切られるのが怖くて肛門科へ行けない?! | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

私が個人的に時々お世話になる「足もみ」

日本若石リフレクソロジー

そこの先生から聞きました。

結構、痔で悩んでる女性が多いって。

でも怖くて肛門科へ行けないそうです。

どうして?

肛門科って行ったらすぐに切られるから・・・

なんですって(;。;)

だからつらくても薬局で買ったお薬を使って我慢するそうです(;。;)

以前のブログでも書きましたが「痔=手術」じゃありません。

手術が必要なケースは非常に少ないです。

うちの診療所だと手術率は5%以下です。

それに「今すぐ」必要な手術ってそんなにないですよ。

痔は良性疾患ですから放置しても死にません。

緊急性はないわけです。

だから手術が必要な状態であったとしても、

手術をするかどうかはゆっくり考えても手遅れになりません。

何も診察に行ったその日に、その場で決めなくてもいいんですよ。

手術する前に、様子をみてもいいんです。

様子をみて良くなるようだったら手術を見合わせてもいいんです。

それにね・・・

手術をするかどうかはあなたが決めるんです。

医者が決めるんじゃない。

もしもあなたの気持ちを聞いてくれないような先生なら、やめたほうがいいです。

誰のための医療か分からないですから。

ちゃんとご自分の気持ちを伝えていいんです。

ご自分の希望を言っていいんです。

だって他でもない「自分の体のこと」でしょう?

人のいいなりになる必要はありません。

blog105

診療所のセラピードッグ「ラブ」
しゃべりながらの躾は避けて下さい。
下位が上位にしゃべる、と犬は判断しています。
小さな声で1回の号令で服従するようにします。
声が大きければ大きいほど、
犬にとって声援のように聞こえます。
(日本アニマルセラピー協会)



診察して、その場で患者さんに何の説明もせず、患者さんの承諾も取らずに「切りますね」と言って切るようなことは普通はしません。

相手に考えるスキを与えずにすぐに決断させて実行するなんて、まるで悪徳詐欺業者みたいじゃないですか^_^;

その方がハッキリ言って儲かりますからね^_^;

切らずに治すよりも、切って治す方が儲かります。

何もせず切らずに帰すよりも、何か処置をして帰す方が処置代が取れます。

でもそれって患者さんのためじゃなくて誰のため?何のため?

あとで冷静になって考えれば分かることも、その場ではショックでパニック状態になってますから、正常な判断が出来ないかもしれません。

ですが、その場で決めないことです。

それが大切です。

あとで決めてもいいんです。

どこの肛門科に行くかで、診断が随分違うことも多いです。

何も一つの施設で決めなくてもいいんです。

いくつか肛門科を受診してみて、比べてもいいんです。

たくさん違う意見を聞かされて混乱して迷うかもしれません。

それでもいいです。

迷って下さい。

悩んで下さい。

大切な体のことです。

一生、排泄で使う場所のことです。

取り返しの付かないことになる前に、後悔しないように、とことん考えて決めて下さいね。

でもね・・・

良心的な先生は「今スグ」「その場で」切らないと思いますよ。

ちゃんと説明してくれると思いますよ。

患者さんの承諾を取ると思いますよ。


だから怖がらずにいい施設、いい先生を選んで受診して下さい。

きっとあなたの近くにもいるはずですから。