見張りイボ、切ってもまたできますよ | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

昨日のブログ「イボ痔(痔核・脱肛)」と勘違いしている人が多い「見張りイボ」の話を書きました。

これはイボ痔じゃなくて皮膚の突起物なので、手術の必要はありません。

でも、見た目を気にして手術を希望される若い女性が多いです。

もちろん、切除すればキレイに無くなりますよ。

でもね・・・

切れ痔を治さずに、デキモノだけ切除しても、また何度でも出来ますよ^_^;

意味分かりますか?

手術して「痔にならない肛門」を作ることはできないんです。

「切れない肛門」も作れないんです。

だから、また切れ痔を繰り返せば何度でも見張りイボは出来てしまいます。

セカンドオピニオンで来られる若い女性の中に、何度も何度も痔の手術を受けている人がいます。

何度切っても痔が出来るから、
出来るたびに手術して取ってもらっていた


と言われるのですが、診察するとイボ痔(痔核・脱肛)ではなく裂肛(切れ痔)でした。

デキモノだけを気にされているので、「痔」と言っても、何の痔か知らない人も多いですね^_^;

ほとんどの人が「イボ痔(痔核・脱肛)」だと思い込んでました^_^;

先生からも「痔」と言われ、ちゃんとした病気の説明を受けておられません。

イボ痔じゃなくて切れ痔ですよ
切れ痔のせいで出来た皮膚の突起物です


と説明するとビックリされることもしばしば^_^;

ずっとイボ痔だと思ってました

とか

自分はイボ痔が出来やすい体質なんだと思ってました

とか

イボ痔が痛いんだと思ってました

って言われます。

でも、イボ痔じゃなくて切れ痔!

何度も手術を受けてるのに、中を診察すると大きな裂肛(切れ痔)と、その奥に大きな肛門ポリープまであります(;。;)

これじゃあ、治らないよね・・・(-_-;)

だって、外側にある皮膚の突起物だけ切除して、中を全然、治療してないんですから(-_-;)

blog213

診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬の肛門鏡はないですね・・・
あったとしても嫌がるだろうなあ(-_-;)



肛門の中の状況は肛門鏡という診察器具を挿入して観察しないと分かりません。

でも、中は診察してもらってない・・・という人も結構多いです(;。;)

外だけ治してもダメなんですよ。

ちゃんと中も治さなければ完治しません。

だから切っても切っても、また出てきたんです(;。;)

それにね・・・

一番大切なのは切れ痔を作った便通を直すことなんです。

そこを治さずに出来てしまった見張りイボや肛門ポリープを取り除いても、また切れ痔を繰り返せば同じ結果が生まれます。

だから本当の根本治療は手術じゃないんです。

痔になった原因である便通を直すことなんです。

せっかく手術してキレイにしても、またデキモノが出来ちゃいます。

二度と作らないよう、しっかりと便通の管理が出来てから切除しても手遅れになりません。

だから私の外来では手術が必要な人も便通を直すことが先です。

手術はそのあとです(*^_^*)

便通が整ってから手術を考えてもらいます。

その方が術後の傷の管理も楽ですし、痛みも少ないです。

傷の治りもいいですし、何よりも患者さん自身が快適です。

そう。

治療の第一歩は正しい排泄からです。

何が正しいのかは患者さんによって異なります。

あなたのオシリにとって正しければOKなんです(*^_^*)




ちゃんと便通を直さなければ

見張りイボは切ってもまた出来ますよ。

また外だけ治してもダメですよ。

ちゃんと中も見てもらって下さいね。

肛門鏡を扱わない肛門科医はいないと思います。

ちゃんと肛門科の先生に診てもらって下さいね(*^_^*)