学費が高騰しております:医学部、修士、博士 | 女医の国際精神保健

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世界で学費がどんどん値上がりしています。

 

1) 大学医学部

女子医大医学部は私が卒業してから、少なくとも1200万円学費が上がったようです。

 

2) 大学院修士課程(公衆衛生学)

ロンドン大学(LSHTM)の公衆衛生大学院修士課程は私が卒業した2009年/2010年は下記。

 

 

今年は下記とのことで、倍になっています。。。

15000ポンドの値上がり。

そこに、当時の1ポンドは140円だったのが今は200円が加わります。

 

 

これならハーバード大学と同じくらいになったかも?

あ、あちらはもっと高かった。。。

 

 

3) 大学院博士課程(医学)

東京大学博士課程を2020年に卒業した時の学費は下記。

すでに以前の何倍にもあるいは何十倍にもなっていました。

 

 

そしてまだ上がっています。

国レベルで値上げをしてきていて、それも高いと思うけど、さらに大学独自で値上げ方向で進んでいますね。。。

 

 

こんなにお金をかけて教育を受けないといけないのでしょうか?

医学部は卒業しないと医者になれません。

MPH(公衆衛生修士号)も国によっては就職の最低条件になっているところもあります。

PhDもないと研究所や大学などの仕事ができません。

そうなると行かないわけには行かないですね。

 

やりたい仕事があるなら行くしかないですが、でも、大きな借金をしていくようなものではありません!

ここまで上がってしまったら、内容充実でロジスティック的に理屈の通った学校を選びましょう。

トップスクールは内容素晴らしいけど、こんな何千万円、場合によっては億?かけていく必要はありません。

 

2009年当時のLSHTMも「米国よりは安いから」と米国からの学生がたくさんいましたし、EU出身者は「英国人よりちょっと高いけどnon-EUよりは安いから」と来ていました。

今はBrexitにてEU枠もなくなり、学費も倍になり、集まる学生が特定の人たちになっていることが想像されます。

この「特定の人しか集まらない」という集団が良い方に行くわけがないのです。

高額であることは、そのものも弊害ですが、その他を排除しすぎることに問題があります。

 

WHO勤務の時とかも、米国の大学出身者たちは「学費の返済があるから給料優先で仕事を選んでいる」という話をしながら、転職を強いられたり、逆に転職できなかったりしていました。

10年かけて返済とかいっぱいいるみたいでした。

人生を切り開くために教育を受けたのに、その費用に縛られている。。。

 

技術をつける、教育を受ける、がこんなに商品化されると、個人も世界もスクスクは育ちませんね。非常に偏った選抜がかかりますし、選抜後も偏った内容となります。

 

当時はスウェーデンも留学生へも無料枠がありましたが、それがその後撤廃されて、ザクっとネットで見た感じでは英国と同じくらいの学費を課しているように思われます。驚!

 

MPHもハーバード大学、ジョンズホプキンス大学、LSHTMが三代巨頭で圧倒的に教育がいいから、そのどこかを目指した方がいい!と私はずっと思ってきました。

が、この学費と選抜が偏った同級生であるだろうことと転居を考えると、必要最低限の教育を自分の近場で受けるのが良さそうです。

 

商業主義に煽られていない質の高い大学を選ぶのがいいのではないでしょうか?

スカンジナビアや大陸欧州はどうかな?

日本を筆頭にしたアジアはどうかな?

カナダ、オーストラリアもいいのかな?

 

色々考えて、日本在住の人は日本の大学・大学院がいいと思います。

2009年当時は日本の公衆衛生大学院は数も少なかったですが、だいぶ進化しました。

東大、京大はとても良いと思いますし、長崎大学とかも結構頑張っている?

 

でも、日本がここまで貧弱になってしまうと、海外で学位を取ってそのまま海外就職の方が機会は大きいのかもしれませんが。

学位とった国の労働ビザを卒業後数年くれるって国を選ぶとか?

ビザの条件も各国厳しくなっているか。

 

いずれにしても学費に振り回せれて学業を選んだり進めたり済むようにしたいです。