2017-4-25 シュピールの春~吹奏楽のアレ、管弦楽のコレ~ | Dream Journeyのブログ

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25日の火曜日になりますが、杉並公会堂小ホールで開催されたシュピール室内合奏団による「シュピールの春~吹奏楽のアレ、管弦楽のコレ。~」に足を運びました。
シュピール室内合奏団は、8名の小編成で本来は大編成で演奏するような曲を演奏していくというスタイルで、毎回様々なテーマをもってコンサートを開催しているので、楽しみです。
プログラムはアップした通りですが、タイトル通りに前半は吹奏楽の曲を、後半は本来はオーケストラで演奏する曲をシュピール室内合奏団としてアレンジして演奏するものになっておりました。

冒頭のシュピール・シュタール・シュプールは、オリジナルのテーマ曲のような作品ということで、これまでも何度も聴いたことがありますが、楽しく行進曲のようなリズムでワクワクするような感じの曲ですね。遊び、輝く、軌跡という意味ということで、その名の通りに山道を散策しているようにも聴こえますし、クロスカントリースキーをしているようにも聴こえる曲ですね。途中にそれぞれのソロもあって皆さんの持ち味も聴けるようになっていました。
序曲祝典は、小刻みなリズムにメロディアスな雰囲気の作品ですね。リズム担当とメロディ担当を交互に入れ替わっていくアレンジで、時に力強く、時に明るく元気な感じで、様々な表情を見せてくれる作品でした。途中に少しだけゆっくりとしたテンポのところがあり、そこがアクセントにもなっていました。
その次は今回が世界初演という委嘱作品「フォアシュピール・シャウシュピール~パンとサーカスの為の序楽~」という作品、演奏前には作曲された久保太郎さんもステージに登場していました。実際の演奏は、(「ベン・ハー」や「グラディエイター」のような)歴史モノの映画音楽のような雰囲気がしました。聴いていて情景が浮かんでくるドラマティックなメロディで、目まぐるしい展開がある部分はサーカスが演技をして賑わっているようにも聴こえて、多彩な情景が浮かんでくる作品でした。もしバリバリの現代音楽だったらという気持ちもあったのですが、良い意味で分かりやすさと聴く楽しさのあるシュピールらしい作品になったのではないかなと思います。
恒例となっているフルートの大岡さんによるメンバー紹介は、ラーメン占いの結果を交えながらというシュピールらしい楽しい感じの展開があって、前半の最後は吹奏楽の名曲というホルストの「吹奏楽のための第1組曲」でした。こちらも以前にも聴いたことがある作品ですが、3楽章になっていて、
ゆっくりと起き上がるように、朝の情景のような感じのするメロディから徐々に活動的になっていくようにテンポが速くなっていくのですが、後半には再びゆったりとまどろむようになっていくのが印象的な第1楽章
小刻みでリズミカルなメロディを繰り返した後に、ゆったりとした部分を途中に挟んで、再びリズミカルなメロディを展開する勇ましさと前進するような意思を感じた第2楽章
元気の良い行進曲のようなメロディで、重厚感のある演奏が力強く感じました。その中にそれぞれの楽器の音色を聴かせてくれるようなアレンジで、とても聴き応えのあった第3楽章
という印象です。吹奏楽らしい吹くという力強さを感じながらの音色でしたね。

後半は管弦楽のための作品をシュピール流にアレンジした作品でしたが、先ずはワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」より第1幕への前奏曲と言う作品でした。ワーグナーらしい勇ましさと重厚感のある作品で、冒険や物語に入っていくという旅立ちの雰囲気もある作品でしたね。楽劇の様々な場面をアレンジしているとのことで、リズムの緩急と多彩な場面を想像するような作品でもありました。個人的にワーグナーオペラは苦手なのですが、音楽としては素晴らしいものがあると改めて感じる演奏で聴き応えのあるものだったと思います。
後半にはこちらも恒例のソロコーナーがあり、今回はソプラノサックスの國末さんによる「ライムライト」の演奏でした。ゆったりと切なさのある、チャップリンの映画らしい笑いの中にある悲しさや切なさを感じる演奏でしたね。それでいて前向きな感じがするのもチャップリン作品らしいと思いました。
プログラムの最後はスメタナのモルダウでした。説明不要の名曲ですが、源流から水が流れ始めて徐々に大きく大河のようになっていくような情景が思い浮かぶメロディですね。そこから後半は人の営みや神秘的な部分、ドラマティックなところなど多彩な展開があるのも魅力な作品だと改めて感じました。まるでオーケストラのような聴き応えのある演奏だったことも印象的でした。
アンコールは以前にも聴いたことのある作品でしたが、曲名が思い出せないです。とても活発で元気のあるシュピールらしい演奏でした。

シュピール室内合奏団の演奏は7~8回は聴いていると思うのですが、毎回楽しみにしています。今回は重厚感のある作品が多くて聴き応えがありましたね。その中に委嘱作品があったりするなど、新たな可能性も感じさせてくれるものがありました。この後にはCD制作のためのレコーディングも予定しているとのことで、そちらも楽しみです。そして、次回は10月9日ということで、こちらにも足を運びたいと思っています。