「命令幻聴の認知行動療法」を読みました | 女医の国際精神保健

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精神保健および公衆衛生を軸に、韓国、ロンドン、ジュネーブ、ニース、フィジー、赤道ギニア、東京、インド。
他にも、旅行、馬術、音楽、写真などについて記載しています。

命令幻聴の認知行動療法/星和書店
¥3,024
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内容(「BOOK」データベースより)

命令幻聴は、相当な苦痛を伴い、危険性をはらんでいる。統合失調症の症状としては、驚くほど高い割合で見られるにもかかわらず、わかっていることは割と少 ない。この命令幻聴に対する、革新的な認知的アプローチを示したのが本書である。多様なケースから、介入の手順、その有効性、将来的な展望が示される。

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診療の合間や就業後に本やDVDで精神科の診断や治療法を勉強しています。
今はどちらかというと治療法の資料に目を通すことが多いです。
日本での医学教育や臨床では、薬剤での加療の情報や訓練を受けることは多いです。
しかし、精神療法などの機会は少ないです。
したがって、現在の私は精神療法を中心に学んでいます。
5年ぶりの臨床の私にとっては、リハビリ的に思い出す点もあったり、精神療法が進化していて新しく学ぶこともあったり、自分の診療の力点が変わったりといった変化もあります。
イギリス、スイス、フィジー、赤道ギニアで、全く違った価値観で医療や精神医療を見る機会があったことも、臨床家としての私を一つ大きくしてくれたきっかけだとも思います。

最近は医局の図書から上記を読みました。
そして、得た方法論を実践しました。
患者さんからの感想は上々でした。
本の最初の章で方法論が書かれていて、後の章は例が挙がっています。
とても分かりやすくて良いのですが、例はちょっと米国的かもしれません。
日本の一般的な診療場面ではちょっと驚くかもしれず、一般的例とは言えないですが、方法論の部分は患者さんやその家族にも知ってもらって、部分部分実践もできたら一番良いのではないかと思います。

星和書店  は今私が読みたいような本をたくさん出版していて、患者さんやその家族にもとてもおすすめです。