患者さんが書いた手術治療ブログ | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

ネット上に溢れる様々な痔の治療体験記。

 

それを読んだら壮絶痛そうで、痔の手術を受けるのが怖くなったガーン

 

という人も多いでしょう。

 

 

私の外来に来られる患者さんの多くがそうです。

 

 

診察室で患者さんに必ず

 

「それって、うちの診療所で手術を受けた患者さんが書いたものなの?」

 

って聞きます。

 

 

答えは決まって皆さん同じ。

 

「いえ、違います。どこの病院だったか・・・。先生も分からないし・・・。」

 

体験記の中には具体的に病院名と医師名を記載してあるものもありますが、多くはどこの医療機関で、誰に手術を受けたのか不明です。

 

 

 

治療体験記を読むときの注意点は2つ

 

  1. なんの痔なのか?
  2. どこの医療機関で誰から手術を受けたのか?
 
この2点だけは必ず確認して欲しいです。
 
 
いぼ痔(痔核・脱肛)と痔瘻とでは全く病気が違いますし、手術も術後経過も随分変わってきます。
 
 
確認しようとしても医療機関や医師名は記載されていないことも多いですけどねあせる
 
 
だったら
 
あなたが手術を受けようと思っている肛門科の手術体験記を探してみましょう。
 
 
ネット上で見つけられなかったら、クリニックに置いてある患者さんの体験記などを読ませてもらうと良いでしょう。
 
 
うちの診療所もそうですが、患者さんが書かれた感想や体験談、アンケート用紙を待合室に置いているクリニックも結構あるようですから尋ねてみると良いでしょう。
 
 
そうしないと、何も参考に出来ません。
 
 
なぜなら
 
クリニックによって、
医師によって、
 
麻酔、手術方法、術後の通院、完治までの期間、投薬などなど、本当に全然違うことが多いからです。
 
 
入院か日帰りかでも随分違いますしね。
 
 
またうちの診療所のように自由診療の肛門科では手術料金も事前に確かめましょう。
 
 
手術料金が安いと思って受けたのに、術後毎日通院で、通院費も含めたらすごい金額になってしまった・・・ガーン
 
なんてことにならないよう、手術代、麻酔代、通院費、薬代など、具体的に尋ねると良いでしょう。
 
 
うちの診療所のように「全部まとめていくら」ってしている施設もあるでしょうし、細かく加算されていく形式のところもあるでしょうから、「トータルでいくらかかるのか?」ということを確かめてくださいねウインク
 
 
うちの診療所の場合、入院手術と日帰り手術がありますが、手術方法も違えば、術後の経過も大きく違います。
 
 
例えば「いぼ痔(痔核・脱肛)」の場合だと以下のような違いがあります下矢印
 
 
【日帰り手術】
術式:分離結紮術
麻酔:局所麻酔
完治まで:約2か月
通院:週に1回(手術直後のみ3日以内に一度診察あり)
 
【入院手術】
術式:半閉鎖式結紮切除術(LE)
麻酔:局所麻酔もしくは腰椎麻酔
完治まで:約1か月
入院期間:5泊6日
通院:退院後は週に1回
 
 
手術方法が全然違うのです。
 
だから術後の痛みも完治までの期間も変わって当然。
 
また完治までの期間も個人差があります。
 
日帰り手術だったけど1か月で治っちゃった・・・というケースもありますし、入院手術だったのに3か月かかっちゃった・・・ということもあります。
 
 
7月入院の患者さん達は何故か全員、術後3週目に完治終了となりましたが、同じ日に手術を受けても完治までの期間は人それぞれです。
 
 
でもほとんどのケースが上記の期間で完治終了するため、このように説明しています。
 
 
5泊6日入院しないといけないけれど、入院手術のほうが治るのが速いし、術後の通院も日帰り手術の半分の回数ですみます。
 
 
痛みが少ないため薬の量も半分くらいかな。
 
 
入院手術を受けられた患者さんの多くが痛み止めをほとんど飲まれません。
 
 
手術翌日から笑顔で外出されています。
 
 
昼間は病室に誰も居ない・・・なんてこともありました滝汗
 
 
だから入院か日帰りか迷っている人には、
 
「絶対に痛いのイヤ!」って言うなら入院がいいですよウインク
 
 
って説明しています。
 
 
だって日帰り手術は痛いですもん滝汗
 
 
でもね
 
痛いって言っても、仕事を休めない人が日帰り手術になっていることが多いので、皆さん、仕事に行ってますよチョキ
 
 
しかも職場には痔で手術を受けたことを内緒にしているため、痛いそぶりも出来ません滝汗
 
 
皆さん、バレずに普通に仕事をされていますニコニコ
 
 
ブログ村ランキングに参加しているのですが、そこにランクインしている手術体験記を読むと確かに本当に痛そうですよね汗汗
 
 
入院してるのに術後10日目に、なんでこんなに痛がってるんだろう・・・?
 
それ以前に
 
10日も入院??
 
と私が読んでも疑問に感じることが多いです。
 
 
痔の手術・・・と言っても、脱肛なのか痔瘻なのかによっても違いますし、一概に「痔の治療体験記」とひとくくりにすることに無理があります。
 
 
だからネット上に溢れている手術体験記は注意して読んで下さいね。
 
 
そもそも他人の症状に自分を重ねても、その通りにいくとは限らないし、一人一人カラダだってお尻だって違うわけだから、同じ病気でも、同じ術式でも、同じ経過を辿りません。
 
 
手術も人生も他人と比較しないウインク
 
 
所詮、人は人です。
 
比べたって誰も幸せになりません。
 
 
だけど参考にすることは出来るはず。
 
同じ情報を読んでも比較するか、参考にするかで随分意味が違ってきますので、せっかくご自身が受けられた手術体験を赤裸々に綴っておられる人のものも、自分と重ねずに読んでみて下さい。
 
 
そして前置きが長くなりましたが・・・滝汗
(なんや、前置きやったんか・・・と突っ込まないでお願い
 
 
大阪肛門科診療所で日帰り手術を受けられた患者さんが、手術記録をブログに綴られたのでご紹介致します。
 
この患者さんは男性。
 
院長の日帰り手術を受けられました。
 
私も一緒に手術に入りましたが、結構すんごい立派な脱肛でした滝汗
 
 
日帰り手術だから術後2週間くらいは結構痛いんですが、あまり痛みもなく経過順調・・・と思っていたら・・・
 
完治するはずの2か月たっても傷がまだ治らない・・・汗
 
経過は良いのに、あとちょっとのところでかなり足踏み状態が続きまして・・・あせる
 
 
なんと、4か月半もかかって、やっと治ったんです笑い泣き
 
 
私の知る限りでは最高記録ですねぇあせる
(そんな記録いらんって)
 
 
普通ね、こんなに治らずに通院が続くと患者さんも不安になったり、医師に対して不信感を持ったりして、他の病院へ乗り換える人もいると思うんですよ汗
 
 
実際、うちの診療所には、他所で手術を受けたけれど一向に痔が治らないというセカンドオピニオンの患者さんもたくさん来られていますから、患者さんの気持ちを考えると無理もないと思うわけです。
 
 
だけど、この患者さんは全くそんな気配もなく、最後まで信じて付いてきて下さったんです。
 
 
本当に感謝です笑い泣き
 
 
しかも、経過が長かったにもかかわらず治療体験をブログにされるなんて・・・
 
 
すごく文章がお上手で分かりやすいので、うちの患者さん達で日帰り手術を検討されている人に参考に読んでもらってもいいかどうか尋ねたところ、是非にと快諾して下さいました。
 
 
でも、注意点が1つあると。
 
 
「本来なら2か月で完治終了するところ、こんなに長くなってしまったボクの体験記が出回ると、日帰り手術は治るのに4か月以上もかかるものなんだと誤解を受ける可能性があるということです。
 
その部分に関してはボクのブログにも注意点として強調して書いていますが、ネットで痔の治療体験記を読む人は、記事のつまみ食いをしている人も多く、ちゃんと読んでもらえなかった場合、診療所に不利益になることがあるので心配です。」
 
 
と、私たちの心配をしてくださったんです笑い泣き
 
 
なんという配慮・・・
 
 
もう感激して涙が出そうになりました。
 
 
いえいえ。
経過が長くなってしまったのはこちらの責任。
 
なのに嫌な顔一つされずに最後まで私たちを信じ付いてきて下さったことに改めてお礼申し上げますお願い
 
 
本当に本当に・・・
 
ありがとうございました!!
 
 
こんな患者さんに恵まれて私たちは幸せです。
 
 
リンクを貼ることも承諾を得ましたので紹介させて頂きますね下矢印
 
 
 
 
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