下剤の効かない便秘?! | みのり先生の診察室

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5万人以上の「オシリ」を診察してきた
肛門科専門医の女医がつづる
お尻で悩める人へのメッセージ

第11号
───
(2018年1月23日加筆修正)

便秘・・・って言うとなぜか世間では
おなか(腸)に便が停滞している状態
を指すようです。

だから「便通にいいよ!」と言われるものは
ほとんどが「おなか(腸)」に効くものばかり。

例えば代表的なものが下剤(便秘薬)です。

色々な種類があり、それぞれ作用が違うのですが、
みんな「おなか(腸)」に効きます。

腸を刺激して動かしたり、便をやわらかくしたりします。

でも「直腸性便秘(かくれ便秘)」は出口の排泄の便秘

いくら上(口)から薬を飲んで腸を動かしても
肛門まで運ばれてきた便をちゃんと排泄できなかったら
便が残っちゃうんです^_^;

毎日薬を飲んで便を出しているのに
出口の所でちゃんと全部出てないんです。

だから下剤を飲んだからって直腸性便秘が直るわけじゃない。

「おなか」と「オシリ」
分けて考えましょう。



診療所のセラピードッグ「ラブ」
犬も口を開けて眠るんですね^_^;
あ~至福のひととき♥



どこに便が停滞しているかで治療法が違うんですよ。

世間で「便通にいいよ」と言われているものは
ほとんどが「腸にいい」ものばかりです。

乳酸菌や食物線維なども摂取すると「良い便」が作られますが
その便をちゃんと排泄できるかどうかは別問題。
残ってたら「直腸性便秘(かくれ便秘)」なんです。

野菜をいっぱい摂っても、便の材料にはなるけれど
どんなに「良い便」を作っても
出し残された便は時間がたつと固まってしまいます。
だから出始めの便が硬くなるんです。
これも「直腸性便秘(かくれ便秘)」

運動をして腸が活発に動くようになっても
出口の排泄がうまく出来ないと便が残ってしまいます。
運動は出口(肛門)には効かないですよね?

どれもこれも「腸」に働きかけて腸の動きを良くしたり、
「良い便」を作る材料なんです。

もちろん「良い便」を作って、腸を良い状態に保って
腸がちゃんと動いている状態は健康にとって欠かせません。

だけど「腸(おなか)」だけじゃなくて「オシリ(出口)」も意識してみて下さい。

意外とオシリ(肛門)はないがしろにされてるんですよね。

毎日使う大切な場所です。

ここが病気になると排泄が苦痛になり
便がたまると
腸の動きや便の流れも悪くなってしまいます。

だから一番最後の排泄を振り返ってみて下さいね。
意識を向けるだけでもいいんです。
意識が変わると行動が変わりますから。

オシリが出している「ちょとしたサイン」を逃さないようにしてくださいね(*^_^*)

「不調」が「病気」になる前に対処すれば痔を予防できます。

現在は「出残り便秘」「鈍感便秘」として分かりやすく解説しています。
コチラの記事を是非参考にしてみて下さい↓

出残り便秘・鈍感便秘について


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