ての排出が完了
来られた時は服の上から見て分かるくらい、お腹がポッコリだったのが全部便を出し切ったらぺっちゃんこになっています
お腹もへっこみ、胸のつかえも無くなり、命拾いしたと帰って行かれました。
このようなケース、高齢者に多いです。
高齢になると排泄力も落ちてきますし、腸の動きも悪くなります。
腸にも出口にも便が溜まりやすいのです。
ところが「便秘治療=内服薬」が一般的なので、出口の便秘は解消されないままとなります。
残った便は時間が経つと直腸からどんどん吸収されて硬くなり、それが積もり積もると糞詰まり(便栓塞)になります。
糞詰まりになってしまったら、浣腸しても坐剤を入れても便塊に跳ね返されて効果が発揮されないことが少なくありません。
だから直腸診はとても大切。
便が詰まっているのであれば摘便をしてから浣腸や坐剤を使います。
口から飲む薬(下剤など)は「お腹(腸)」には効きますが「出口(直腸や肛門)」には効きません。
これから作られる便には効きますが、既に出来上がって出口付近まで下りてきている便には効きません。
ましてや出し残した「出残り便」には効かないのです。
もう便の製造は終わってますからね・・・
だから便秘の治療を考える時は、どこに便が停滞しているのかを見極める必要があります。
お腹(腸)なのか
出口(直腸・肛門)なのか
その両方なのか
それによって便秘治療が変わってきますからね。
問題は出口で起こっているのに
お腹(腸)に効く薬を飲んでいる人が本当に多いです。
便が出ない時は
どこに便が溜まっているのか
まずは自分の体でよく感じてみましょう。
まずは出口の排泄は大丈夫なのかを確かめましょう。
出口が詰まっていては
奥から運ばれてきた便をちゃんと出せませんから。
だから
いつも出口は空っぽにして
開放してあげましょう。
そこが詰まっていたら
腸が動いても渋滞を起こしてしまいます。
大量に下剤を飲んだのに全然便が出ないのは、
下剤が効いていないのではなく
出口で詰まっている可能性もあります。
だからまずは出口をチェックしてもらって下さいね。
1日1花
今日の花は
紫のキレイなバラです。
紫のバラというと「ガラスの仮面」しか思い浮かばない私
診療所のセラピードッグ「ラブ」
やっとドッグランに行けるね
どうか晴れますように
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患者さんのリクエストで復活させた
化粧品と発酵素するりの記事は
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