「未習問題が解けない=地頭が悪い」は間違い?中学受験で本当に見るべき思考力と記述力 | おうち英語と中受の備忘録

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未習問題が解けないのは「地頭」の問題? 模試・過去問から考える本当の思考力と記述力

中学受験や小学生の学力を考えるとき、「この問題が解けなかった」という結果だけを見てしまうと、その子の本当の力を見誤ることがあります。

特に重要なのが、まだ学校や塾で習っていない「未習領域」の問題です。

「まだ習っていないんだから、解けなくても仕方がない」

これは一見もっともな考え方です。

しかし、本当にそれだけで片付けてよいのでしょうか。

私は、ここにはもう一段深い見方が必要だと考えています。

たとえば、サピックスの学校別オープン、早稲田アカデミーのカリキュラムテスト、全国統一小学生テスト、そして実際の過去問。

これらは、同じ「テスト」でも測っている能力がかなり違います。

カリキュラムの定着を見るテストもあれば、全国の中での位置を見るテストもあります。さらに、志望校特有の問題への対応力を見るものもあります。

そして、その中に未習範囲や初見の思考問題が含まれていた場合、「できなかった」という事実から何を読み取るのかが重要になります。

「やっていればできた」は、本当に十分な説明なのか

未習問題が出題されて、それを解けなかった。

このとき、

「まだ習っていないから仕方がない」

「習っていればできた」

と考えることはできます。

ただし、「習っていればできた」という言葉には、実は二つの意味が混ざっています。

一つ目は、単純にその単元をまだ学習していなかったというケースです。

たとえば、ある計算方法や図形の性質、割合、場合の数などをまだ学んでいなければ、その知識が必要な問題を解けないのは当然です。

もう一つは、単元そのものは知っていても、その問題で要求されている「思考パターン」や「解き方の方向性」を知らなかったというケースです。

ここは非常に重要です。

問題を解くための知識を持っていることと、その知識をどのように組み合わせればよいのかを知っていることは別だからです。

したがって、未習問題が解けなかったときには、

「単元が未習だったのか」

「その問題に必要な考え方を知らなかったのか」

を分けて考える必要があります。

未習問題への対応力=地頭、ではない

ここで、もう一つ注意したいことがあります。

初見問題や未習問題に対応できたからといって、それだけで「地頭が良い」と判断するのも早計です。

逆に、対応できなかったからといって、「思考力が低い」と決めつけるのも適切ではありません。

なぜなら、問題を解くには「知っていること」と「考える力」の両方が必要だからです。

たとえば、線分図を使えば解ける問題でも、線分図そのものを知らなければ、その発想にたどり着けないことがあります。

和差算、分配算、年齢算、相当算、倍数算なども同じです。

初めて見る問題でも、過去に似た構造の問題を経験していれば、「これは以前やった問題と同じ考え方が使えるのではないか」と気づけます。

これは単純な知識ではありませんが、完全に何もないところから生まれる能力でもありません。

つまり、思考力は「経験によって蓄積された問題構造の認識」とも深く関係しています。

重要なのは「解法暗記」ではない

ここでさらに注意したいのが、問題演習を増やすことと「解法を暗記すること」は同じではないという点です。

紙の教材でもデジタル教材でも、

「この問題なら、この公式」
「この形なら、この解法」

と覚えていくだけでは、少し形を変えられた瞬間に対応できなくなる可能性があります。

重要なのは、

「なぜこの考え方を使うのか」

「問題文のどこから、その考え方を選んだのか」

「条件が変わったら、どこを変える必要があるのか」

を理解することです。

つまり、覚えるべきなのは「答えまでの手順」ではなく、「問題を見たときに、どのように考え始めるのか」という部分です。

これは算数だけの話ではありません。

国語の記述、理科や社会の説明問題、さらには英語のライティングにもつながっていきます。

記述問題が「難問」とされる理由

中学受験では記述問題が難問として扱われることがあります。

しかし、記述問題が難しい理由は、単純に知識量が多いからではありません。

「自分が理解していることを、相手に伝わる形に変換する」という別の能力が必要だからです。

選択問題なら、用意された選択肢から正しいものを選べます。

ところが記述では、

何を書くのか。

どこまで書くのか。

どの順番で書くのか。

根拠をどう示すのか。

といったことまで自分で判断しなければなりません。

ここで大きな差になりやすいのが、「型に当てはめることへの依存」です。

記述が苦手な子ほど、模範解答の表現を覚えたり、「こういう問題ならこう書く」という形式に頼りやすくなります。

もちろん、記述には基本的な型があります。

しかし、本当に必要なのは、その型を使いながらも、自分が理解した内容を自分の言葉で再構成する力です。

記述力は「特別な日」に育てるものではない

だからこそ、記述対策を「受験学年になってから始める特別な勉強」にしてしまう必要はないと思います。

むしろ小学校低学年から、非常に小さな単位で続けることができます。

たとえば、

「なぜそう思った?」

「この文章から分かることは?」

「今日の授業で一番大事だったことは?」

といった問いに、1~2文で答えるだけでもよい。

毎日1問程度でも構いません。

重要なのは、長文を書かせることではありません。

「考える」
↓
「言葉にする」
↓
「相手に伝わるように整理する」

という過程を日常化することです。

これは、後から一気に鍛えるよりも、少量を継続するほうが取り組みやすい能力です。

大学入試では「記述」が消えたのではなく、形を変えている

ここで興味深いのが大学入試とのつながりです。

近年の大学入試では、従来型の長い記述式問題だけを増やしていく方向ではありません。一方で、思考力・判断力・表現力を評価すること自体は重視されています。

そして、その「表現」の一つとして重要性を持ってくるのが英語です。

特に英語では、読む・聞くに加えて「書く」というアウトプットが必要になります。

つまり、日本語の記述問題が担ってきた「自分の考えを整理して文章にする」という能力の一部を、英語のライティングでも要求されるわけです。

このため、早期英語や家庭英語に取り組む家庭の中で、英検を一つの目標として利用するケースが増えていることにも意味があります。

英検では級が上がるにつれて、単に英単語や文法を知っているだけではなく、文章を読み、その内容を踏まえて自分の考えを英文で表現する力が求められます。

ただし、ここでも「英検の型を暗記すればよい」という話ではありません。

日本語であれ英語であれ、

「何を考えたのか」

「なぜそう考えたのか」

「それを相手にどう伝えるのか」

という根本部分は共通しています。

模試や過去問は「点数」だけを見るものではない

だからこそ、模試や過去問の結果を見るときには、偏差値や順位だけで判断しないことが重要です。

サピックスの学校別オープンなら、その学校特有の問題への対応。

早稲田アカデミーのカリキュラムテストなら、学習した範囲の定着。

全国統一小学生テストなら、全国規模の中での現在位置。

過去問なら、実際の入試問題に対してどのような対応ができるのか。

それぞれを見る目的が違います。

さらに、間違えた問題についても、

「知識がなかった」

「未習だった」

「解法を知らなかった」

「考え方は分かっていたが処理できなかった」

「問題文の読み取りを間違えた」

「答えは分かっていたが記述できなかった」

というように原因を分解する必要があります。

この分析をしないまま、「偏差値が下がった」「この問題ができなかった」とだけ判断すると、家庭学習の方向そのものを間違えてしまう可能性があります。

「できなかった問題」こそ、子どもの現在地を教えてくれる

結局のところ、テストの価値は「何点取ったか」だけではありません。

むしろ、できなかった問題を分析したときに、その子が今どこまで来ているのかが見えてきます。

未習だからできなかったのか。

知識はあるけれど使い方を知らなかったのか。

問題の構造を見抜けなかったのか。

考え方は合っていたのに、記述として表現できなかったのか。

そして、それぞれ必要な対策は違います。

だから「やっていればできた」という一言で終わらせるのではなく、「何をやっていなかったからできなかったのか」まで掘り下げることが大切です。

そこで見えてくるのは、単純な「地頭の良し悪し」ではありません。

知識、経験、問題構造の認識、思考、表現。

これらが組み合わさって、初めて「初見問題への対応力」になります。

そして、その力を育てるために必要なのは、解法を大量に暗記させることではありません。

少し難しい問題に出会い、考え、失敗し、なぜその方法では解けなかったのかを理解し、自分の言葉で説明する。

その繰り返しです。

算数でも国語でも、そして英語でも、この「考えて、表現する」という習慣を低学年から少しずつ積み重ねていくことが、結果として中学受験だけではなく、その先の高校・大学入試までつながる学力の土台になっていくのではないでしょうか。

 

参考になれば・・・

 

でわ

 

 

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