「手術は祈りです」 | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

アウトプット倉橋道場の受講生仲間

高井ますみさんのブログの記事

「2015夢を叶えるバックアップランチ会に参加して」

を読んで、「祈り」の大切さを改めて感じました。

私たちの師匠が随分昔に

「手術は祈りですよ」

と教えてくれました。

師匠も若い頃、外科の教授から言われたそうです。

「ワシらは精一杯自分の出来ること、やるべきこと(手術)をやって、あとは神さんにお任せするだけや」

と。

「ワシらのやってることは患者のオシリを傷付けてるだけ、その傷を治すのは患者自身や。」

とも言われました。

そう言われたから・・・というワケではありませんが

私たちはいつも手術が終わった時に

「どうか痛みませんように。どうかちゃんと治りますように。」ってお祈りするんです。

変な意味じゃないですよえへへ…

別に宗教がかったことをやってるわけでもないですよ汗

「よっしゃ~!手術終わった~!どうかちゃんと治りますように!痛みませんように!」と、明るく言ってることが多いです(*^_^*)

心の中でつぶやいていることもあります。

とにかく祈ってますしあわせ~

だから・・・というワケではないと思いますが

うちの患者さんは術後、あまり痛がりません。

入院患者さんなんて、本当にお元気です。

日帰り手術の患者さんだって、お仕事に行ってます。

全く痛みがないわけじゃないですが、

動けない

とか

座れない

とか

仕事を何日も休まなければならない

とか、ないです(^_^)v

痛みって「感じる」ものなので

精神的なことでも大きく違うと思うんです。

だから私たち医療者は「手術」という「医療行為」を提供するだけでなく、患者さんの「気持ち」「心」に寄り添うことも必要なのかなと思っています。

患者さんのことを心配して声をかけたり

ささいなことでも話を聴いたり

入院中のお食事もこだわったり

音楽を提供したり

一緒にエクササイズをやったり

手をかけ時間をかけ「一手間」を惜しまないようにしています。

そんなことが出来るのも

うちの診療所が自由診療だからだと思います。

保険診療だと、たくさんの患者さんを短時間で診ないといけないので、一人一人の患者さんとゆっくり接することが難しいです。

それをやってたら業務が終わらないですから。

保険診療の先生にそれを求めるのは酷だと思います。

私たちは保険診療とは違う医療を提供しているのだという意識で診療をやっています。

「保険で出来ること」をわざわざ自費でやっているのではなく

「保険で出来ないこと」を自費でやっています。

それが私たちの「強み」であり「価値」でもあると思っているのですが、

それに大して「価値を感じるかどうか」は患者さんによって違うと思います。

どっちがいいか

とか

どっちが優れてるか

とかではなく

あなたはどの医療を選ぶのか

が大切です。

医師一人一人によって提供する医療が違うのですから。

それは保険診療でも同じだと思います。

保険診療の先生でも患者さんのために祈っている先生はたくさんいると思います。

私も医師として、一人の人間として

患者さんのために祈りたいし

いつも患者さんの心配をしていたいです。

そしてその気持ちは治療にプラスに働くと信じています。

エビデンスがあるわけでもないし

科学的な根拠はありません。

でも医療は人が人に対して行うものなので

気持ちやココロはとても大切だと思っています。

高井ますみさんのブログを読んで

色々と感じたことを書いてみました(*^_^*)

blog430

診療所のセラピードッグ「ラブ」
後ろに居るのがラブですらぶ
ラブも患者さんのために
いつも祈ってるよねしっぽフリフリ