そのかゆみ、薬のせいじゃないですか? | みのり先生の診察室

みのり先生の診察室

5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

「痔」って一つの病気じゃないということは、以前のブログにも書きました。

痔には主に3つありましたよね?

痔核(イボ痔)、裂肛(切れ痔)、痔瘻(穴痔)です。

どれも痔ですが、全く別の病気だと思ってください。

原因も違えば治療も違うんです。

だけど、薬局や通販で売られている痔の薬はどれも一緒(-_-;)

座薬や注入軟膏など肛門の中に入れるタイプのものと、手にとって外に塗るタイプのものがあります。

私の痔にはどれを使ったらいいんだろう・・・って悩んだ末に、多くの人が使うのが外に塗るタイプ。

中に病変があるのに外に塗っても効きません^_^;

時々、中に注入するタイプの注入軟膏を、わざわざ肛門周囲の皮膚に塗っている人も見かけます^_^;

効果が無いだけならまだいいのですが、かぶれている人も多いんです(>_<)

肛門周囲の皮膚が赤くなってかゆみを引き起こしてたり、ひどいかぶれになると、ただれたようになって、かゆみを通り越してヒリヒリ痛くなったり、皮がむけて水がしみたり、ベタベタしたりと、すごいオシリになってる人も(;。;)

私が元皮膚科医という経歴を持っているからか、私の外来にはかゆみを訴えて来られる人が結構多いんです。

「肛門そう痒症」の人が大半ですが、痔の軟膏でかぶれている人も多いです。


そう言えば、この薬を塗ってからかゆくなった・・・

薬を塗ったら余計に痛みがひどくなった・・・

通販の相談窓口に問い合わせたら「毒が出ているから出し切るまで継続してください。毒が出きったら良くなります。」と言われ、頑張ってずっと続けているけど、どんどんひどくなってきた・・・


と言われる患者さんのオシリを見ると悲惨な状況・・・(;。;)

お猿さんのオシリみたいに真っ赤なんです(>_<)

これじゃあ、痛いよね・・・(T_T)


でも、ご本人にしたら必死なんです。

だって「毒を出している」と信じて頑張って塗ってるわけですから。

うーん・・・
「毒」って何だ???
医学的じゃないなあ・・・
私からすれば薬の方が毒なんだけど・・・(^0^;)

これ、薬でかぶれてるんですよ
薬をやめて炎症を抑える薬を塗ったら良くなりますよ(*^_^*)

と説明すると

え~っ?!
毒が出てるから皮膚がこんな風になってるんだと思ってました!
何万円も払って買ったのにショック~(*_*)

って言われるんですが、どんなに高価なお薬でも、かぶれているので止めなければ治りません。

そして薬を止めて、炎症を抑える外用薬を塗ると1週間ほどでキレイに治ります(*^_^*)

皆さん、劇的な変化にビックリされます。
とっても喜んでもらえます(*^_^*)

blog74

診療所のセラピードッグ「ラブ」
テープを貼って教えれば、ここから先は立ち入りません
ちゃんと覚えます(*^_^*)




残念ながら、どんなに高価なお薬でも、かぶれてしまったものはもう使えません。

もったいないからってもう一度使うと、やっぱり同じようにかぶれてしまいます。

しかも、前回の時のかぶれよりも症状がひどくなります。

アレルギー反応を起こしてるんですね。


医師が処方する薬は、どれくらいの割合でどんな副作用が出るのか分かっていますが、売薬は分かりません。

オシリを見たわけではないので、誰も把握できません。

また、高価だから品質の良い薬とも限りません。

どんなに高価なお薬でも合う合わないがあります。

合わない薬は使わないでくださいね。

そもそも、オシリを見てもいないのに、どうやって適切な薬を合わせたり、アドバイスができるのか不思議です。

それじゃあまるで占いですよね^_^;

医療は占いではないので、ちゃんと実際に見せてもらいます。

肛門の中も肛門鏡という器具を使ってしっかり観察します。

指を入れて癌などがないかもチェックします。

その上で、治療方針を立てます。

痔になる人の大部分は便通に問題があるので、便通を直せば痔の薬なんて必要ないケースも多いです。

やみくもに何でもかんでも最初から薬に頼らず、ちゃんと自分の状態を知ることが大切です。


あなたはずっと痔の薬を使ってませんか?

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