見張りイボを取ったらおなかの調子が良くなる?! | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

大阪肛門科診療所は自由診療です。

保険が効きません。


保険診療に比べると

治療費が高いです。


だから・・・

と言うわけではないのでしょうが

セカンドオピニオンの患者さんが

大多数を占めます。


北海道や九州、関東地方など

遠方から来られる方も多いです。



色々な肛門科を転々として

最後の砦だと思って

困り果ててから

受診される患者さんも多いです。


以前のブログにも何度も書いていますが

一番多い相談が


手術って言われたんですけど・・・なきがお


っていうもの。



その相談の裏には

患者心理として


出来れば手術なんて受けたくないむっ


という気持ちがあります。


だから

手術なんて必要ないですよ


と言うと

泣き崩れる患者さんも大勢います。



号泣される患者さんもいます。うわーん


それくらい

手術宣告は

患者さんにとったら

ショックなんですね。。。



先日来られた若い女性患者さん。


セカンドオピニオンであることは

問診票から分かりましたが

私はわざわざ

前の肛門科でどんな診察を受けたのか

どんな診断を受けたのか

尋ねることはしません。


患者さんが言いたければ言うだろうし

中には言いたくない人も多いので

あまり突っ込んでで訊いたりしないです。



その女性患者さんは

切れ痔(裂肛)見張りイボだったのですが

決して硬い便が出てるわけでも

便秘がひどいわけでもありませんでした。



むしろ

下痢気味で

1日に10回くらい便が出たり

お腹が痛くなったりという症状でした。



診察しても今は大した切れ痔もありません。


ただ赤く腫れ上がった見張りイボ

たくさんありました。


また肛門鏡で診察すると

直腸の粘膜が赤くむくんでいて

少し出血もあります。


ちょっと普通の裂肛とは違います。


このような場合

腸の病気を疑わなければなりません。


クローン病潰瘍性大腸炎などの病気です。


肛門科では見落としてはならない疾患です。



おなかの症状よりも先に

肛門の症状が出ることもあり

胃腸科や内科よりも

肛門科で発見されることも結構あるんです。


うちの診療所で初めて

クローン病や潰瘍性大腸炎の

診断がついたケースも

今までたくさんあります。


私たちは大腸内視鏡検査をやっていないので

専門の先生に紹介しています。


ちゃんと技術もあって

潰瘍性大腸炎やクローン病に精通した先生にかかってもらいます。


でないと

ちゃんと診断してくれないこともあるから。



その患者さんには

内視鏡検査をすすめました。


その出血はオシリからじゃなくて腸から出ているかもしれないこと

もし腸の病気があれば、そっちを治さないと肛門の症状も良くならないこと



とお伝えしました。


帰り際に言われました。


実は前の肛門科で
手術して見張りイボを取れば、
おなかの調子も良くなるって言われたんです・・・



え???


おかしいなぁ・・・って思って
ここに来たんです。



・・・


こんなでっぱり切除しても
おなかの調子が良くなるなんて
ありえないって思ったんですよ・・・



そうですね・・・
それ取っても
お腹の調子は変わらないと思いますよやる気なし



ここに来て良かったです。
ありがとうございました。



と苦笑いしながら帰って行かれました苦笑



見張りイボを取っても

便通は変わりません。




イボ痔を切除しても

便秘は直りません。




「オシリ」と「おなか」

つながってますけど

分けて考えて下さいね。


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