大学院と大学で講義を1回ずつ行いました | 女医の国際精神保健

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精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

大学で2回講義をしました。

前回は こちら なので、約半年ぶりね。その前は こちら ね。

 

1回目は、修士課程の皆様へ国際精神保健ってどんな取り組みかの講義でした。

看護師とか助産師のご出席が多く、いわゆるmid careerの皆様でした。

昨年の様子は こちら 

その内容をアップデートし、 現在のPhD研究内容 も紹介いたしました。

上記に記載の昨年同様の質問も出ましたが、今回は医療的で実践的・実務的な質問も多かったです。

周産期や産後うつ病や自殺予防の臨床的もしくは公衆衛生的な話題も非常に盛り上がりました。

これまで出産に伴う母体の危険は出血でしたが、最近では自殺で、それは世界的にも注目され始めている部分です。

スクリーニングなども始まりましたが、効果的な介入方法は難しいですね。

総合病院で勤務していた頃に、妊産婦の自殺予防は一番介入が難しかったなあと思い出します。(次に難しいのは身体疾患で入院したアルコール依存症の方への精神科的介入)

今回は理屈をどう実践に落とし込むかの質問が多く、それらにあまり答えられなかった場面を感じたりもして、今後の私の課題です。公衆衛生と臨床の両方に取り組む者としては、そこをつなげることができるのが大きな役割だと思います。

PhDで「人権に基づいた精神保健制度の構築」「強制入院を減らす・なくすができないか」「支援付き意思決定法を構築できないか」を考えているわけですが、そのあたりを質問されてもまだ皆がピンとくる説明ができないことを感じました。

私の課題です。

講義をすると自分の考えも整理されるし、質問を受けることで、自分の不足部分に気付けたり、新たな視点をもらえたりで、積極的に求めたい良い経験です。

 

二回目は、医学生に英語をどう学びどう活用してキャリアに役立てていくかのヒントの講義をしました。

こちらは初めての母校での講義。嬉◎

こんな  こんな  こんな   こんな   こんな  こんな  こんな  こんな  こんな  こんな  こんな

話をし、英語を学び、使う話をしました。

そして、上記の講義のような国際精神保健も「英語がキャリアに役立っている実体験の例」としてお話しました。

学生時代に自分で考えたことと、同じくらい講義や見学などで見聞が広がったことは、私のその後の進路や発想に大きな影響を与えていますので、今回の私の講義が学生の見聞の一部になっていればと思います。

そして、実体験に基づいて幅広い話ができるようになった自分の歩んできた道を嬉しく思いますし、それが学生にお役にたつようでそれも嬉しく思います。

大学時代はMESS、IFMSA、交換留学(ウェールズ大学)での活動が私の英語に直結しましたので、それは具体的なお勧めとして紹介しました。

ー 世界を飛び回ってまで仕事をする理由は何?

ー 何がモチベーション?

なんて質問もありましたので、興味を持ってくれたのか、やりすぎと思われたのか。

こんな   こんな   こんな  あたりで、「私ができることは何か」と常に考えていることが私の原動力です。

ー 辛い場面を見てしまった際はどうするのか?負担ではないのか?

これは他国での保健活動でなくても、日本の臨床場面(つまり、講義に座っていた全員の将来の職場)でも出会うもので、医者になりたての頃は苦労する点ですが、「自分の職務は何かを理解する」「自分の限界と他職種との役割分担を覚える」「何は急ぐべきで、何は計画的に進めるべきかを見極められる」などが身につくと「辛い」ものではなくなります。病棟実習や研修医の場面で私が一番大変だったのはそのあたりだったなあと思い出しながら回答しました。

 

どちらも「また別企画や来年の同企画で講義に来てください」と依頼を受けましたので、お役に立てたと嬉しいと同時に、それまでにもう一歩経験を積んだり、経験を洗練させたりできるといいなと思います。

人の前で話すのはいいね!