授乳中の痔の治療 | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

妊娠中からイボ痔が腫れて・・・

出産の時にオシリに花が咲いて・・・

やっと出産終わったし、手術受けられる~!

と、やってこられる女性患者さん。

ところが・・・

授乳中なんです。

イボ痔がテニスボール大に腫れ上がってしまったケースだと、痛くて座ることも出来ないので、授乳どころじゃありませんから、出産翌日に手術を受けられることもありました^_^;

まだ母乳もそんなに出てませんから問題ないのですが、育児を開始してからの手術はタイミングが大切です。

麻酔薬や痛み止めなどの薬が母乳に移行することを考えなければならないからです。

ミルクなどを全く足さずに完全母乳で育てているのか、ミルクと母乳と混合なのか、あるいは完全にミルクだけなのかによっても随分違ってきます。

母乳をあげていない場合は簡単です(^_^)v

普通に手術が出来ますので、都合がつけばいつでも受けられます(^_^)v

ミルクと母乳混合の場合は、術後3日間だけ母乳をしぼって捨ててもらっています。
痛み止めの飲み薬も出来るだけ飲まないようにして過ごしてもらいます。
意外と痛くなくて大丈夫だったと言ってもらえます(*^_^*)

そして問題なのが完全母乳の場合です。
今まで受けられた患者さんでやってみたことがいくつかあります。

1,手術までに前もって母乳をしぼっておいて冷凍しておく

術後は3日間、母乳をしぼって捨ててもらいます。
その間は前もってしぼっておいた母乳を赤ちゃんに飲んでもらいます。
痛み止めはなるべく飲まずに頑張ってもらいます。


2.離乳食が始まるまで手術を見合わせる

最近は生後5ヶ月くらいから離乳食を開始するようですね。
私が子育てしていた頃と随分違うのでビックリしました。
離乳食が始まると、母乳から栄養を摂る割合も低くなり、また赤ちゃんの消化機能も発達してくるので、薬が母乳に移行しても、そんなに神経質にならなくても大丈夫です(^_^)v


blog73

診療所のセラピードッグ「ラブ」
「犬の十戒」終文
そしてどうか忘れないでください。
私があなたを愛していることを。
(日本アニマルセラピー協会)




術後の痛み止めなんですが、
うちの患者さんの場合、
入院手術だと、飲んでない人も結構多いです(^_^)v

飲まなくても全然痛くない

という人も多いですし、

痛いけど飲む程じゃない

という人もいます。

日帰り手術は入院手術に比べると痛いので、痛み止めを飲んでもらっていますが、術後2週間たつと必要なくなります。

手術を受けてから、ずっとダラダラと痛み止めを飲んでいる人はいません^_^;

だから我慢してもせいぜい2週間です。

出産後に手術を受けられた女性のほとんどが痛み止めを飲まずに過ごせました。

それくらい

お産が大変だった、

あるいは

お産よりも痔が痛かった(>_<)

ということかもしれませんが^_^;


時々、手術を受けるために母乳をあきらめている方を見かけます。

それはもったいないです!

手術はいつでも受けられますが、母乳は今しかあげられません。

生まれてすぐの母乳はとっても大切!

是非、あげてほしいです。

私も子供二人、完全母乳で育てましたが、
母乳には栄養的なもの以上に、目に見えない大切なものがあるように感じます。

母乳が出る・出ないの個人差はあるでしょう。

でも、出ているのに手術のためにやめないでください。

また出ていないからってあきらめないでください。

最初出ていなかった人でも、乳房マッサージなどであとから分泌が良くなることも多いです。


痔の治療方針についても施設や医師によって方針が異なることも多いでしょう。

もしも痔の治療か授乳かで迷ったら、
私は授乳を選択して欲しいと思っています。


今、オシリが腫れてつらくても、時間がたてば痛みは軽減することが多いです。

腫れもひいてくることが多いです。

だから慌てず、すぐに手術を受けず、しばらく様子をみてもいいと思います。

手術はあとからでも受けられます(^_^)v

焦らず慌てず、冷静になってよく考えてくださいね!

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