偏差値50以下でも面白い中高一貫校がある|大学実績・英語教育・特進クラスから考える学校選び
中学受験を考えるとき、多くの家庭が最初に気にするのが「偏差値」ではないでしょうか。
もちろん偏差値は学校を比較するうえで重要な指標です。しかし、偏差値50前後、あるいは40台の中高一貫校まで視野を広げてみると、実はかなり面白い学校が見つかります。
特に注目したいのが、「入試時の偏差値に対して、大学進学実績や英語教育などが充実している学校」です。
偏差値がボリュームゾーンの上位に位置する学校よりも低いにもかかわらず、G-MARCHなどへの進学実績が目立つ学校があります。
ただし、ここには一つ大きな注意点があります。
偏差値が低いのにG-MARCH実績が高い学校は「中身」を見る
「偏差値50を少し下回る学校なのに、G-MARCHへの進学者が多い。これはお買い得な学校なのではないか」
そう考えるのは自然です。
しかし、大学合格実績を見るときには、その数字が「中高一貫で入学した生徒によって作られたものなのか」を確認する必要があります。
学校によっては高校募集を行っており、高校から入学してくる、いわゆる外部進学組の中に非常に学力の高い生徒が含まれている場合があります。
その結果、学校全体としてはG-MARCHへの合格実績が非常に良く見えても、中学から入学した生徒だけを見た場合には、同じような実績になっていない可能性があります。
したがって、大学合格実績を見る際には、
「学校全体の合格者数」
だけではなく、
「中高一貫生の実績なのか」
「高校から入学した生徒の実績がどの程度含まれているのか」
「卒業生全体に対してどの程度の割合なのか」
まで確認したいところです。
これは、偏差値50前後の学校を「大学進学実績がお買い得」という視点で探す場合には、かなり重要なチェックポイントになります。
次に見るべきなのは「英語教育」
もう一つ、偏差値50以下の中高一貫校を見るときに非常に面白いのが英語です。
現在の大学入試では英語の重要性が高く、中学・高校の6年間でどこまで英語力を伸ばせるかは、学校選びにおける重要なポイントになっています。
そこで確認したいのが、単純な「英語に力を入れています」という学校案内の文言ではありません。
実際に、
「中学3年間で英語をどこまで進めるのか」
「英語のアドバンスクラスや習熟度別授業があるのか」
「英検3級・準2級・準2級プラス・2級などの取得状況はどうなっているのか」
という具体的な数字です。
特に面白いのが、偏差値50以下にもかかわらず英語教育にかなり力を入れている学校が存在することです。
入試偏差値だけを見ると「学力的には中堅以下」と見えても、入学後の英語教育まで調べてみると、実はかなり先進的なカリキュラムを持っている。
こうした学校は、偏差値表だけでは見つけにくい学校です。
だからこそ、小学校5年生くらいまでには、偏差値だけではなく「入学後に何をしてくれる学校なのか」を調べ始めてもいいと思います。
特進クラスがある学校は「そのクラスだけ」を見ない
さらに注意したいのが、特進クラスです。
偏差値を見ると非常に高く見える学校でも、実際には学校全体の学力ではなく、20~30人程度の特進クラスが大学合格実績を牽引しているケースがあります。
もちろん、そのクラスに入ることができれば非常に良い環境かもしれません。
しかし、もう一つ確認しておきたいことがあります。
それが「大学受験時の選択肢」です。
特進クラスでは一般選抜を中心に考える設計になっていて、学校が持っている指定校推薦などの推薦枠を必ずしも同じように利用できないケースがあります。
つまり、
「特進クラスに入った=大学受験で必ず有利」
とは限りません。
一般選抜で難関大学を目指すのであれば問題にならなくても、推薦、総合型選抜、指定校推薦なども含めて大学受験を考える家庭にとっては、6年間の途中で選択肢が狭くなる可能性があります。
学校説明会では、
「特進クラスの大学進学実績」
だけを見るのではなく、
「特進クラスの生徒は指定校推薦を利用できるのか」
「他の推薦制度は利用できるのか」
「クラス変更は可能なのか」
といったところまで確認しておきたいところです。
なぜ小学校5年生くらいから考えておくのか
「そんなことを小学生のうちから考える必要があるのか」
と思うかもしれません。
しかし、中学受験では成績が最後まで一直線に伸びるとは限りません。
難関校を目指していても、小学校5年生、6年生で成績が上下することがあります。
すると、最初は考えていなかった学校が「併願校」や「安全校」として候補に入ってくることがあります。
また、都立中高一貫校などの公立中高一貫校を目指す家庭では、私立中を併願先として検討することもあります。
その際には、一般的な私立中の4科型入試だけでなく、適性検査型など、公立中高一貫校に近い形式の入試を行っている学校にも注目できます。
つまり、小学校5年生くらいから、
「偏差値がいくつならこの学校」
と決め打ちするのではなく、
「この学校は大学進学実績が面白い」
「この学校は英語が強い」
「この学校は適性検査型入試がある」
「この学校は特進クラスと推薦制度の関係を確認したい」
というように、学校の特徴を少しずつ調べておくことが大切なのです。
中高一貫校の価値は大学進学実績だけではない
僕自身、中高一貫校を考えるときに最も重視したいのは、実は大学進学実績だけではありません。
中高一貫校の大きな価値は、「14歳くらいまでの教育環境」にあると考えています。
中学1~2年生の時期は、学力だけでなく、友人関係、生活習慣、考え方、興味関心など、さまざまなものが変化していく時期です。
だからこそ、
「大学合格実績が良いから行かせる」
というだけではなく、
「この学校で中学1年生から14歳くらいまでを過ごすことに意味があるのか」
という視点で学校を見る必要があります。
逆に言えば、学力だけを取り出して考えるなら、公立中学校に進学して塾を十分に活用するという方法もあります。
極端な話をすれば、学校以外の教育サービスを最大限に活用して、学力形成を塾や通信教育などに任せるという考え方も成立します。
だからこそ中高一貫校には、単に「勉強を教えてくれる場所」以上の価値を求めたい。
学力、生活、友人関係、教育環境、学校行事、大学受験への準備。
こうしたものがバランスよく組み合わされた学校を見つけられるのであれば、中高一貫校を選ぶ意味は十分にあると思います。
公立中高一貫校を考える家庭も「入試問題」を一度見てほしい
一方で、都立中高一貫校をはじめとする公立中高一貫校を考えている家庭にも、一度やってほしいことがあります。
それは、実際の入試問題を見ることです。
特に高校受験を経験した親世代からすると、「あれ?」と思う部分があるかもしれません。
例えば、都立高校の共通問題の国語では、漢字の読み書きが出題されます。
この部分については、親世代が高校入試で経験した問題と比較すると、かなり基礎的に感じる人もいるでしょう。
もちろん、入試全体の難易度を漢字だけで判断することはできません。
しかし重要なのは、
「高校入試の問題でどの程度の漢字・語彙力が要求されているのか」
を実際に確認することです。
そして、これを中学生になってからではなく、小学生のうちに一度やってみる。
中学受験を考えている子であれば、該当する基礎問題だけを抜き出して解かせてみるのも一つの方法です。
もし小学校5年生くらいの段階でかなりの問題を解けてしまうのであれば、その子にとっては高校受験の基礎問題だけを目標にする必要はないかもしれません。
「高校受験の問題が解ける」と「大学受験に強い」は別問題
ここは非常に重要です。
高校入試で要求される基礎的な国語力、英語力、数学力を身につけることは大切です。
しかし、それがそのまま大学受験に必要な学力と同じではありません。
英語であれば、基礎的な高校入試問題だけでなく、英検などを一つの目安として、自分の子どもがどの程度の英語力を持っているのか確認できます。
数学でも、立体図形や角度など、高校入試では比較的難しいとされる問題があります。
しかし、中学受験を経験している小学生の中には、そうした問題をすでに学習している子もいます。
だからこそ、
「高校受験で必要だから、このレベルまで勉強すればいい」
と考えるのではなく、
「高校受験の問題を基準にしたとき、自分の子どもはどこにいるのか」
を見ることが重要です。
偏差値ではなく「6年間で何が伸びるか」を見る
中学受験の学校選びでは、どうしても偏差値表に目が行きます。
しかし、偏差値50前後、あるいは40台まで視野を広げると、大学進学実績、英語教育、特進クラス、推薦制度、適性検査型入試など、学校ごとの違いがかなり見えてきます。
そして、最も重要なのは「入試時の偏差値」ではありません。
その学校に入学した後、
「6年間でどこまで伸ばしてくれるのか」
です。
さらに言えば、
「大学受験だけでなく、14歳くらいまでの教育環境として、その学校が子どもに合っているのか」
という視点も持っておきたい。
偏差値50以上の学校だけを見ていると、こうした「偏差値以上の価値を持つ学校」を見逃してしまう可能性があります。
中学受験をするかどうかを決める段階でも、まずは幅広く学校を見てみる。
そして小学校5年生くらいから、偏差値だけではなく、英語、大学進学実績、推薦制度、特進クラス、入試方式、そして6年間の教育環境まで確認する。
そうして探していくと、「偏差値はそれほど高くないけれど、この学校なら6年間を預けてみたい」と思える学校に出会える可能性があります。
中学受験の学校選びで大切なのは、偏差値表の数字を上から順番に追いかけることではありません。
「その学校で14歳までを過ごし、その先の高校・大学受験につながる6年間をどう作れるのか」
そこまで考えて学校を選ぶことが、これからの中学受験ではますます重要になってくるのではないでしょうか。
参考になれば・・・
でわ
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