ホワイトヘッド肛門による便失禁についての記事 | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

今日の記事は診療所の公式ブログに2018年5月10日にアップしたものを加筆修正しリライトしてお届けします。

 

私の取材記事がマキノ出版の「安心」という健康雑誌に掲載されたのですが、このような記事もSEO的にダメなようでガーン

 

だからアメブロに残すことにしました。

 

 

 

今回の内容は読者の方からの相談に答える形での取材でした。

 

相談内容はホワイトヘッド肛門にまつわる便の悩みです。 

 

 

 是非、購入して読んで下さい💕

 

100ページに掲載されています!

 

ホワイトヘッド肛門とはホワイトヘッド手術によって出来上がった肛門のことを言うのですが、後遺症が色々と発生したため現在では行われていない手術です。

 

「やっていはいけない手術」とも言われています。

 

でもこの手術、昔は標準的に世界各地で行われていたんですよ。。。

 

ホワイトヘッド手術に関する記事を昔、院長がアメブロで書いています↓

是非読んで下さい↓

 

ホワイトヘッド手術について

 

 

切りすぎた肛門は元に戻せない

ホワイトヘッド手術に限らず、現在、標準術式となっている結紮切除術(私たちは「LE」と呼んでいます)でも、不適切な手術を行うと、ホワイトヘッド手術と同じように「使い勝手の悪い肛門」を作ってしまいます。
 
手術で痔核(いぼ痔)という病変を取り除けばいいというものではなく、肛門の機能を温存し、ちゃんと患者さんが排便しやすいように肛門を修理しなければなりません。
 
当然、手術は誰がやっても同じではありません。
 
そこは医師によって技術がまちまちであることは誰でも容易に想像できると思います。
 
 
だから「結紮切除術だから安全、安心」というわけではないのです。
 
○○法が良い ○○術式はダメだ という話ではありません。
 
安全な手術があるわけではなく、安全に行う術者の技術が必要なので、誰がどのように手術をするかで結果は自ずと違ったものになってくるわけです。
 
だから肛門の手術は専門にしている医師に受けて欲しい。
 
専門外の医師による治療のトラブルをたくさん診ている私は声を大にして言いたい。
 
専門かどうかは学会専門医の資格の有無ではなく医師の経歴を見て下さい。
 
肛門専門施設でのトレーニングを受けている医師を選んで下さい。
 
大阪肛門科診療所ホームページの「痔と便秘のコラム」の中に「肛門科専門医の選び方」についての記事をアップしますので参考にお読み下さい。
 
まじめに良心的に肛門を専門にやっている先生ほど、手術、手術って言わないものです。
 
 
手術でしか患者さんの苦痛を取り除けない痔は多くないです。
 
痔の多くは切らなくても良くなります。
 
だから手術と言われてもその場でスグに決めずに、セカンドオピニオンで他の先生の意見も聞いてみましょう。
 
全然違う診断と治療の提案があるかもしれません。
 
とにかく1軒の肛門科(と書いている施設)で決めないことです。
 

出残り便秘の治療で便漏れが良くなることがあります

当院には便漏れの症状で悩む患者さんもたくさん来られています。

 

肛門の手術の後遺症でしまりが悪くなってしまったり、逆に狭くて便が出しにくい、だけど伸縮性が無いから便が漏れてしまう・・・という症状で悩んでいる人も多いです。

 

そのような患者さんを診察すると肛門や直腸に便が残っていたり溜まっていることが多く、坐薬を使って便を出してもらうと、下着に便が付かなくなったり、臭いが気にならなくなるといった嬉しい結果が得られることをたくさん経験しました。

 

院長の診察を受けられた60代の女性患者さん。

 

なんと35年間もホワイトヘッド肛門による便漏れで悩んでおられたそうです。

 

 

毎日、悩みと不安で悶々としておられました。

 

下着に便が付く、下着が便で汚れる症状がずっと続いていたため人工肛門を覚悟して受診されたようです。

 

手術によって肛門括約筋は切断されて大切な部分が失われている状態・・・。

 

確かにしまりはゆるいので便が漏れてしまうのも仕方ありません。

 

でも、スッキリ排泄して出口に便がない状態を作れば、たとえしまりがゆるくても漏れないのではないか? と考え出口の便秘の治療をして頂いたところ・・・ 全く下着が汚れなくなったと!

 

今まで不安で夜も眠れなかったのに睡眠の質も良くなり、快眠、快便、快食の幸せな毎日だと大変喜んで帰られました。      

 

 

35年間・・・私たちには想像も出来ないほどつらい年月だったと思われます。

 

肛門は死ぬまで一生、毎日使う大切な部位。

 

 

ここに何か重大なトラブルが起こると人生まで暗くなってしまいます。

 

 

そんな患者さんをたくさん見てきました。

 

 

手術によって切りすぎた肛門を元に戻すことは出来ないけれど、排便をコントロールすることで生活に支障を来さないようにすることも出来るかもしれません。

 

もちろんやってみないと分からない。

 

みんなに合う治療法なんてない。

 

一人一人の患者さんの話をよく聞いて、その人の生活や人生に合った方法を一緒に模索していく作業が私たちの診療だと思っています。    

 

 

患者さんによっては治療に慣れるのに時間がかかる人もいます。

 

本当に人それぞれ違うんです。

 

残念ながら私たちの治療が合わない患者さんもおられるでしょう。

 

 

同じ坐剤でも使う量やタイミングは患者さんによって違うので、100人居たら100通りの治療があると言ってもいいかもしれません。

 

 

スグに結果が出る人、なかなか結果が出ない人、これも色々ですが、私たちは少しでも患者さんが快適に生活出来るよう、お尻のことを忘れられるよう、最善を尽くしたいと思って診療にあたっています。

 

 

とても楽しく気持ちのいいマキノ出版「安心」の取材

色々なところから取材を受けたり原稿をチェックしたりしていますが、マキノ出版の中村さんと成田さんは一緒に仕事をさせて頂いて本当に楽しく気持ちの良い方々です。

 

 

取材の日が楽しみなくらい😅

 

伝えたいことが山ほどあって、伝えたい気持ちが人一倍(一倍ですまんやろ?!)強い私は、ついついアツく語ってしまいがちで、取材時間もいつも大幅にオーバーしてしまいます💦

 

今回も話が大きく脱線し、時間もオーバーしてしまいましたが、私のとりとめのない話を本当に上手に、私が乗り移ったか?というくらい、適切な分かりやすい表現でまとめて下さるんです✨

 

しっかりと私の「思い」や「感情」を受け止めて、それを冷静に文章に落とし込んで下さる成田さんは「巫女ライター」と呼ばれるだけのことはあると思いましたね✨

 

本当に感謝です。

 

 

取材を受けて私の方まで、すがすがしい気持ちにさせてくれる成田さんと中村さんに、この場を借りてお礼申し上げます💕

 

ありがとうございました!

 

診療所のセラピードッグ「ラブ」🐾

犬のようちえんでトレーニング♪

すごく得意気です😅

取材の間もずっと一緒にいるラブの

お行儀の良さに 多くの人がビックリされます

 

クリックお願いしますお願い

にほんブログ村 病気ブログ 痔(ぢ)へ
にほんブログ村