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肛門科って「痔」になったら受診するところって思ってませんか?
実は肛門科で扱う疾患は「痔」だけじゃないんです。
「便秘」で受診される患者さんも多いですし、
それこそ「糞詰まり」になってしまって便を出すために来院される患者さんもいますし、
「尖圭コンジローマ」や「肛門ヘルペス」といった感染症、
おしりのかゆみ「肛門そう痒症」、
「便漏れ」や「直腸脱」など様々な病気があります。
そして痔ではなく、肛門の診察で思わぬ病気が見つかることがあります。
女性でよく見つかるのが「子宮筋腫」と「子宮後屈」です。
肛門に指を入れて奥を診察すると、直腸を圧排している大きな塊を触れることがあります。
腸の中にあるんじゃないんです。
腸の外側にあるんです。
直腸の上に乗っかるような形で、直腸を圧排してるんです。
当然、そこの部分は便が通りにくくなってます。
診察すると便を触れますし、その奥には大量に便が溜まっていることもしばしば。
便が出しにくい、
下腹部が重い感じがずっとある、
便が出た後にスッキリしない、
肛門の奥に違和感がある、
肛門の奥に重だるい痛みがある、
などなど症状も様々ですが、全く無症状で気付いておられない方も多いです。
ただ、便が通過障害を起こしているため、便秘になっています。
診療所のセラピードッグ「ラブ」
生後1ヶ月の頃のラブ
手のひらに乗せられるくらい小さかったです♥
生後1ヶ月の頃のラブ
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子宮筋腫も大きさは色々です。
私は産婦人科医ではないので専門的なことは分かりません。
だから産婦人科を受診してもらいます。
中には子宮筋腫が赤ちゃんの頭くらいの大きさもあり、手術を受けられた患者さんがおられました。
それまではずっと便秘で悩んでおられたのですが、
筋腫の手術を受けて切除してもらったらスッキリ便秘が直った!
というケースもちょこちょこあります。
便秘を引き起こすほどの大きな子宮筋腫は手術の対象になりますが、
小さな筋腫だと生理が終われば成長しなくなるので経過観察になることが多いです。
また子宮が後ろに傾いて直腸を圧排しているケースもあります。
これは病気ではなく「そういう形をしている」ので仕方がないのですが、
不妊の原因になることもあるそうなので、一度は産婦人科を受診して、ちゃんと診断を受けて欲しいです。
だから、たかが肛門に指を入れるだけの診察でも情報がたくさん得られます。
便秘の原因は必ずしも腸だけの問題ではありません。
色々な原因があります。
患者さんお一人お一人みんな違います。
原因は何なのか?
それを直すにはどうすれば良いのか?
便秘と言えば何でもかんでも「下剤」ではありません。
便秘になったからって、すぐに薬局で市販薬を買って飲んでいませんか?
本当にその薬で合っていますか?
あなたの便秘の原因は何ですか?
安易に薬に頼らずに、根本的な原因を考えてみましょうね(*^_^*)