私は出残り便秘でしょうか?というご相談について | みのり先生の診察室

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肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

診療所の問い合わせフォームに届いた便秘に関するご相談にブログでお答えしたいと思います。

 

たくさん溜まっておりまして・・・あせる

 

皆さんのお役に立てそうな内容に関してはブログで回答していきますのでご了承くださいお願い

 

きっと同じような悩みを持っている人がたくさんいるでしょうから。

 

実際に、このような悩みを持った人が受診されています。

 

ご相談メールです下差し

 

 

初めまして。
出残り便秘について

3年くらい前から時々便秘はあったものの下剤を飲んで改善はしていました。

酷くなったのは1年前からの残便感から始まりました。

肛門科へ初めて受診し薬を3度変えました。

大腸検査も7月にしましたが異常なしでした。

今はグーフィスという薬を飲んでいて出なかったらピコスルファートを飲んでと言われ医者になげられた感じです。

「便が出ても便が残る」で検索したら副院長の文章に目がいきました。

私の症状に似てると。

グーフィスを飲んで便は出ても全部出し切れずスッキリしません。


残っているのがわかります。

 

そのまま時間が過ぎて苦痛になり浣腸はしてもまた全部出ません。
 

下剤を飲んで朝出たとしても最後は硬い便が残ります。

常にうんちが直腸あたりにある感じです。

1日何回もトイレに行って便がでてもまた残ります。

これって出残り便秘っていうんですよね?


排便困難型の便秘にもなりますか?

いつもいつも直腸に便がありイライラする日々です。

改善方法はあるのでしょうか?

 

 

結論から申し上げると、出残り便秘であるかどうかは診察をしないと分かりませんあせる

 

出残り便秘である可能性は高いですが、こればかりは診察してみないと診断出来ないです汗

 

また治療についても、便を出す坐剤を使ってもらうのですが、使い方も、使う個数も、入れるタイミングも、患者さんお一人お一人違うのです。

 

これを使ったらいいよ

 

で治療は終われない現実があります。

 

 

大腸内視鏡検査で異常なし

 

様々な下剤を飲んでも改善せず

 

ということは

 

大腸には問題がない

 

と捉えられます。

 

 

便が停滞しているのは腸ではなく、出口(直腸や肛門)なのでしょう。

 

下剤をはじめ食物線維や乳酸菌など、便秘に良かれと口にするモノは全て「おなか(腸)」に効きます。

 

出口(肛門)には効きません。

 

これから作られる便には効きますが、既に出来上がって出口(肛門)のところまで降りてきている便には効かないのです。

 

だから下剤を飲んでも出口だけはスッキリしないのでしょう。

 

そして私が気になったのは、「最後は硬い便が残る」という部分です。

 

通常は残便はやわらかいです。

 

なぜなら出始めの硬い便昨日の出残り便で、そのあとから出てくる便は今日の出来たてホヤホヤの便だからです。

 

実際に患者さんを診察すると出残り便はやわらかいです。

 

軟便であることが多いです。

 

出残り便が硬いという場合、次の2つのことが考えられます。

 

1.排便後かなり時間が経って出残り便が固まってしまった

 

2.数日前の便が出し切れずに残って雪だるま式に溜まっている

 

 

1の場合は、その日のうちに出し切れば翌日は大丈夫です。

 

その日の便はその日のうちに

宵越しの便は持たないで

 

といつも患者さんにアドバイスしていますが、一晩寝かせて熟成させた便は古くなって硬くなり、色も黒っぽく、そしてクサイですゲロー

 

便は出来たてホヤホヤで出しましょうねうんち

 

 

2の場合は糞詰まり(便栓塞)になっているケースも多く、摘便が必要だったり、何度も坐剤や浣腸で溜まっている便を出し切ってもらうことがあります。

 

詰まってしまったら坐剤を入れても浣腸をしても便が出ないことも多いです。

 

そうなる前に使ってほしいのですが、浣腸は初めて行う場合は必ず医療機関でやってもらってください。

 

その理由は2つ。

 

1つ目は迷走神経反射で気分が悪くなったり、最悪の場合、血圧低下で倒れたりする人がいるからです。

 

もう一つは浣腸の誤った使用方法により直腸穿孔を起こすことがあるからです。

 

このことについては詳しい記事を書きました。

 

自分で浣腸をされている方には必ず呼んで欲しい記事です下差し

 

浣腸の医療事故は何故起こるのか?

 

 

そして一番大切なことは

 

そもそも坐剤や浣腸が必要な状態であるかどうかの診断です。

 

 

医療は占いではないので、メール相談や電話相談では診断出来ませんあせる

 

診察という医療行為があって初めて、正確で的確な診断が存在します。

 

そこを抜きにして治療法だけ知ったところで、その治療法が今の自分の症状を治してくれるものであるかどうかは分かりません。

 

それどころか、診察を受けに来られても、その患者さんの症状を治す治療を提案出来る確率ですら100%ではありません。

 

色々やってみて、トライアンドエラーを繰り返しながら、その患者さんに合った排便管理を一緒に模索して辿り着くことだってたくさんあります。

 

○○を使えば便秘が治る

 

とか

 

××をすればスッキリ出る

 

などというキャッチフレーズを目にすることもありますが、それが万人に当てはまるわけではありません。

 

100人患者さんがいたら

100通りの排便管理がある

 

と思ってください。

 

改善方法を患者さんと一緒に見つける

 

そんな診察をしています。

 

一発で見つかることもあるし、何度も何度も試してみて、こうすれば快適に日常生活が送れるという方法が見つかったという患者さんもいます。

 

改善方法は・・・私はあると思っています。

 

遠方だから受診が難しい・・・とメールで返信をされる方もおられますが、沖縄や北海道から飛行機で通ってこられる患者さんも結構おられます。

 

排便管理方法が決まったあとは、年に1回のお尻健診。

 

これも来る来ないは患者さんの自由意思。

 

でも遠方の患者さんに限って毎年必ず来られています。

 

しかも年に1回会えるのを楽しみに来て下さる方が多く、私もとても嬉しいです照れ

 

参考になったかどうか分かりませんが、出残り便秘についてはHPのコラムにイラスト付きで解説記事を書いています下差し

 

出残り便秘・鈍感便秘〜その残便感は便秘かもしれない〜

 

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患者さんのリクエストで復活させた

化粧品と発酵素するりの記事は

コチラ下差し

 

便通・腸を整えて美肌を目指す 元皮膚科・現役肛門科の女医が教えるキレイ術