「医療者・心理職者のためのマインドフルネス研修会」に参加しました。
FBなどで案内が流れてきて、当初半信半疑で申し込みました。
主催のNPOハートシェアリングネットワークは存じ上げませんでしたし、記載されている医者や診療所は実在しそうだけど転記しているだけかもしれないし、ティクナットハンさんの名前を借りているだけかもしれないし。
過去のイベントの報告↓などを見ると実際に活動したっぽい感じもして。
数年前にインドでvipassanaを体験してから、精神科でマインドフルネスが成長するのを「いつかやりたいなあ」って眺めていての、今回の案内との出会い。
実在する団体とイベントなのか疑心暗鬼ながらも、ネットで早め割引で申し込みました。
開催日が近づいてきたら具体的な案内もメールで届き、信憑性が増してきて、会場に着いたら、すごいちゃんとしてました!
上記のサイトに記載にされている前回までの研修会と基本的には同様の内容です。
マインドフルネスの考え方、死にゆく人がマインドフルネスをどう活用できるか、死にゆく人を支える人が自分にどうマインドフルネスを使えるかなどが講義と実際の瞑想で学べて、体験できます。
ググって見ると医療で使えるマインドフルネスはたくさん論文も出ているようです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjm/2/2/2_22_d3/_pdf
机上で色々学んでから、こういう研修会に参加するのもいいですね。
今回紹介のあった日本GRACE研究会も興味深そうな取り組みを色々されていて、今年9月17日と18日に上智大学で予定されている年次総会も興味深そうでした。
香港のApplied Institute of Applied Buddhismの僧侶も講師でいらしていました。
Plum Villageというのはティクナットハンさんの教え子たちが活動している拠点なのかな?世界にいくつもあるみたいです。
最近ハーバード大学公衆衛生大学院内でもマインドフルネスセンター作ったみたいです。
以下、講義で聞いて、私なりにふむふむした点を列挙します。
マインドフルネスとは、「エネルギーである」「呼吸により生まれる」「自分に気づける」「自分の周りに気づける」「Rest and digestができ、fight or flightに陥らずに済む」ということ。
Here, now, with youってのが大事だそう。
Deep listening, loving speechも重要な考え方で、先入観なしで聞く、話す、怒りにまかせない、噂しないってのは大事と。Listen deeply to truly love。
悲嘆と精神科医はどう向き合うべきかの論文の紹介もありました。
死にゆく人とできること。
ー 死にゆく人が何を必要としているか見極める。
ー その人のペースに合わせられるように、時間と空間を提供する。
ー 悲嘆に伴走し、近くにいるよと支援する。
ー 先入観や決めることが伴わない態度で聞く。安心して表現できるように。
ー 一緒に何かしながら、一緒に呼吸をする。
例えば、仲違いしていた人が亡くなって、複雑な気持ちに陥っている人を支える方法にいかがある。
ー 空の椅子を用意し、亡くなった人が座っていると考える。
ー そこに向かって「どんなことされて、そんな気持ちになった」「それが自分にとってどんな影響があったか」「本当はどうして欲しかったか」を話してもらう
ー 呼吸する
ー 自分ながらの相手への期待の気持ちをキャンセルしてもらう
ー それを言葉にしてもらう
ー 最後のステップとして、「自分の健康と幸せは、自分に責任がある」と感じてもらい、発言してもらう。
痛みは変えられないけど、苦しみはなくせるという考え方でマインドフルネスに取り組みます。出来事は変えられなくても、その捉え方を変えると、湧いてくる感情も変わるから。
黙って苦しむのでも、逃れようとするのでも、誰かのせいにするのでもなく、終止符を打つもしくは役立つものに変容することが必要です。
1 ポジティブなエネルギーを作る
2 苦しみを転換する
1があれば、2は続くと考える。
We are the sum of our actions.
Sleeping, calming, resting, healingがある。
Calmingは念仏が持つ効果でもある。内訳は、recognising, accepting, embracing, look deeply (vipassana), insight。
仏教の無情、無我、不生不滅の考え方。これらにより、greed, hatred, ignoranceを避ける。
時間軸は線ではなくて、円である。まるで、空港の荷物コンベイヤーみたいに。
生きることそのものが苦であり、苦には原因がある。原因が滅すれば苦もなくなる。それには、聞(知識)、思(考える)、修(体験)が必要である。
ミラーニューロンの働きにより、人間は好きな人や同じ集団の人には共感しやすいとされる。
共感疲労も起こり得るため、支援者は共感すれども、相手の苦しみに巻き込まれないことは大切である。
自分の中に不快な感覚がない時、何かを思い浮かべた時の自分に広がる感覚を知る。刺激から生じる身体感覚。
例:黒板を引っ掻く、好きな人にばったり会う、苦手な人に呼ばれる
この同じ考え方で、コンパッションの身体感覚が生じる自分なりの対象を一つ持っていると良い。それをプライミングすることは、先に受けた刺激がその後の行動を決めることである。
支援者にはこのコンパッションプライミングが大切。
合わせて、コンパッションの感覚とエゴの感覚は近いので、その違いを知る感覚を自分の中で高めておく必要あり。
こんなようなことを講義で伺いつつ、間に様々な瞑想を経験しました。
座瞑想、歩く瞑想、食べる瞑想、全身を緩める瞑想、歌う瞑想。
食べる瞑想は下記のお弁当を食べながらでした。
美味しかった!
講義で被災地支援とマインドフルネスのお話も興味深かったです。
伊藤圭子先生の研究などは↓。
マインドフルネスと脳科学の講義も非常に興味深かったです。
藤野正寛先生はページをお持ちのようです↓。
会場は東京大学駒場キャンパスでした。
この木々の中を歩く瞑想して、気持ちよし◎
東京大学は私のPhD母校ですが、本郷以外のキャンパスへ行くのは初めてでした。
ちょっとキャンパス散策をし、もちろん馬場も探しました(笑)が、ここではないのかな。
と、ググってみたら、「三鷹」が馬術部の本拠地のようです。
大変勉強になる二日間でした、マインドフルネス的なもの、仏教的なものって、何度も何度も聞いて、体験してを繰り返しながら、自分で咀嚼してってのを繰り返すのが良いように思います。
さらに、本を読んだり、研修に参加したり、瞑想をしたり、仲間と共有したり、仕事の場面で活用したりをずっと続けていきたいと思います。