のだま(野球)カンタービレ -13ページ目

Aさんトコへ

続き。

日曜日、品川の某ホテルで目が覚めた。

よかった。生きてた。(当たり前か)

うん、体調はまあまあかな?

自分で処方した薬を飲み、チェックアウト。
まだ風が強いぞ。

ここから車屋のAさんトコはすぐ傍。

運河沿いの倉庫で口コミだけの商売。

ピンポンすると倉庫の扉が開き、「お久しぶりでーす」

倉庫に入るとそこはクルマ好きにとっては宝石箱。

真っ赤なオールドフェラーリ、渋いブリティッシュグリーンのロールスロイス、漆黒のマセラッティ。
キラ星のような完全整備の希少車が並ぶ。

彼の凄いところはこの全てのクルマ達に精通しているところ。
あり得ない程の知識量。

高価なビンテージカーから安価な足グルマまで守備範囲も広い。

ある有名モータージャーナリストもAさんの膨大な知識量と明るい人柄に惚れこみ、今や右腕としてなくてはならない存在。

倉庫の中で素敵なクルマ達に囲まれながらじっくりと話し込む。

お互いの仕事についての公にできないシビアな話。

勿論、大人の冗談も交えながら。

あっという間にお昼。

「いけない!こんな時間になっちゃった。ボーラ、診てみましょう」

気になるところを数点、告げる。

「ココはこう、ソコはこう」

次々と解決策が出されます。

いずれもディーラーでは新品部品交換以外の対応しかしてくれない。

いくら新品部品でも少し古くなれば同じ壊れ方をするのに。
少しの工夫で新品以上の耐久性を持たせる。

費用もディーラーの半分以下。

その対応に舌を巻く。

やっぱ、スゲぇや、この人。

「じゃ、21日に」

4/20は築地のがんセンターでの研究会。

次の日にAさんからボーラを引き取り、東北道で帰る段取り。

さて、帰ろ。いい一日だった。

東北新幹線に飛び乗り、仙台へ。
家族と夕食を共にして仕事場へと向かうべく再度仙台駅へ。

ありゃ、例の爆弾低気圧で新幹線が止まってる。

駅員に詰め寄る人、多数。
こりゃダメだ。

踵を返し、一旦帰宅。

家内の車(これもAさんの見たて)で暴風吹き荒ぶ東北道。

マニュアルミッションをコキコキ漕ぎながらミズスマシのように東北道を泳ぎ切る。

いつもの峠は春の吹雪。
電池が切れた私は道の駅で少しの仮眠。

目が覚めたら仕事モード。

夜半3時にセキトバクリニック到着。
患者さんの紹介状を書き上げて4時就寝。

あっという間に午前外来開始。

終わったと思ったら最後に飛び込みの患者さん…

ダメ!状態が悪い!帰せない!

救急車を要請して同乗、救命センターへ搬送。

戻ってすぐ午後外来。

強風のため患者さんの出足も悪く比較的空いてて体力温存できてよかった。

晩ご飯食べて書類仕事して珍しく0時前に爆睡!

気がついたら朝。

起きたっつー事は生きてたっつー事。
ヨカッタヨカッタ!

相変わらずセキトバさんの生活、濃いねぇ。

ま、採血結果も少し良くなっていたし…
も少し薬は飲まなきゃいけないけどね。













長期離脱2

セキトバさんがまだバイクに乗っていた頃、東京の幡ヶ谷、甲州街道沿いにそのお店がありました。

「ステーキ てっぺい」

楽天の鉄平とは関係ありません。

大学の授業の後、アメフトの練習を終えるとバイクに跨ります。

時には一人で…

時には二ケツで…

大学のある板橋から環状六号に入り、オーバーパスを幾つか越えてビュンビュン。

へへ、オレのカワサキ、速いぜ。

東中野のあたりは道路工事中で鉄板がひかれてたりで滑りやすい。

こんなトコですっ転ぶと後ろからきたトラックとかにプチッとされるかんな。

甲州街道への初台の交差点を吉野家を左に見てスパッと右折。
ちなみにここの吉野家は全国一号店。

首都高速の下を暫く真っ直ぐ。

京王線幡ヶ谷駅を過ぎるともう近い。

歩道にカワサキを乗り上げ、サイドスタンドをかけてエンジンオフ。

「さ、喰おうぜ」

「いらっしゃい」

「250グラムでバター醤油ね」

マスターは清原和博そっくりのハーレー乗りの強面。

ほとんど喋らずに肉を焼く。

すごく美味い。
やめられない。

特に冬。

バイクでキンキンに冷えた空気を切り裂き、ありついた熱い肉は最高だった。

テロンテロンの学生時代が終わり、仕事に就き、Jr①が産まれる。

幼稚園生のJr①の「てっぺ」という言葉と共に親子三人でカウンター。

さすがに車だったけど。

無口なマスター、会話らしい会話はした事がない。

黙って肉を焼くのみ。

最後に行ったのは10年くらい前?

昨日の豪雨の中、環状六号を甲州街道へと右折。

お店、休みだったらどうしよう?
そもそもあれから10年、お店あるのか?

ドキドキしながら幡ヶ谷駅を通り過ぎる。




photo:01



あった!

喜び勇んでお店のドアを開けると…

「いらっしゃい!どうしたの?何年ぶり?いつものバター醤油でいい?」

おー、憶えていてくれた!

「元気だった?昔のバイク仲間はどうしてる?子供は大きくなった?またウチの肉喰いに来てくれると思ったよ」

初めてご主人と会話をしました。

相変わらずの清原和博的迫力。

変わらない味。

頭の中にカワサキの排気音、冬の空気の冷たさ、小さいJr①の笑い声が蘇る。

暫し雑談。

ご主人「震災の時はさぁ、目の前の甲州街道を八王子方面に歩いて帰る人でいっぱいでさぁ、少しすると常連のお客がどんどん来るわけ。新橋とかから歩いて、今てっぺいの肉食べとかないといつ食べれるかわからないからって、被災地に肉焼きに行こうと思ったけど行く手だてもないし常連のお客さんもほっておけないしさ。」

私「震災の後は何も食うもん無かったでしょ?空きっ腹にてっぺいのステーキの事思い出すワケ。あぁ、喰いてぇなぁ!バター醤油最高だったよなぁ!」ってね。

はい、来れて良かったです。

今までのストレス、吹っ飛びました。

「また来ます」

相変わらずの豪雨、クルマを宿泊先の品川へと走らせるセキトバさんでした。

ということで次はクルマ屋さんのAさんの話。




セキトバ長期離脱。

はい、お久しぶりです。

体調崩してました。

今年に入ってずーっと体調悪かったのですが…

ある日の外来診療中、あまりの具合悪さに採血をしてみました。

結果…

何じゃこりゃ!

「はい、数字はこの通りです。県立病院に紹介状書きますからすぐ入院してくださいね。え?仕事?死んじゃったら仕事もできませんからね。会社には診断書書きますから。これ以上値が悪くなると何がおきてもおかしくないですよ。」

てな感じ。

ま、自分で自分に言っても仕方ないので院内の薬を漁り、自分で治療開始。

体調悪い訳だよな。

思えば朝早くから往診に行ってそのまま救急車に同乗して搬送したり半島イッコ越えて点滴しに行ったりで食事もマトモに摂れなかった。

職員のトラブルに悩み、解決策を夜中まで考えていた。

禁煙外来と在宅療養支援診療のための準備や介護保険認定委員としての仕事、在宅がん患者支援チームのリーダーとしての役割や様々な会議。

そら体調も悪くなるわな。

でもセキトバさんが入院しちゃうと患者さん達が困るのでセルフでやらなくちゃ。

そこは名医のセキトバさん(笑)

自分で薬を処方して少し体調は戻りました。

あ、医者が自分に薬を処方する時は自費になります。

あと必要なのは気分転換。

幸い往診の患者さん達は落ち着いている。

東京行きましょ。
そうしましょ。

以前紹介したウチのフォルクスワーゲン、ボーラくん、これまた以前紹介したクルマ屋さんのAさんトコ持っていって整備をしてもらおう。

彼の手にかかれば魔法のようにクルマは良くなる。

いくつか気になるところがあるんだけどイマどきのディーラーさんのウデでは無理。

日曜に日帰りで行こうと思ったけど、今の体調でそんなことしたら死んじゃうな。

家内にホテルの手配をしてもらい、土曜の午前診療を終えて仙台へ。

1時間だけ家族と過してボーラに飛び乗る。

アラよっと東北道。

ご存知の如く週末の天気は荒れ模様。

嵐の中、Go West!

photo:01



こんな時、フルタイム四駆のマニュアルミッション車は強い!

周囲の車が風雨でフラつくなか、ピタッと安定してあっという間に浦和料金所。

首都高速と乗り継ぎ、着いたのは甲州街道ぞいのあるお店。

ここまで書いて眠くなっちゃいました。

また明日。

あ、これは備忘録代わりなのでコメント設定はしておりません。

読み流してください。