自殺未遂患者への対応:救急外来(ER)・救急科・救命救急センターのスタッフのための手引き | 女医の国際精神保健

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自殺未遂患者への対応:救急外来(ER)・救急科・救命救急センターのスタッフのための手引き
http://ikiru.ncnp.go.jp/ikiru-hp/manual/0905011.pdf
私が救命センターに勤務し、自殺未遂者の診察をしていた際に行っていたことと同じことがまとまっています。
救命センター、救急外来で勤務するすべての医療者に実践してほしい内容です。

警察庁の自殺統計に基づく自殺者数の推移等
こちらでも分かるように、現在日本では毎月2000人前後の方が自殺で死亡しています。
そして、自殺未遂はその10倍といわれています。つまり、毎月2万人。
その2万人の方々は救急センターや救急外来を受診することも多く、ここで適切な介入ができれば、自殺未遂を繰り返す危険は少なくでき、また、未遂の後の既遂の危険も少なくできます。
その介入のきっかけのかっこうの場所は救命センターや救急外来であり、上記の手引きが非常に役に立ちます。
もちろん精神科外来や病棟でも多いに役立ちます。
とてもまとまっているので、全体像がつかめて、具体的で、医療者でなくとも何かの参考になる点も多いかと思います。
また、それ以外の介入のきっかけの場所である、家族、教師、職場などができることが こちら  にあります。
また、希死念慮(死にたい思い)を抱いている人は、自殺未遂者の約10倍いると言われています。
自殺未遂にいたる前に介入できて危険を小さくできたらもっと良いです。

現在精神科診療に携わっている私には、自殺予防をいかに具体的に実践できるかがとても重要です。
WHOなどで貢献してきた行政的立場での何億人単位での自殺予防の視点も大切ですが、個人単位はもっと緊迫感があります。
どちらの視点にしても、単純明快で具体的というのは重要ですね。