日産自動車は、急速な円高で輸出採算が悪化しているため、安価な輸入部品を最大4割まで増やして生産コストを下げる。海外工場でも割高な日本製部品を減らし、現地製を増やす。トヨタ自動車も韓国メーカーとの取引を本格化させる方針で、国内製造業の空洞化への懸念が高まっている。

 日産の志賀俊之最高執行責任者(COO)は29日、朝日新聞社の取材に応じ、「中国やタイには日本の部品メーカーが多く進出し、現地で鉄や樹脂原料も手に入る。品質も上がっている」として、部品輸入を増やす意向を示した。

 日産は107万台の国内生産(2010年度)の6割にあたる61万台を輸出しているが、円高で採算が悪化。輸入部品は現在は2割程度とみられるが、志賀氏は「輸出車種では40%程度を輸入部品にしないと(採算が)厳しい」と述べた。

 海外生産を強化して国内生産に占める輸出比率を下げ、将来は4割にする。輸出の減少分は国内向けに新型車を投入して販売を増やし、国内生産を維持する。

 海外でも、これまで多くを日本から調達していたエンジン制御用の電子部品や、エンジンや変速機の鍛造部品は、徐々に現地調達に切り替える。米国ではすでに8~9割の現地調達率だが、さらに引き上げ、アジアでは一部7割程度の調達率を9割以上にする。「電子部品や鍛造部品は日本で集中生産する方が効率が良かったが、円高で経済原理に合わなくなってきている」(志賀氏)という。

 トヨタも、「輸入部品を増やすことを考えたい」(伊地知隆彦専務役員)と、29日には愛知県豊田市の本社で、韓国の部品メーカー34社との商談会を開催。トヨタ首脳は「韓国製部品の品質も上がっており、日本製も真剣にやらないと負ける」と話す。

 大手部品メーカー首脳は「完成車メーカーは、これまで海外からの部品輸入は『リスクがある』と言っていたが、今は一定量は海外部品で対応するように指示してくる」という。部品大手は海外工場を増強するが、中小メーカーは資金面で厳しい。愛知県の部品メーカーは「放っておけば売り上げは減る。海外に出たいが資金がない」と嘆く。

 愛知県安城市の安城産業文化公園デンパークで、園内を循環する汽車型バス・メルヘン号が、使用済みの植物性天ぷら油からつくったバイオディーゼル燃料で快走を続けている。園内のレストランと市民らが持ち寄った油だけで、燃料のすべてをまかなっている。

 メルヘン号は、開業時の1997年から園内循環バスとして運行し、現在は2代目。ディーゼルエンジンを載せた汽車型の車で定員50人の客車を引っ張り、1周約1.2キロの園内を約13分かけて走る。

 燃料を軽油からバイオ燃料に切り替えたのは2008年3月。バイオ燃料は、原料の植物が光合成により大気中の二酸化炭素を吸収していることから、燃焼させても大気中の二酸化炭素の総量を増やすことはないとされる。地球温暖化の防止につながる燃料として注目されている。

 マツダは24日、ロータリーエンジンを唯一搭載するスポーツ車「RX—8」の北米市場向けの生産を5月にやめたことを明らかにした。北米で強化される環境規制に適合できなくなるため。昨年、欧州向けの生産をやめたのに次ぐ市場撤退だ。

 マツダは「国内向けの生産は続け、(環境規制に適合する)新型車の開発も続けている」としている。

 RX—8は、本社工場(広島市南区など)で生産。マツダなどによると、北米の規制強化で、2011年後半から生産された新車には排ガスの自己診断装置の改良が必要になる。