この舞台にセリフはありません。
物語をすべて舞いによって表現しています。
ストーリーを読んでから舞台をご覧いただくと、より世界観を楽しんでいただけます。
『天照道成舞降』ストーリー
◆時は現代――
気がつくと、男は見知らぬ寺の境内に足を踏み入れていた。
「いつの間に、こんなところへ迷い込んだんだろう……」
ずいぶんと古びた寺だった。あたりに生い茂る草むらから、ただ虫の鳴き声だけが響きわたる。
「なんだかちょっと薄気味悪い気もするが、お堂に手ぐらい合わせていくか」
男は御堂の前に立ちゆっくりと手を合わせる。
突然、どこからともなく軋むような大きな音が虫の声を掻き消した。 厚い扉がゆっくりと開くような音……
音が止み静寂に包まれた境内は、先ほどとは明らかに違う異質の空気が漂っているようだった。
ガサッ……
草むらの奥に何かいる。
あらわれたのは一匹の狐だった。狐はまるで遊女が惑わすかのように身をくねらせて舞い踊る。
誰もいるはずのないであろう鐘楼から鐘の音が鳴り響く。
時空の扉が、完全に開かれた。
◆時は醍醐天皇の時代――
一晩の宿を求めてやってきた若き旅の僧・安珍に、庄屋の娘・清姫はひと目で恋をした。
清姫は安珍におもいを打ち明けるが、修行の身である安珍には娘のおもいに答えるわけにはいかなかった。
安珍は娘に気づかれぬよう、そっと宿をあとにする。
家を飛び出し、道成寺まで安珍を追う清姫。だが安珍との恋が叶うことはなかった。
嘆き悲しみにくれる清姫。
清姫の情念の炎はやがて荒魂(あらみたま)となり、成仏することなく時空を越えてさ迷い続ける。
◆時は安珍と清姫の物語からさらに遙か太古の時代へと遡り、天地開闢(てんちかいびゃく)の時代――
渾沌から天地がわかれ、この地に男神イザナギと女神イザナミがあらわれる。
二人によって八百万の神々が生まれる「神生み神話」の時代。
のちに天を統べるアマテラス、海の神・スサノオ、夜の神・ツクヨミも、イザナギとイザナミの夫婦によってこの世に誕生した。
あるとき、火の神・カグツチを生んだイザナミは、大火傷を負い、カグツチによって黄泉の国へと連れ去られる。
最愛の妻を失い、悲しみにくれるイザナギは、黄泉の国へイザナミを連れ戻しにいく。
だがそこにいたのは、死霊と化したイザナミであった。
妻の変わり果てた醜い姿を見て、恐怖に後ずさりするイザナギ。屈辱を受け怒り狂ったイザナミはイザナギを殺そうと悪霊をけしかける。
悪霊に取り囲まれ観念しかけたそのとき、桃の精があらわれ悪霊たちを追い払う。桃の力を借りて現世に逃げ帰ったイザナギは、あの世とこの世の境で妻と対峙し、別れを告げる。
悲しみと絶望の果てにイザナミの魂はやがて荒魂となり、復活のときを待ち続ける。
イザナギはこの世の天の統治をアマテラスに、海をスサノオに、夜をツクヨミに与え、姿を消す。
海の神・スサノオは母のイザナミを失った寂しさから心が荒み乱暴をはたらくようになった。
姉である天の神・アマテラスは、スサノオの振る舞いを嘆き、岩戸の中に隠れ閉じこもってしまう。
岩戸が閉じた途端、突如としてこの世は闇に覆われ、あたりに魍魎がはびこりはじめる。
兄のツクヨミをはじめとする八百万の神々は、スサノオを追放すると、次にアマテラスを岩戸から出すための作戦会議を開く。
ツクヨミは踊り子のアメノウズメを呼びだし、大宴会を開くという作戦を耳打ちする。ツクヨミに好意を寄せていたアメノウズメは快諾し、神々の前で得意の舞いを披露し盛大な宴となった。
宴が最高潮に達したとき、外の様子が気になって仕方がなかったアマテラスがようやく岩影から姿をあらわした。
作戦は見事成功し、世界に光が戻ると、神々はアマテラスを讃えた。
事態は一件落着したかに見えた。
しかしその影には、用済みとばかりにツクヨミから邪険にされたアメノウズメがいた。
アマテラスへの嫉妬とツクヨミから冷たくされた悲しみから、ウズメの心は邪悪に染まりつつあった。
自らの内なる闇に必死に抗うアメノウズメ。
ウズメの心が完全に闇に支配されたそのとき、眠っていた荒魂が覚醒する。
荒ぶる魂の波動が時空を歪め、ウズメの頭上の空に漆黒の巨大な時空の穴があらわれた。
時空の穴はウズメの闇と同調するかのように、過去からイザナミの怨念を、未来から清姫の情念の炎を呼び寄せる。
二つの荒魂がウズメの身へと憑依する。
遂にはイザナミ、清姫、ウズメの三つの荒魂が闇の世界から八つの首を持つ巨大な蛇・ヤマタノオロチを召喚した。
巨体をくねらせ暴れ狂うヤマタノオロチ。
世界が破壊されていく中で、神々は逃げ惑う他に成す術がなかった。
そこへかつての己の振る舞いを恥じ、心を改めたスサノオが戻ってきた。
スサノオは激闘の末、ヤマタノオロチを討ち、アメノウズメの清らかな心を救い出す。
ウズメのおもいに気づき彼女に手を差しのべるツクヨミ。
オロチの体内から出てきたクサナギの剣を手に入れたスサノオは、剣をアマテラスに献上し、この世は平和を取り戻した。
ふと気がつくと、男は寺の境内の前で立ち尽くしていた。
「夢を、見ていたのか……」
虫の鳴き声だけが、夜の境内に鳴り響く。
――完
【チケット】VIP 完売 S席 6,000円 A席 5,500円
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【会場】東京・山手線 主要駅 徒歩圏内
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【会場】東京・山手線 主要駅 徒歩圏内
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●『6月どスピすぎるトークライブ東京』
【日時】6月16日(日)13:00~(15:00終了予定)
【会場】東京・山手線 主要駅 徒歩圏内
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数々の「シンクロニシティ」、事故による「臨死体験」と「体外離脱」、
死んだはずの「パラレルワールド」、「UFO」からの召喚、そして「龍使い」を名乗る青年との再会。ラストに明かされる真実とは!?
長崎・台湾・東京を舞台に、さまざまな不思議な出来事が巻き起こる!
まるで、スピリチュアルのバラエティパック!?
でもこれ全部、実話です。
目次
第一章 所詮はスピリチュアルなんてお遊び
第二章 未来、知ってたんでした
第三章 臨死体験ツアーへようこそ
第四章 パラレルワールドで待ち合わせ
第五章 UFOの乗りかた、龍の乗りかた、時空の超えかた
第六章 この世界の創りかた
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