下剤を飲んで痔瘻になる?! | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

第48号
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「痔」の中に「痔瘻(じろう)」という病気があります。

簡単に言うと、肛門が化膿して腫れたり膿が出たりする病気です。

下痢が原因でなることが多いので、もともと軟便の人や下痢体質の人がなりやすいです。

女性は便秘の人が多いので、
痔瘻は男性に多く見られます。

ところが・・・

便秘の女性でも痔瘻になることがあるんです(;。;)

便秘を直そうと思って飲んだ下剤で下痢をして痔瘻になってしまった・・・

というケースをたくさん見てきました。

下剤を飲むと確かに便が出るのですが、
下痢になったり、何度も便が出たり、出てくる便がドロドロだったりするんですよね・・・。

下痢便は肛門の中にある小さなくぼみに入り込みやすく、化膿しやすくなるんです。

たった1回下剤を飲んで下痢をしただけで痔瘻になってしまった人もおられます…>_<…

良かれと思って飲んだ下剤で、まさか痔瘻になるなんて、思いもしなかったでしょう(; ;)

皆さん、ショックを受けられます(;。;)


診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬にも痔瘻はあるそうです。
犬も痛いのかな・・・



便を体の中に溜めこまずに出すことは大切です。

でも「出し方」「便の質」も大切です。

何でもいいから出せばいい

ってわけじゃないんです。

出ていても「出し方」や「便の質」が悪いと痔になることもあるんです。

特に下痢は肛門に悪いです。

一昨日のブログでも書いたように、

肛門が狭くなったり、
化膿したり、
かゆくなったり、
ヒリヒリしたり


色々な症状を引き起こします。

だからわざわざ薬を使って下痢にしないようにしましょう。

ちゃんと合った薬だと下痢になりません。

下痢にしないと便が出ないようなお薬はやめて、
ちゃんと薬を合わせてもらいましょう。

下剤にも色々な種類があります。

便を軟らかくするだけのものもありますし、
洗腸作用のあるもの、
漢方薬とか乳酸菌など

色々なものがあります。

ご自分に合ったものを見つけましょう。

自分で見つけられないときは受診して相談して下さいね(*^_^*)